志望校選びのアドバイス

2018年度私立大一般選抜入試志願状況

3月16日現在で、駿台予備学校が集計した私立大177大学の一般選抜入試(推薦・AO入試等の特別選抜入試を除く)の志願状況を中心に、その特徴を見ていくことにします。また、主要私立22大学の一般選抜入試の志願状況が確定しましたので、この状況にも触れます。
※なお、文中の( )内の数値は、志願者数の前年度同時期対比指数を示しています。

■延べ志願者数全体概況

図1 私立大延べ志願者数推移

図1 私立大延べ志願者数推移

○延べ志願者数は12年連続増加が確実

図1のグラフは、2005年度から2018年度までの私立大一般選抜入試の延べ志願者数の推移を表したものです。177大学集計での一般選抜入試の延べ志願者数は、313.2万人(107)となっており、前年度同時期との対比でははっきりと増加しています。最終的な延べ志願者数も増加が継続して、363万人前後になるものと予想され、12年連続増加となるのは確実です。

図2 私立大一般選抜志願者数 前年対比増減率推移(方式別6ヶ年比較)

図2 私立大一般選抜志願者数 前年対比増減率推移(方式別6ヶ年比較)

○目立つセンター利用方式の増加

入試方式別での志願者数増加率を見ると、一般方式、センター利用方式ともに増加していますが、特にセンター利用方式は過去5年間と比べると、最も高い増加率となっています。その増加率は、過去5年間で最も高かった前年度と比べても、3.4ポイントも高い増加率です。

センター利用方式は新規実施の募集区分を除いた、前年度から継続する募集区分のみでの比較でも4.2%増加しています。これまでは新規実施分を除くと、ほとんどの年度で減少になっていました。これは、合格者数絞り込みへの不安から、受験料が安価で、センター試験の成績のみで合否が決まる募集方式が多いセンター利用方式への出願を増やした受験生が多かったことが影響しています。

○私立大延べ志願者数増加の要因

2018年度入試では、国公立大一般選抜入試の確定志願者数(99)は、微減ですが7年連続減少となりましたが、私立大一般選抜入試の延べ志願者数(107)は増加しています。この要因として、以下の4点が挙げられます。

①入学定員管理の厳格化に伴う合格者数絞り込みへの不安

入学定員管理の厳格化とは、大都市部の大学への学生集中を是正するためにとられた措置で、2018年度では私学助成が全額不交付となる入学定員超過率がさらに厳しくなりました。そのため、合格者数の絞り込みが継続して、厳しい入試になることへの不安から、併願校数を増やした可能性が高いことが志願者数増加の最大要因といえます。

②併願時の受験料割引拡大

複数の学部、学科や受験方式を併願する場合に受験料を割り引く制度の拡大が併願校数の増加につながっており、これも志願者数増加の大きな要因です。また、インターネット出願を導入する大学の増加により、出願手続がかつてより手軽にできるようになっています。このインターネット出願システムの改善や工夫が進んでいることも併願校数増加の要因です。

③入試方式の複線化・多様化、学部新設・改組

2018年度では、英語外部試験を用いた入試方式の新規実施や対象試験の拡大、スコア変更(緩和)が多く見られました。また、一般方式やセンター利用方式でも募集区分の新設が目立ち、入試方式の複線化や多様化がさらに進んだことも要因です。

また、2018年度は立命館大・食マネジメント、関西医科大・看護などが新設されました。主要私立大での学部新設は近年では比較的落ち着いていますが、学部・学科も新設、改組などで出願時の選択肢が増えたことも増加要因です。国公立大が後期廃止で選択肢が狭まっていることと比べると、対照的です。

④文系への高い人気の継続

文系への高い人気は2018年度も継続しています。大規模な私立総合大学は、募集人員に占める文系の割合が高いため、文系人気の上昇が志願者数全体の増加につながるのは必然といえます。

