企画・制作 朝日新聞社広告局
提供 ソニーマーケティング株式会社
BS朝日では美しいハイビジョン放送でOA。ぜひご覧ください。
色の魔法を楽しめる体験型コンテンツをご用意。個性豊かな伎楽のキャラクター達をご覧下さい。
吉岡氏の工房で、実際に多色夾纈を復元する過程を見せていただきました。まず、古来の方法で丁寧に植物染料を準備します。青の部分は藍。乾燥させた藍の葉を発酵させて「すくも」という染料のもとを作り、それをさらに発酵させます。「藍の花」と呼ばれる藍色の泡が立ってきたら、染めに使える段階です。
黄には、刈安を使います。穂が出始めた頃に茎や葉を刈り取り、煮出して染液を作ります。夾纈の緑色の部分は、藍と刈安を染め掛けて色を出します。そして、赤には貴重な日本茜。現在、一般的な茜染めに使われているのはほとんどがインド茜です。吉岡氏は日本茜ならではの黄味の強い赤にこだわり、独自に栽培を依頼した日本茜を用います。
布をはさむ版木には、夾纈の絵柄が彫られています。布も、当時使われた「あしぎぬ」に倣(なら)い、薄い絹布を使用。広げた版木に布を置き、中央で折り返したら、上下に細い横木を何本も渡して、端を紐でしっかりとくくります。
版木には模様の色に合わせ、あらかじめ数千個に及ぶ穴があけられています。天然染料の多くは、染液の中に浸け込まなければ染まりません。そのため、たとえば赤を染める場合は、青・黄・緑の部分の穴に栓をして茜の染液に版木ごと布を浸け込む、という工程を踏むのです。
穴から染料がしみ込んで布が染まるまで、何度も染液に浸します。1色の染めが終わったら、また栓を次の色に合わせて詰め替えます。穴の位置を見ながら、横木を微妙にずらす作業も必要です。丸4日かけて、ようやく美しい夾纈が染め上がりました。「手間がかかる上に、失敗の可能性が高い。残されている多色夾纈の陰にどれだけ失敗作があったか、当時の苦労がしのばれます」と吉岡氏は言います。
途方もない手間と時間をかけ、一点一点復元された伎楽装束。しかし、吉岡氏はそれらを大切にし過ぎることには反対です。「どんどん使い、色あせたら染め直す。そうしなければ、技術は途絶えてしまいます。天平の知恵と技を後世に伝えるために、『使う』ことが必要なのです」。伎楽の舞台で舞う、天平の色。その美しさが、千年後も人々の目を楽しませてくれることを祈ります。
版木に布をはさむ |
版木を紐でくくり止める |
穴に栓をする |
染液に浸す |
染め上がった多色夾纈 |
染色家。1946年京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社「紫紅社」を設立、美術図書編集を手掛けた後、生家である江戸時代から続く染屋「染司よしおか」5代目当主を継承。毎年、東大寺お水取り(修二会)や薬師寺花会式の造り花の染和紙、石清水八幡宮放生会の和紙の造り花を植物染で奉納。文化財修復や公共施設のアートディレクションまで、幅広く活躍を続けている。「日本の色辞典」「日本の色を染める」「京都色彩紀行」など著書多数。
吉岡氏
古来の植物染めで染められた着物や和装小物、インテリア雑貨など。職人の手で創られた、美しい日本の色がそろっている。 ●京都店:所在地/京都府京都市東山区新門前通大和大路(縄手通)東入ル TEL&FAX/075-525-2580 営業時間/10:00〜18:00 定休日/夏期休暇・年末年始 ●東京店:所在地/東京都中央区銀座6-8-5 小松アネックス1階 TEL/03-3571-5650営業時間/11:00〜19:00 定休日/年末年始
オフィシャルサイト
染司よしおかの工房