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2008年度入試では、東京大における理科三類の後期入試廃止と他の科類の後期募集人員削減およびー括募集への変更、東北大の法・教育・医(保健)・薬、名古屋大の文・理・医・農の後期入試の廃止など難関大における「前期入試へのー本化」の動きが加速し、併願パターンが大きく変動した入試となりました。また、医学部医学科では地域医療を担う医師不足解消のために入学定員の拡大と地域枠の導入が相次ぎました。また、私立大学では、首都圏や関西圏の有力大学で新たな入学者の獲得を目指した学部、学科の新設や新しい入試方式の導入が続いています。

こういった変更は今後も拡大し、それによって入試を巡る環境に様々な変化が現われると思われます。そこで、今回は現時点で既に判明している2009年度入試の主な変更点をまとめてみました。

難関大における前期一本化への動き

東北大
  • 文の後期日程を廃止し、AO入試II期(センター試験を課さない)を実施。
ー橋大
  • 商の後期日程を廃止、前期260人、推薦(センター試験を課す)15人に変更。 
  • 法、社会の後期募集人員を削減、前期募集人員を増員。法は前期160人、後期10人、社会は前期225人、後期10人とする。
京都大
  • 医(人間健康科学)の後期日程を廃止し、後期の募集人員はすべて前期日程へ。専攻別募集人員は看護70人、検査技術37人、理学療法18人、作業療法18人とする。
九州大
  • 教育の後期日程を廃止し、AO入試を実施。
  • 医(保健)の後期日程を廃止し、前期日程を14人、AO入試を4人増員。
金沢大
  • 医薬保健学域(医学類)の後期日程を廃止し、推薦入試II(センター試験を課す)を実施。
長崎大
  • 医(医)の後期日程を廃止。
大阪市立大
  • 医(医)の後期日程を廃止。前期募集人員を20人増員し、80人とする。

その他、金沢大・医薬保健(薬/創薬科学)、岐阜大・教育(学校/社会)(学校/音楽)(学校/美術)、鳥取大・医(生命科学)、長崎大・教育(学校/中学・数学)(学校/中学・技術)(学校/中学・家庭)、九州歯科大・歯も2009年度からの後期入試の廃止を公表しています。

◇ 医学部医学科 理科3科目必須化

将来医師を志す者は、自然科学の基礎として、物理・化学・生物を最低限学んでおくべきだとの判断から、理科3科目を課す国公立大学医学部医学科が増えてきています。2006年度には京都大・大阪大・佐賀大・京都府立医科大・大阪市立大が、これに加えて2008年度から九州大・旭川医科大・奈良県立医科大がセンター試験で理科3科目(物・化・生)を含む5教科8科目を課しています。2009年度入試では、新たに岡山大、徳島大でセンター試験で理科3科目(物・化・生)が課されます。この一方で、大阪大は2009年度入試からもとの理科2科目に戻すことを発表しており、2008年度入試でも非常に人気を集めた難関大だけにその動向には注意が必要です。

◇ 難関大個別試験の入試科目見直し

京都大
  • 経済で新たに「理系入試」導入。募集人員は、現行の論文入試の50人を論文入試25人、理系入試25人とする。個別学力検査の科目は、論文入試は従来の数を外して、「国・外・論」、理系入試は「国、数、外」となる。
  • 工で個別学力検査において、新たに「国語(国語総合、現代文、古典)」を課す。
  • 個別学力検査の文系数学において「数学C」を出題範囲から除く。但し、数Aの「場合の数と確率」は条件つき確率なども含むものとし、その内容は数学Cの「確率分布」の「確率の計算」程度とする。
ー橋大
  • 経済<後>の入試科目を「英・数」に変更。数学は「数III・C(行列とその応用、式と曲線)」を追加。なお「数III・C」を学習していない受験生が不利にならないよう選択問題を用いる等の充分な配慮をする。 
  • 法<後>・社会<後>の入試科目を「社会・文化に関する英語の論文または資料を示して理解力等をみる論文」と「面接」に変更する。

◇ AO入試の現状と見直しへの動き

国立大の推薦入試枠はAO入試での募集も含めて上限を5割まで認められています。ただし、AO入試に合格し手続きを完了した者は、前期・後期試験での合格者となりえません。公立大学についても国立大学と同様の措置がとられています。したがって、受験する際は、本当に志望する大学であることが必要条件となります。また、2009年度入試では入学者の学力レベルが一般入試とは差があるなどの理由から、一橋大・商、筑波大・社会・国際学群(国際総合学類)ではAO入試を廃止します。今後はこういった見直しも広がるものと思われます。

◇ 都市部の有力私立大学の学部、学科新設

首都圏・関西圏の有力大学では,現時点で下記のような学部、学科の新設が予定されており、難関大志向の中で志願者を集めそうです。

学習院大・理学部(生命学科)、法政大・スポーツ健康学部、同志社大・心理学部、関西大・外国語学部、関西学院大・教育学部(幼児・初等教育学科)(臨床教育学科)、総合政策学部(都市政策学科)(国際政策学科)、理工学部(数理科学科)(人間システム工学科)

以上、2009年度入試を控えたみなさんには、様々な入試変更点がありますが、情報過多で不安ばかり抱えて、勉強に集中できないというのは本末転倒です。現在は、全体としては志願者数と入学者数がほぼ一致している「大学全入時代」だといえますが、「二極化」が進捗しており、「難関大」については従来にも増して厳しい入試状況となっています。「どこか行ける大学に入学する」のではなく、「どうしても行きたい大学」をめざして、途中で安易な妥協に走ることなく、最後まで初志貫徹して勉強に取り組むことがますます重要になっています。しっかりとした目的意識を持って、こつこつと日々の学習に精進して下さい。


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