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Woman's Talk

休日の楽しみは、ドライヴする時間

真木 よう子 さん(女優)

[2016.06.09]

やんちゃだった子供時代


スタジオでカメラの前に立つ真木よう子さん。すっとしたきれいな透明感がある。現在公開中の是枝裕和監督映画『海よりもまだ深く』に出演。台風の夜に、偶然ひとつ屋根の下に集まった元家族の物語で、それぞれの人生が抱える思い、せつなさが静かに描かれる。真木さんは、小説家くずれの笑えるほどダメな夫(阿部寛)と別れ、働きながらひとり息子を育てる役柄だった。

「私にとって、すごく好きな作品になりました。笑えるし、泣けるし、フラットで偏ってもいないし、誰の心にも響く作品になったと思います。是枝さんの現場は、気負わずにいられる。温かさがそのまま映るのではないでしょうか」

撮影の舞台となったのは、是枝監督がかつて住んでいたことのあるという、東京都清瀬市の旭が丘団地だった。

「小さな頃、私も団地に住んでいたことがあるんです。4階に住んでいてエレベーターもない建物で。だからロケ場所に行ったときは、すごく懐かしかったですね」

感性が鋭く、クール・ビューティーな印象が強いが、子供時代の話になるとふっと目元がゆるんで、意外なほど人なつこさが漂った。

「私は3人の男兄弟の中でひとり女の子だったので、やんちゃでしたし、よく団地の子供たちと、日暮れまで公園で遊んでいました。自分がお姉ちゃんになってくると、今度はよその小さい子の面倒を見たりとか。皆で自転車でデパートに行ったりもしましたね」

16歳でのデビュー後、みるみる頭角を現し、シリアスなものからコミカルな役まで、その秀逸な演技には定評がある。中でも重い過去を背負う夫婦の姿を描いた『さよなら渓谷』の芝居は圧巻で、その年の映画各賞を総なめした。

「あれはしんどい役でした。のみこまれないように、でも、のみこまれないと演(や)れない役。そのバランスが難しかった。女優としてひとつ、覚悟を持って臨んだ作品でした。受賞はとてもうれしかったです。でも、それはそれですからね」

真っ直ぐな目でそう話す。仕事への前向きな姿勢は、胸がすくほどの凛々(りり)しさだ。


希望となった樹木希林さん

今作では元夫の母役を演じた、大きな存在感のある樹木希林さんとの出会いが「女優をやっていくうえで、すごく励みになった」という。

「年齢を重ねていくことでの、容姿の変化とか役柄が狭まるとか“女優の悩み”というものがあると思う。でも、樹木さんの存在は、自分の世代には希望となりました。こういうすごい女優さんがいるのなら、目標として頑張っていけるし、そうなれるかもしれない。これからの自分しだいだ、と思わせてくださいました」

「現場こそが自分の生きる場所」と感じ、まる一日休みがあると、とまどうと笑う真木さん。

「親友に電話をしてカフェに行ったり、夜はそのままお酒を飲みに行って他愛のない話をしたり。たまにドライヴにも出かけますね。運転が好きなんです。上手ですよ、ゴールド免許ですし(笑)。千葉の出身なので、やっぱり好きな、館山方面などに行きますね。気に入っている音楽を聴きながら走るんです。今、新しい車が欲しくて、どういう車にしようと考えているときが、すごく楽しい」

33歳。女優として、ますます磨かれていく時期だ。

「私は欲しいものは何でも貪欲(どんよく)に手に入れたいほうです。芝居も貪欲でいたい。やりたいことはやりたい、伝えていきたい。一日でも長く、現場にいたい、そう思い続けています」

撮影:渞忠之/文:水田静子/ヘアメイク:AYA(ラ・ドンナ)/スタイリスト:三田真一(KiKi.inc)

真木さんへQ&A

いつもバッグに入っているものは?
ハワイに出かけたときに知り合った、地元のアメリカ人の友達が、折り紙で作ってくれた船。うれしくて、その子とまた会う日まで必ず持っていたいと思い、いつもバッグに入れています。
好きな花と色は?
花はハイビスカス。色は、真っ青と、赤。昔からずっと好きですね。

まき・ようこ
1982年、千葉県生まれ。2005年『ベロニカは死ぬことにした』で映画初主演。06年、映画『ゆれる』で山路ふみ子映画新人賞を受賞。注目を集め、以後、映画、ドラマ、CMと活躍を見せる。14年、映画『さよなら渓谷』で、第37回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、『そして父になる』で、同最優秀助演女優賞をW受賞した。最新映画は是枝裕和監督『海よりもまだ深く』。共演・阿部寛、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、吉澤太陽、橋爪功、樹木希林……ほか。現在全国ロードショー中。


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