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色の魔法を楽しめる体験型コンテンツをご用意。究極の紅が誕生する秘密をご覧下さい。
伊勢半本店の小町紅の原料は、山形県で採れる最上(もがみ)紅花だけ。深い赤の色合いは、他の紅花では出せないそうです。その赤の秘密を訪ねて、山形県白鷹市(しらたかし)に向かいました。
最上紅花は、梅雨がまだ明けきらない7月上旬に花を咲かせます。黄色い花の3分の1ほどが赤く色づいた「三片紅(さんりんべに)」の花びらだけを摘み取り、水で何度ももみ洗いしながら、黄色い色素を洗い流していきます。さらに酢を加えながらこねるようにして黄色い花の汁をもみ出し、日陰で発酵させ、臼(うす)に入れてつくと、真っ赤な餅のようになります。これが「紅餅」と呼ばれる、本紅の赤の秘密。このような工程を経て花びらを酸化させることにより、赤の色素が多く抽出できるのです。紅餅に含まれる赤の色素は、乾燥させただけの花びらの約10倍だと言われます。
江戸時代にはごく一般的だった紅餅も、今では白鷹市で作られているだけだそうです。紅の文化を守ろうとする人々の手で、ごくわずかな量が生産されています。
輸送に長い時間がかかった江戸時代、紅餅はせんべいのように平たく伸ばして乾燥させた状態で、京や江戸の紅屋へと送りだされました。今も伊勢半本店には、当時と同じように乾燥した紅餅が届き、本紅作りが始まります。
まず、一晩井戸水につけた紅餅をさらに秘伝の水につけ、「ゾク」と呼ばれる麻の束をその中に何度も浸します。麻は紅に染まりやすい性質を持つため、ゾクにはたっぷりと赤の色素が染み込むのです。ゾクから絞り出した紅の濃縮液に酸を加えると、赤の色素が分離します。それを羽二重(はぶたえ)という柔らかな絹の布を敷いたせいろに流し込み、待つこと数時間。濾(こ)されて残った、とろりとした赤いかたまりが本紅なのです。
「紅匠」の肩書を持つ川西和雄さんは、この伊勢半秘伝の製法を受け継ぐ、日本でただひとりの紅職人です。12年前に先代の紅匠から口伝で製法を習い、昔ながらの手作業で本紅を作り続けています。