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このコラムでも何度か志望動向を取り上げてきましたが、秋期に実施した模試の最新動向がまとまりましたので、お知らせしたいと思います。
■国公立大動向
まず国公立大の2007年度入試では、以下の★に示した3点が動向に影響を及ぼす大きなポイントとしてあげられます。
★国公立大志向の高まり
2006年度入試では国公立大全体の志願者数はやや減少したものの、難関大では志願者が大幅に増加した大学が数多くありました。模試動向からもここ数年はずっと国公立大志望者の割合が増えていますが、今年度もその傾向は変わっていません。
★医学部理科3科目化の影響
2006年度より京都大、大阪大、佐賀大、京都府立医大、大阪市立大の医学部医学科がセンター試験で理科3科目(物・化・生)を含む5教科8科目を課すことになり、北海道大の医学部医学科もセンター試験・個別試験併せて理科3科目が必要になりました。2007年度入試は、理科3科目化2年目を向かえますが、京都大、佐賀大では志望者数の増加が見られるものの、他大学では志望者数は減少しています。理科3科目はやはり受験生にとってはかなり負担が大きいようで、前年の志願者減少の反動は簡単には現れていないようです。
★難関国立大の後期日程の廃止
2007年度は東北大(工・医・歯・農)、東京工業大(第1類)、名古屋大(法・経済・教育・情報文化・工)、京大(医(保健)を除く全学部)、九州大(薬)などの難関大が後期日程を廃止しますが、廃止大学だけに留まらず周辺の大学にも大きな影響を与えており、志望の流れが変化しています。
京都大<前>からの顕著な流れは、予想通り近隣の難関大である大阪大<後>と神戸大<後>に向かっています。また第1類のみで後期を廃止する東工大では、学内併願で第2類<後>の志望者が約2倍増加しています。さらに一部の学部で後期を廃止する東北大、名古屋大でも学内併願で他学部後期への志望者が増加しています。
また、京都大は文系学部と医(医)で顕著な後期志望率の低下がみられ、前期一本勝負に掛けている受験生が数多くいることが伺えます。しかし、他大学については、秋以降は後期への併願が増加し、ほぼ前年並の後期志願率に戻ってきました。
後期廃止による受験機会の減少という面が強調されがちですが、
前期募集人員が増加するというプラスがあります。
従来の後期募集人員をそのまま上乗せした京都大をはじめとして前期募集人員が増加している大学がほとんどです。募集人員増により難化することは考えにくく、受験機会が1回になったことで安全志向に走ることなく最後まで強気で堅実な準備をした受験生が合格するという入試結果が予想されます。
次に、第2回駿台全国模試のデータをもとに系統別の動向を見てみましょう。
国公立大では、全体的に文系の志望が減少していますが、法学部系の志望減が大きくなっています。初の新司法試験の合格発表が行われましたが、当初より合格率が低くなったことで、法学部の人気回復につながらなかったものと思われます。これに反して、経済・商学部系は志望が大幅に増加しています。2005年度の会計大学院開設もあり、公認会計士などの明確な目標をもった受験生の志望が増えているものと思われます。女子の志望指数が高くなっている点も注目されます。
理系は文系に比べ全体的に志望指数が高く、国公立大に関しては理高文低の状況となっています。昨年まで志望状況が芳しくなかった理工系は工学部系で回復の兆しが見え志望者数が増加しています。昨年度志願者が大幅に減少した薬学部系は依然として6年制移行に伴う影響が続いており志望者が減少しています。しかし、女子では反動から志望者は増加に転じています。医・歯学部系はやや減少、看護・保健系、農・水産系はほぼ前年並です。
■私立大動向
文系では私立大においても法学部系の志望減が回復していません。法学系、政治系いずれも減少傾向となっています。文・人文系は前年並みで、経済・商学部系は志望指数が高くなっています。
理系では理学部系、工学部系が増加を示しています。特に理学部の化学系、工学部の応用化学系などの増加は、薬学部6年制の影響で化学系の学科に流れてきているものと思われます。医・歯学部系は安定した人気を保っており、センター試験利用方式や二期入試などの新規導入も影響していると思われます。前年に引続き志望者減が目立つのは薬学部系です。私大はほとんどの大学が6年制に移行しましたが、2年目も回復の兆しは見えません。新設もあり募集人員は増加する中での志望者減少であり、はっきりとした易化傾向といえます。看護・保健系は大きく志望者を増加させています。この系統にも新設が目立つほか、女子の実学志向の受け皿として人気が出ているものと思われます。農学部系では前年にセンター方式に新規に参入した東京農大の反動の影響で志望者数が減少しています。
以上のように、秋が深まるにつれて志望動向にも若干の変化は出てきています。しかしながら、受験生のみなさんには、センター試験まで2ヶ月を切りましたが、焦ることなく最後まで第一志望校目指して、地道な努力を続けてもらいたいと思います。
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