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このコラムでも何度か志望動向を取り上げてきましたが、秋期に実施した模試の最新動向がまとまりましたので、動向をお知らせしたいと思います。
■国公立大動向
まず国公立大の2008年入試では次の2点が動向に影響を及ぼす大きなポイントとしてあげられます。
・国立大後期試験廃止
・医学部理科3科目化
★国立大後期試験廃止の影響
2008年入試では、東京大・理三、東北大・教育・法・医(保健)・薬、名古屋大・文・理・医・農、神戸大・医(医)、九州大・芸術工など難関大を含むいくつかの大学・学部で後期日程を廃止します。さらに、東京大は理三を除く科類でも後期の募集人員削減した上で全科類を一括募集します。このように廃止・削減された後期募集人員は、前期または推薦・AO入試などに移行する訳ですが、これに伴い志望の流れが大きく変わってきます。
具体的に前期では、後期廃止による募集人員を前期に振替えた学部へ、レベル的にやや下位の大学・学部から志望が流れ、その影響で、やや下位の大学・学部では志願者が減少し、レベルもややダウンすると思われます。
一方後期では、廃止した学部と同レベルの大学・学部への流れ、また、同大学内で後期を残す他学部への流れが強まるものと思われます。実際に模試動向で見てみますと、下記の大学・学部の志望者が増加傾向にあります。
[後期日程で志望者増加傾向の大学・学部]
北海道大・理、医(医)、東北大・理、東京工業大・第2類、第5類、第7類、一橋大・法、経済、商、大阪大、理・工・医(医)、神戸大・工、九州大、文・法・教育・農、山形大・医(医)、岡山大・医(医)、名古屋市立大・医(医)、大阪市立大・医(医)
★医学部医学科理科3科目化の影響
2006年度入試で、京都大、大阪大、佐賀大、京都府立医科大、大阪市立大で導入された医学部医学科におけるセンター試験理科3科目必須化(他に北海道大は、センター試験、個別試験あわせて理科3科目が必要)ですが、2008年度は、さらに旭川医科大、九州大、奈良県立医科大で導入されます。
3年目を迎える6大学は、科目負担増による志望者減少も底を打った感がありますが、新規導入の3大学は模試動向では大きく志望者数が減少しています。ただし、北海道地区や近畿地区では先行して理科3科目化を行った上位大学があるため、今後の志望変更による流入が考えられるので注意が必要です。また、すでに理科3科目を行った大学の状況を見ると、志望者が理科3科目すべてについて高得点を獲得しているわけではなく、単に負担増という部分だけで敬遠することは決して得策とはいえません。むしろ最後まであきらめずに理科3科目の準備をすすめることで好結果が得られる可能性があります。
次に系統別の動向を見てみましょう。
国公立大学文系では、景気回復や大学生の就職状況の好転などの影響で経済・商学部系が大幅な増加を示しており、2008年度入試の特徴といえます。文・人文学部系と法学部系はほぼ前年並みか微減に留まっています。特に、法学部系は2007年度入試では志願者が微増しましたが、今後の司法試験合格が広き門にはならないという方向が伝えられたこともあり、頭打ちになっています。教育学部系は減少が大きくなっています。教員採用枠の拡大にもかかわらず、教育を取り巻く環境の厳しさから敬遠傾向を生んでいます。
国公立大学理系では、理学部系、工学部系が2007年度入試に続いて増加に転じており、一時の低迷から回復基調にあります。医歯薬学部系では、2007年度入試でセンター試験の平均点ダウンで大幅に志願者が減少した医学部系が引き続き減少傾向となっています。後期廃止大学が14大学となり、志望校の選択範囲が狭まったことも要因で、さすがの医学部人気も落ち着きを見せてきました。歯学部系は大きく減少しており、志望者数から見る限り理系での不人気系統であるといえます。薬学部系は薬剤師養成学科6年制化の影響も落ち着き微減に留まりました。看護・保健学部系、農学部系はほぼ前年並みの志望者となっています。教育学部系は文系同様の理由で志望者の減少が大きくなっています。
■私立大動向
私立大の系統別動向も、国公立大とほぼ同じ傾向を示しています。
文系ではやはり経済・商学部系の大幅増加が目立っています。文・人文学部系、法学部系はほぼ前年並みです。教育学部系は減少傾向ですが、国公立大よりは減少幅は小さくなっています。これは、早稲田大の初等教育学専攻の新設や幼稚園教諭や保育士養成系といった資格直結型のいわゆる「こども系」学科の定員増が要因ですが、全体としては、志望者数は伸び悩んでいます。
理系では、理学部系の増加がみられ、不人気系統からの回復のきざしが見られますが、工学部系は微減と引き続き減少傾向です。医歯薬系は、医学部系は微減、歯学部系は大きく減少と国公立大と同傾向ですが、薬学部系は国公立大とは異なり大きく増加しています。しかしながら、これは共立薬科大を合併する慶應義塾大薬学部と新設の立命館大薬学部での増加がほとんどで、合格ラインの低い大学を中心に減少傾向は続いています。看護・保健学部系、農・水産系はほぼ前年並み、教育学部系が減少というのは国公立大と同じ傾向です。
以上のように、秋が深まるにつれて志望動向にも若干の変化は出てきています。しかしながら、受験生のみなさんには、センター試験まで2ヶ月を切りましたが、焦ることなく最後まで第一志望校目指して、地道な努力を続けてもらいたいと思います。
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