■系統別志願状況

図3 私立大一般選抜志願者数 系統別志願状況

図3 私立大一般選抜志願者数 系統別志願状況

○「文高理低」が継続、ただし国際関係の人気上昇は一段落

系統別では、「文高理低」の継続が特徴です。2016・2017年度入試では文系の系統は全て増加していましたが、2018年度も現時点では増加が継続しています。国際関係(102)は微増にとどまっていますが、前年度は全系統で最も高い増加率だったため、高い人気は継続しています。大学別では、青山学院大・地球社会共生、津田塾大・学芸(国際関係)、早稲田大・国際教養、近畿大・国際(国際/グローバル)の大幅減少が目立っています。

理系では、農・水産(95)の減少が目立っています。新設の岡山理科大・獣医が新たな集計対象となりましたが、前年度の東京農業大、近畿大の大幅増加の反動、日本大・生物資源科学がセンター利用方式を廃止したこと、さらに系統の人気低下が減少につながっています。

メディカル系では、薬(92)の減少が継続しています。薬剤師国家試験の受験資格は、2018年度入学者から6年制学科のみに与えられますが、入試の段階で4年制学科と6年制学科を分けて募集している大学の合計では、減少率は4年制学科(93)の方が6年制学科(96)より大きくなっています。

■主要私立22大学入試志願状況

表1 主要私立22大学一般選抜志願者数 2ヶ年比較

表1 主要私立22大学一般選抜志願者数 2ヶ年比較

主要私立22大学の一般選抜入試(推薦・AO入試等の特別選抜入試を除く)の延べ志願者数(表1参照)は合計で162.5万人(106)となり、4年連続増加しました。22大学のうち、慶應義塾大(97)、関西学院大(98)の2大学は減少しましたが、いずれも減少率はわずかでした。

増加の最大の要因としては先にも述べた、入学定員管理の厳格化に伴う合格者数絞り込みへの不安による併願校数の増加が考えられます。前年度は22大学のうち、中央大を除いた21大学で志願者数が増加しましたが、合格者数は18大学で減少しました。2018年度も厳しい入試が継続することを見込んで、併願校数が増加していそうです。さらに新たな入試方式実施、併願時の受験料割引も主要な要因です。

大学別では、私立大の最難関校である慶應義塾大(97)はやや減少で4年ぶりに減少しましたが、早稲田大(102)は3年連続増加と対照的な志願状況でした。慶應義塾大は、全ての学部が減少しましたが、薬(94)、医(97)、理工(98)はいずれも4年連続減少となりました。学科別・方式別でも、理工(学門5)(110)が唯一増加の募集区分でした。早稲田大は、13学部のうち国際教養(78)、政治経済(91)、基幹理工(95)、創造理工(95)、先進理工(97)、商(100)の6学部が減少しました。

近畿大(106)は15万人を突破して、5年連続で全国最多の志願者数となりました。学部別では、経営(123)、経済(115)、工(114)などの大幅増加、農(83)の前年度大幅増加の反動に加え、系統への人気低下による大幅減少が目立ちました。

東洋大(114)は、2年連続で10万人を突破しました。学部別で減少したのは、法(86)、国際観光(95)の2学部のみでした。その他の学部は多くが大幅増加し、特に開設2年目の情報連携(168)は激増しました。方式別では、一般方式(112)、センター利用方式(116)のいずれも大幅増加ですが、増加率、増加数ともにセンター利用方式の方が大きくなりました。

法政大(103)は3年連続で10万人を上回り、明治大(106)とともに12万人を突破しました。

今まで述べたように都市部の私立大入試は前年度と比較しても、厳しさが増しているようです。しかし、これを恐れて、志望校をランクダウンするのは得策ではありません。むしろ、学力の伸長が鈍り、安全校と思った大学の合格も怪しくなっていきます。

特に、いよいよ来春に入試を迎えることになる高3生のみなさんは、気持ちも新たにやる気に満ちていることでしょう。今の気持ちを忘れずに、まずはしっかりとした第1志望大学を決めて、それをしっかりと目標として見据えて、日々の勉強に励んでください。みなさんがこれからの1年、最後まであきらめず、努力を続けていくことを期待しています。

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