志望校選びのアドバイス

2018年度入試 序盤の志望動向

九州や東北での豪雨災害や関東や関西での連日の猛暑など、厳しい気象条件が重なり、体調を崩してはいないでしょうか?今回は、第1回駿台全国模試(5月28日実施)の結果から、2018年度入試序盤の動向をまとめてみました。

■系統別志望動向

系統別志望動向グラフは、国公立大については各日程で第一志望とした大学の集計、私立大については総志望(志望順位に関係なく志望している大学)の集計をもとに、系統ごとの志望者数の増減を、前年度を100とした場合の2か年の志望者指数で示したものです。なお、文中の( )内の数値は前年度対比の志望者指数を表しています。

○国公立大

2017年度国公立大全体指数=98

国公立大全体では(98)の微減となっています。文理別では2017年度入試と同様に文高理低の傾向が継続しています。

文系では、経済・経営・商(114)の大幅増加、社会(67)の大幅減少が目立っています。経済・経営・商(114)の大幅増加は、東北大・経済<前>、一橋大・経済<前><後>、京都大・経済<前>、大阪大・経済<前>、神戸大・経営<前>といった難関大での増加が影響しています。

一方で、社会(67)の大幅減少は、一橋大・社会<後>廃止が大きく影響しています。また、法(98)は微減ですが、廃止される一橋大・法<後>を除くと(109)とはっきり増加しており、実質的には人気が継続しているといえます。

理系、メディカル系は、全ての系統で減少しており、文理選択の段階で理系選択の減少が継続していることがうかがえます。

○私立大

2017年度私立大 全体指数=99

私立大(99)も全体では国公立大同様に微減です。そして、国公立大以上に文高理低の動向となっています。

文系では、国際関係(97)がやや減少していますが、その他の系統はいずれも増加しています。どの系統も増減率は大きくありません。2017年度入試では文系の増加傾向が顕著だったことを考えると、高い人気が継続しているといえます。

国際関係(97)は、文系では唯一減少していますが、減少率は大きくありません。近年増加が継続していた系統だけに、まだまだ厳しい競争が続きそうです。

理系、メディカル系は、もともとの募集人員が少ない歯(108)は増加していますが、その他の系統はいずれも減少しています。

特に、保健衛生(85)、農・水産(88)がいずれも大幅減少しています。保健衛生(85)は、専攻別では増加が継続していた看護(90)が減少に転じているのが目立っています。また、農・水産(88)は主要な専攻別では、農芸化学(121)は大幅増加していますが、減少している専攻は、獣医(81)、農(89)のようにいずれも大幅減少しています。

■大学別志望動向

大学別志望動向グラフは、国公立大は前期日程の集計、私立大は一般方式とセンター試験利用方式を合計した集計をもとに、大学別志望者数の増減を、前年度を100とした場合の2か年の志望者指数で示したものです。なお、系統別志望動向と同じく、文中の( )内の数値は前年度対比の志望者指数を表しています。

○主要国公立大<前期>

主要国公立大<前期>

主要国公立大前期では、文理別では、全体的に文系が増加傾向、理系が減少傾向となっています。

大学別では、増減率の大きさでは東北大(108)、大阪大(108)、大阪市立大(90)が目立っていますが、他の大学はいずれも増減率はそれほど大きくはありません。

東京大(98)、京都大(99)といった最難関大は微減ですが、これに続く難関大の東京工業大(105)、一橋大(102)、大阪大(108)の増加が目立っているのが特徴的です。このように、現時点では前年度と比較してやや弱気の動向が見られます。「文高理低」という傾向の中、成績上位層の理系の割合が低下しているだけに、理系難関大志望者にはより強気で志望を維持することが成功につながるといえます。

これに続く千葉大(95)、神戸大(96)はそれぞれ減少傾向ですが、例年の状況から秋以降の志望変更による流入には注意が必要です。

なお、九州大(103)で新設される共創学部の志望者数は、まだ周知されていないため多くはありませんが、こちらも秋以降の模試での動向が注目されます。

○主要私立大

主要私立大

主要私立大では、多くの大学で増加しており、2017年度入試で増加した反動は全体としては見られません。文理別では、文系はほとんどの大学で増加しているのに対し、理系は半数以上の大学が減少と対照的です。

なお、2018年度入試では、一橋大・法<後>、社会<後>が廃止されるため、慶應義塾大、早稲田大といった最難関私立大の併願が増加する可能性も予想され、秋以降の模試での動向が注目されます。

また、東京理科大の理、工、理工、基礎工、薬で公募制推薦の導入に伴い、一般B方式の募集人員が大幅減少となります。今回の動向には反映されていませんが、この変更が周知される秋以降の動向に影響が出る可能性がありますので、注意してください。

以上、2018年度入試序盤の動向でした。私立大は「文高理低」や「入学定員遵守の厳格化」などで厳しい競争が続いていますが、2018年度入試では全国で入学定員が約5,700人増加となることから、いたずらに弱気になることは禁物です。特に、理系は国公立大、私立大ともに厳しくなる要素が見られません。いずれにしても、前期の模試の結果だけで安易に志望校をランクダウンさせるのではなく、「第一志望は、ゆずれない。」の気持ちを忘れずに、この夏を有効に過ごして、秋以降の飛躍をめざすようにしてください。

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