Life Style
2018.01.18

「和洋折衷の婚礼衣装を制作中です」 知花 くららさん(女優)

ブラウス&スカート/シー ニューヨーク(ブランドニュース TEL:03-3797-3673)
(撮影:竹内裕二/ヘア&メイク:重見幸江/スタイリスト:田中雅美/インタビュー:宮本恵理子)

「ミス・ユニバース2006世界大会」で総合第2位に選出されて以降、多彩な才能で活躍する知花くららさん。昨年は角川短歌賞で佳作受賞、短歌の師匠・永田和宏さんとの共著『あなたと短歌』を出版したばかり。

Q1 短歌の魅力とは?

短歌の世界に惹(ひ)かれたのは、20代半ばで与謝野晶子の『みだれ髪』を読み直したのがきっかけです。恋の昂(たか)ぶりをそのまま詠んだ感覚が「わかるかも」と思えて、何度も読み返しました。そのことを雑誌の取材で話したら、ライターさんから「現代にもすごくいい歌人がいるんですよ」と教えていただいて手に取ったのが、永田和宏さんと河野裕子さん(故人)ご夫妻の相聞歌集『たとへば君四十年の恋歌』。喫茶店で何気なく頁をめくったら、もう涙も鼻水も止まらなくなって。短歌ってこんなにシンプルで、自由で、でも深くって、何より“気持ちを伝えられる”ものなんだと知った時に、「私にもできるかな。やってみたいな」と4年前から始めました。国連の活動も詠むことが多いですね。

Q2 国連の活動を長くなさっていますね?

国連世界食糧計画(国連WFP)の活動に携わらせていただいて11年。今は日本大使として年に1回の海外視察にも参加し、表舞台に出る仕事と同じくらい大切な活動になっています。訪れた国で出会った人々の暮らしや表情を私なりの言葉で伝えていけたらと思っています。世界中にシビアな現実があることを肌身で感じてから、身の回りに起こる問題に対して「命は取られないから大丈夫」と思えるようにもなりました。

Q3 特に印象的だった国は?

衝撃的だったのは、やっぱり最初に訪問したザンビアです。現地のお母さんに「飲み水はどうしているんですか?」と聞いたら、「あるよ」と言って教えてくれたのが、雨水を貯めただけの泥池の上澄み水。「これを沸騰させたら飲めるのよ」と彼女はカラリと教えてくれましたが、一方で脱水症状で命を落とす子どもが後を絶たない事情に問題の深さを感じました。見るものすべてが、日本での暮らしとかけ離れすぎていて、最初は理解が追いつかず苦しいくらい。ないと信じていた私の中の“物差し”の存在に気づくと同時に、それと目の前の現実との乖離(かいり)に葛藤しました。でも、「違いを受け入れて、現実をしっかり見よう」と決めてからは、それを伝えることが自分の使命だと思えました。

Q4 昨秋、ご結婚。生活の変化は?

あまり変化がないというのが実感かな。お付き合いしている時から自然体で過ごせる相手だったので。同じ芸能の世界にいますが、仕事が少しずつ違うので、お互い刺激と尊敬を交換し合える関係だと思います。

Q5 家事分担や共通の趣味は?

家事はお互い仕事があるので「できる時にできる方がやる」が原則。私は掃除より料理が得意なほう。共通の趣味としてはキックボクシングのトレーニング。わたしは最近週2、3回通うほどはまっていて、夫婦で打ち合ったこともあります(笑)。トレーナーから「くらら、本気で行け!」と言われたらやるしかないです(笑)。ストレス発散でもあるし、いいコミュニケーションになっていると思います。

Q6 美の源の“パワーフード”は?

キノコが大好きで、冷蔵庫には3、4種類のキノコを常備。今の季節にハマっているのが「ピェンロー鍋」。中国の調理法で、干し椎茸(しいたけ)を戻し汁ごと鍋に入れて白菜をたっぷりと。豚肉、鶏肉、春雨も加えて、胡麻油と塩だけで頂きます。最高に美味(おい)しくて翌日のお通じもいいですよ。あとは、朝起きたらまず、常温の水を1杯頂きます。夫から薦められた習慣で腸のデトックスにいいらしいです。たしかに調子はいいです。

Q7 一番好きなファッションアイテムは?

白いシャツ。パリッと気持ちに張りが出るし、デザインや着こなし次第で、女っぽくもボーイッシュにもなれるから。でも、気づくとすごく増やしてしまうので、頑張ってクローゼットを“断捨離”中です(笑)。

Q8 お金を自由に使えるとしたら何を?

東京から通える場所に、海の見える家を建てたいです。沖縄で生まれ育ったからか、時々すごく海が恋しくなります。海を見ながら「この先に世界が繋(つな)がっているんだ」と感じるだけで、自由な気持ちになれる。数年前に船舶の免許も取りました。家を建てる夢を叶(かな)えるには、まずは家計簿をちゃんとつけないと(笑)。

Q9 いつもバッグに入っているものは?

近頃、欠かさないのは「翻訳セット」。興味を持った海外作家の本を翻訳することに挑戦中。中身をコピーしノートに貼り、日本語訳を一文ずつ書く作業を暇さえあればやっています。受験生に戻った気分(笑)。

Q10 今年、ぜひやりたいことは?

婚礼衣装を完成させること。結婚式のために、フレンチレースを掛下と打掛に使った和洋折衷の白無垢風の婚礼衣装を自分でデザインし、制作中です。

ちばなくらら
1982年沖縄県生まれ。上智大学卒業後、2006年、ミス・ユニバース・ジャパンに選出され、世界大会総合2位。07年に国連世界食糧計画(国連WFP)のオフィシャルサポーターに就任し、13年より日本大使を務める。15年、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の津田梅子役で女優デビュー。雑誌モデル、ドラマ出演、ナビゲーターなど幅広く活躍。17年10月、俳優の上山竜治氏と結婚。第63回角川短歌賞で佳作を受賞。歌人の永田和宏氏との共著『あなたと短歌』(朝日新聞出版)が今月刊行。

インタビュー後記

スラリとした長身で凛とした存在感を放ちながら、話し出すと表情をクルクルと変えて愛嬌たっぷり。飾らない笑顔が印象的だった。「白いシャツが好き」という。無垢の色から生まれる無限の可能性。時に叙情溢れる恋歌に涙し、時に海を渡って世界の現実を伝える。様々な舞台に立つ「知花くらら」という女性こそ、“白いシャツ”のような魅力を持っているのではと感じた。

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