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ソウル・済州
元気ときれいの「韓流」旅へ

[2011.08.11]

音楽やドラマを始め、今や日本の幅広い世代を引きつけてやまない韓国の文化。
ご当地では、古くから健康や美しさを磨く文化が数多く育まれ、現代に生かされてきた。
人々の暮らしに根づく、元気ときれいの秘訣を探りに、ソウルと済州を旅してみよう。

(取材・構成:井上にりん〈編集部〉/取材協力・通訳:小林真美/麗水コラム撮影:米田志津美)

王族も愛した韓方(ハンバン)の力を

海を望む済州新羅ホテルのビーチハウス。

東京から飛行機に乗り約2時間半で、そこはもうソウル。鐘路区(チョンノグ)にあるユニークな博物館を目指そう。7代続く韓方専門店の老舗「春園堂」が運営している、春園堂韓方博物館(チュノンダンハンバンパンムルグァン)だ。韓国では中国伝来の漢方をベースに、国の風土や植物を生かした伝統医学「韓方」が発展してきた。ここでは、その歴史を物語る品々が公開されている。例えば、王族が使った治療鍼入れや薬箪笥は細工が美しく見事。美術品としても見応えのある15世紀以降の蒐集品が展示され、健康と美容の歴史の一端に触れることができる。

別フロアでは地元で愛飲されている韓方茶の製造過程が見学でき、迫力満点。ステンレス製のタンクが連なり、白衣を着た薬剤師が働いている。「タンク1本に1人分の韓方茶の原料が入っており、蒸気で2時間蒸すなど手間のかかる工程が続きます。機械を使った現代の韓方茶づくりでも、大切なのは人の手と心です」と、学芸員の鄭喜云(チョンヒオン)さん。韓国人になじみの深いナツメを使った安寧茶(アンニョンチャ)は、赤い色でほんのり甘い。体を温め、良質な睡眠を促す。このほかにも数種の薬草を使ったものなどが販売され、おみやげにもいい。


600年の伝統を誇るサウナ

日本でもすっかりおなじみの韓国式サウナ「汗蒸幕(ハンジュンマク)」は、その起源を15世紀頃までさかのぼる。松をたいた熱を使う石造りのドームに、麻の布をかぶって入る。ソウル市内にも点在し、熱心な韓国女性は週に4〜5回通うという。近年は電熱を利用する施設も見られるが、瑞草区(ソチョグ)の女性用施設「スパレイ」では、従来の方法で提供。床に敷いた松の葉からの香りがすがすがしい。ドーム内の温度は約100度前後と高温のため、入って2〜3分でどっと汗が出る。1回の利用は5分前後。体の芯からぽかぽかし、凝りがほぐれる。その後は、指圧などのマッサージや、肌をなめらかにするという、ぬるめの海水風呂などですごす。美容メニューざんまいだ。「館内で水分補給に飲むのが、温かいワカメスープ。産後の体にもよいといわれ、韓国女性にはおなじみです」と管理チーム課長の崔真淑(チェジンスク)さん。汗をかくとつい冷たいものが欲しくなるが、夏も韓国には体を冷やさない工夫がある。

ソウルの夜も、韓国料理が美容と健康のよき友だ。キムチなどの発酵食品や、唐辛子などデトックスを狙える食材が多い。また日本でブームのアルコール飲料、マッコリは、韓国でも再評価が進む。米を発酵させて造られており、乳酸菌が豊富だ。各地域のものを飲み比べるマッコリバーもあり、舌を楽しませてくれる。

足を延ばして済州へ

ソウルから飛行機で約65分の済州は、ソウルとはひと味違った楽しみがある。かつて海底火山の噴火によってできたこの島では、オルムと呼ばれる側火山を巡るトレッキングなど、雄大な大地を体感するアクティビティーが充実している。

体を動かしたあとは、島南部のリゾートホテルでくつろぐのもいい。「済州新羅ホテル」の「ザ シーラ スパ」では、韓国産の石、絹雲母(キョンウンモ)を使ったフットバスが快感。遠赤外線効果で足元から血行が促進され、体がリラックスする。

韓国の古今の技と自然に触れるソウル・済州の旅は、夏の疲れを癒やし、健やかな美しさを育んでくれる。

韓方を支える一冊

韓方の歴史に欠かせない医学書に『東医宝鑑』がある。2013年に刊行400年を迎えるため、国内では記念イベントなどが計画されている。『東医宝鑑』は、17世紀初頭に韓方医の許浚(ホジュン)が東アジアの医学を体系的にまとめたもので、ユネスコの世界記録遺産に登録されている。

「2012麗水(ヨス)世界博覧会」開催

来年、韓国南端の麗水市で3カ月間にわたり世界博覧会が開催される。テーマは「生きている海、息づく沿岸」。開催に先立ち麗水世界博覧会組織委員会の姜東錫(カンドンソク)委員長が来日した。「海の持続可能な利用は、海とともに生きる人類の課題。半島に位置する韓国においても、海は暮らしの場であり大きな関心事です」と同委員長。麗水は数多くの島々とリアス式海岸が景観をつくり、世界で最も美しい湾のひとつに選ばれた場所。自然と産業が調和する象徴的な地域でもあり、今回のテーマを有効に伝えるのにふさわしいという。風光明媚な土地を舞台に、韓国や海外のスターによる特別講演、最先端技術を駆使した噴水ショーや海上パフォーマンスなどが行われる予定。2012年も韓国から目が離せない。

[開催期間]
2012年5月12日〜8月12日
[開催場所]
全羅南道(チョンラナンド) 麗水市 
麗水新港および徳忠洞(トクチュンドン)一帯

大地のエネルギーを感じながらすごす休日

  1. 韓方の甘草を使ったフットバスで血の巡りをよく。
  2. 遠赤外線効果のある韓国産の石、絹雲母を1の足の下に置く。
  3. 「山人参不老湯」は、蔘鶏湯に鶏の卵を柿酢に漬けて熟成したものを入れた料理。免疫力を高める。

(以上、済州新羅ホテル)

韓方茶は薬草の力と人間の知恵の結晶

  1. 韓方の医師が往診に使った薬箱。
  2. 薬を煎じる際の道具。
  3. 鍼治療用の治療鍼。フタには朝鮮の王室の紋章が刻まれている。

(すべて19〜20世紀/春園堂韓方博物館蔵)

韓方茶、 韓方薬の製造風景。

春園堂の韓方茶。

[お問い合わせ]

韓国観光公社
03-3597-1717
春園堂韓方博物館 (韓国語のみ)
spa lei (日本語あり)
済州新羅ホテル (日本語あり)

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