Life Style
2018.11.07

「考えるのが好きで、暇になるのが苦手です」
柴咲コウさん(女優)

ジャンパースカート、ブラウス MES VACANCES(レトロワグラース https://mesvacances.jp) ピアス(右耳)、イヤーカフ(左耳)、バングル/CADEAUX (カドー伊勢丹新宿店TEL:03-3351-5586)(撮影:渞 忠之/スタイリング:柴田 圭/取材・文:宮本恵理子)

自分でこうと決めたら、真っ直ぐ突き進む、と語る柴咲コウさん。この秋も、コンサートと来春2月に封切りの映画の撮影に加えて、2つの新ブランドを社長としてスタートさせた。そんなアクティブな柴咲コウさんに10の質問。

Q1 レトルトフードブランドとファッションブランドをスタート。きっかけは?

人間の生活の基盤である「衣食住」のものづくりに携わりたいという思いは、5年ほど前からふつふつと。エンターテインメントの世界で20年やってきて、表現者として発信する役割は実感しながらも、もっと実体を伴った形での社会貢献活動ができたらなと考えていたんです。作品に追われていた時期を経て、それなりに自分のペースを保てるようになってきたというタイミングもありますね。いつでも、自由に、新しいことを始められる。そんな生き方を応援する世の中が私は好きだし、私自身もその姿勢を示せたら嬉しいです。

Q2 それぞれのブランドに込めたこだわりは?

「LTG FOODS」では、多忙な女性の生活負荷を軽減するプロダクトとして、手軽に安心して活用していただける「ごほうびレトルト」を開発しています。私自身、めまぐるしい生活の中でどうしても疎(おろそ)かになってしまいがちなのが食事の部分。風邪を引いて寝込んだ時に「お粥(かゆ)を買っておけばよかったな」と感じた体験から、参鶏湯(さむげたん)や五穀粥といったラインアップが生まれました。「MES VACANCES」で展開する服も「お洗濯や手入れが楽」という生活負荷軽減と、環境負荷を極力抑える素材選びにこだわっています。例えば私がコットンだったとしたら、薬剤を使われないほうが健やかに育つだろうなと思うから。人にも地球にも心地いい服づくりを目指しています。

Q3 女優・歌手という表現活動と、ものづくりのビジネスは、ご自身の中ではつながっている?

私の中では、すごく自然に循環しています。演技を通じて、自分じゃない人物の人生をいくつも経験できることは、私の視野や発想の幅をふくよかにしてくれているはずですし。そこから広がって生まれるものづくりから、演技に還元されるものもあると思います。

Q4 リフレッシュはどのように?

私、考えるのが好きで暇になるのが苦手なんです(笑)。早く帰れたとしても、ずっと仕事のことを考えているから、どんどんアイディアが生まれて絶えず休まることはなくて、それが心地いいペース。

インドアではずっと考え続けているから、外に出てちょっと風を感じるだけでリフレッシュに(笑)。ドライブや自転車に乗る時間が好きです。そして、毎日欠かせないのがティータイム。ほんの少しの時間でもホッと息を抜く習慣があるとないとではその後の集中力が全然違います。今後の目標としては、もっと早起きして朝の時間を有効活用すること。日の出と共に起きる生活に変えるのが、来年の目標かな。

Q5 「欠かさない」美容法は?

水をこまめに摂取すること。口内ケアも心がけています。月1回の歯医者さんでのメンテナンスも欠かさずに、自宅でできるケアも積極的に。

Q6 自分の性格で好きなところと嫌いなところは?

難しいなぁ(笑)。白黒つけたがるのは、長所でもあり短所でもあり。日本の社会には曖昧(あいまい)が美徳として働く場面も多々あるのに、私はすごくせっかちで結論を急ぐ。もう少しゆったりといけたらいいのになって思うこともあります(笑)。

Q7 目標としている女性像は?

品があって、いくつになってもチャーミングな女性です。日本では「若さ礼賛」の価値観が根強いけれど、私はシミ・シワを魅力的な年輪として刻める女性でありたい。と言いながら、私の中にも保守的な自分が顔を覗(のぞ)かせる時もあって葛藤することも。

Q8 好きな家事は料理派? 掃除派?

お掃除です。目に見えて成果が出るから、ストレス発散になりませんか? 掃除分担が原因で夫婦喧嘩(げんか)になるとよく聞くのですが、私だったら「私が全部掃除してスッキリしたいから、何もしないで!」と言うと思います(笑)。

Q9 バッグの中の定番は?

お財布と携帯電話とリップクリームくらい。自転車に乗るようになって軽量化されました。

Q10 来年公開の映画『ねことじいちゃん』の見所は?

昔から猫好きで、家でも猫1匹と暮らす私にとって、題名に猫、主役は猫、猫の日(2月22日)公開と“猫づくし”の作品に出られただけで光栄でした。ロケ地は自然豊かな島で、季節も春。撮影も猫ペースで進み、心のリハビリみたいな穏やかな時間を過ごせました。柔らかさとしなやかさを備えて、相手と一定の距離を保つ、猫の生き方が大好きなんです。

しばさき・こう
1981年東京都生まれ。2001年、映画『GO』でのヒロイン役が高く評価され、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など受賞。以後、ドラマ、映画と多数のヒット作に出演。17年、大河ドラマ『おんな城主 直虎』主演。02年より音楽活動もスタートさせ、ミリオンヒットも生む。16年秋に自身が代表の会社「レトロワグラース」を設立する。18年7月から環境省の環境特別広報大使。

インタビュー後記

多彩な顔を持つ表現者の言葉には、「社会」というワードが幾度も出てきた。世界を広く、遠くまで見通す視野の広さと、クールで理知的な思考には圧倒される。自身が生み出したブラウスのレースの繊細さもまた、彼女の一面。その行き先を想像するだけでワクワクする。

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