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Woman's Talk

結婚と出産が、心の平安をくれました

長谷川 京子 さん(女優)

[2016.08.03]

モデルと女優のはざまで もがいていた日々


スレンダーな体と、ミステリアスな魅力を放つ長谷川京子さん。7歳と4歳の子どもを持つ母親であるとは思えぬほどの美しさだ。新作映画『後妻業の女』(監督:鶴橋康夫)に出演。大阪を舞台に、結婚相談所の所長とタッグを組んで、高齢の独身男の後妻となり財産を次々に狙う小夜子(大竹しのぶ)の、したたかさと哀切を描く。長谷川さんは、小夜子に騙(だま)された男(津川雅彦)の長女役を演じた。

「小夜子を疑う妹に対して、世間しらずのおっとりした役柄でした。でも、こういう人こそ芯があって、針金のように曲がる柔軟性があるのだろうな、と思いながら演じましたね」

内容はシリアスだが、たっぷりとユーモアも含んで、ラストに向かって人間の愛(いと)おしささえも感じる作品に仕上がっている。

「小夜子の存在を理解できるようになっていくと、そういうこともあるのかもしれない、(孤独だった)お父さんを彼女が救ってくれて、最後は幸せでよかったと思えて」

10代から人気モデルとして活躍してきたが「私は背も高くないし、ずっとは続かない。じゃあ、自分だけの表現ができる場所は、と考えて」女優業に。その後、順風満帆にきたイメージがあるが、実のところ「ずっと不安で悩んでいたんです」という。

「モデル上がりというような雰囲気で見られ、認めてもらえない。どうやったらモデル感を消せるのか。“ハセキョー”というイメージの虚像と、自分という実像との隔たりもストレスで、ハクをつけなくてはとか、よけい考え方をこじらせていたんですね。幸い役者として仕事量がわっと増えたのですけど、今度はこの旬が終わったら、私はどうなるんだろう、という危機感に追われてしまって」

その不安を消し去ったのが、30歳での結婚、そして出産という経験だった。


「ありがとう、ごめんなさい」が普通に言える子に

「ひとりめ、ふたりめと、もう物理的に忙しすぎて、悩みなんて抱えていられない(笑)」

朝は、小1の長男のお弁当作りから始まる。

「6時半には家を出ちゃうんで、間に合わせないと。今は仕事から帰ると、ささっと仕込みをしておきますね。野菜をゆがいて常備菜として冷凍してストックしておくとか。私がしんどくて作れない日は、主人がやってくれるんですよ。すごく助かっています」

女性誌『LEE』に、『おいしい歳時記』を連載中。健康的な食生活を目ざしたメニューや、飾らない普段の生活がうかがえるレシピなど、日々の“食風景”を自分で綴(つづ)る。

「躾(しつけ)ですか? キビシイかもしれません。やっぱり『ありがとう、ごめんなさい』などは、社会に出てからも普通に言える人であってほしいですし、約束したことをやらないときとか、しっかり怒ります。よそのお子さんたちが家に遊びに来ていて、びっくりするくらい(笑)。私は仕事を持っていて、子育てについての情報や、対処法の知識とか技術が少ないと思うから、自分なりの考えと思いで向き合っていくしかないですね」

結婚と出産が「私の精神を落ち着かせてくれました。本当にうれしい」と笑う長谷川さん。「でも」と、強い意志が宿る目で。

「役柄においては全然安定したくないんです。むしろいろんな女性を演じていきたい」

撮影:渞忠之/文:水田静子/ヘア:hanjiee/メイク:佐々木貞江/スタイリスト:谷藤知可子

長谷川さんへQ&A

いつもバッグに入っているものは?
子どもふたりの年間行事表と、その月のお便り表です。
好きな場所は?
映画館!(と、即答)。だいたいひとりで観(み)ます。TOHOシネマズの塩バターポップコーンが大好きで、「バターをたっぷり入れてください!」とリクエストしちゃいます。
好きな花と色は?
花はどれも好きです。色はときどきで変わりますね。今年のスケジュール帳は、気分にしっくりきた赤色のものを買いました。

はせがわ・きょうこ
1978年、千葉県生まれ。95年に女性誌『CanCam』の専属モデルとなる。2000年、ドラマ『らぶ・ちゃっと』で女優デビュー、以後、映画、ドラマ、CMで活躍。08年にポルノグラフィティの新藤晴一と結婚し1男1女の母。8月27日に『後妻業の女』が全国東宝系にて公開。共演に大竹しのぶ、豊川悦司、尾野真千子、笑福亭鶴瓶、津川雅彦、永瀬正敏ほか。


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