志望校選びのアドバイス

2018年度私立大一般入試動向と模試の活用法

2018年度私立大一般入試動向

2018年度私立大一般入試動向を、駿台予備学校による5/25現在の集計データ(志願者数:500大学集計、合格者数497大学集計)により見ていくことにします。なお、( )内の数値は前年度同時期対比の指数を示します。

図1 私立大<一般選抜>志願者数推移

私立大500大学の一般選抜入試(推薦・AO入試等の特別選抜入試を除く)の延べ志願者数は363.1万人(107)となっています。前年度の確定志願者数を既に23万人以上も上回っており、12年連続増加が確定しています。なお、最終的な延べ志者数は、365万人前後になるものと予想されます。

図2 私立大<一般選抜>方式別志願者数 前年対比増減率推移

入試方式別での志願者数の増加率を見ると、一般方式、センター利用方式のいずれも増加していますが、特にセンター利用方式は2013年度以降では、最も高い増加率となっており、前年度と比べて、3.9ポイント増加率がアップしています。これは、入学定員管理の厳格化による合格者数絞り込みへの不安から、受験料が安価で、個別試験の負担がない、あるいは軽いセンター利用方式への出願を増やした受験生が多かったことが影響しています。

図3 私立大<一般選抜>系統別志願者指数2ヶ年推移

系統別では、文高理低の継続が特徴です。国際関係(104)はやや増加にとどまっていますが、前年度は全系統の中で最も高い増加率だったため、高い人気は継続しています。理系では、農・水産(95)の減少が目立っています。理系で募集人員の最も多い工(106)は増加、理(103)はやや増加ですが、いずれも私立大全体の増加率を下回っています。メディカル系では、保健衛生(106)の増加率が最も大きくなっています。一方で、薬(95)は減少が継続しており、現時点では全系統の中で最も減少率が大きくなっています。

図4 私立大<一般選抜>系統別合格者指数2ヶ年推移

合格者数は多くの系統で減少しています。特に文系の系統は全て減少が継続しており、中でも国際関係(86)の大幅減少が目立っています。文系の系統は、全て志願者数が増加しているため、厳しい入試になったことがわかります。増加している系統では、芸術(102)は志願者指数(109)より小さいため、厳しい入試だったといえますが、保健衛生(106)は志願者指数(106)とほぼ同じ増加率のため、系統合計では前年度並の競争だったといえます。一方、生活科学(107)、スポーツ・健康(104)は志願者指数を上回っており、競争が緩和していることがわかります。

図5 私立大<一般選抜>グループ別・文理別志願者指数

第3回駿台ベネッセマーク模試のB判定ライン(合格可能性60%)により、学部単位で5つのグループ(A=65以上、B=64~60、C=59~55、D=54~50、E=49以下)にわけた集計では、文系(110)は、全グループで増加していますが、理系(103)はやや増加にとどまっており、Aグループ(99)は微減で、文理で唯一減少しています。理系の他のグループは増加していますが、いずれも文系の同グループと比べるとかなり低い増加率です。また、文理ともD・Eグループの増加率が文系全体、理系全体の増加率より大きくなっています。特に文系ではいずれも大幅増加していることから、受験生が合格者数絞り込みへの不安から、下位グループの大学の併願を多くしたことがわかります。

図6 私立大<一般選抜>グループ別・文理別合格者指数

入学定員厳格化の影響が大きい大規模な総合大学での大幅減少が目立っているため、全体(96)ではやや減少しており、前年度の484大学集計での減少率より大きくなっています。文理別では、入学定員の実人数が多い文系(94)がはっきりと減少しているのに対して、理系(99)は微減にとどまっています。文系(94)は、Eグループ(106)のみ増加していますが、同グループの志願者数は3割近い大幅増加のため、厳しい入試になったことがわかります。他の4つのグループは、いずれも減少しており、特に最上位のAグループ(89)は大幅減少しています。文系は、志願者数が全グループで増加しているため、上位から下位まで厳しい入試となりました。

■模試の活用法

模試の選択

予備校や出版社では数多くの模試を実施しています。もちろん高校内で実施される模試をしっかりと受験することが一番大事ですが、それ以外に個人で受験申し込みをする場合に自分はどの模試を受験したらいいか迷うことがあると思います。その時の決め手は、模試の母集団(受験者のレベル)が自分の学力に合っているかどうかです。模試によって偏差値の意味が異なりますので、自分の志望校のレベルに合った母集団の模試を選ぶのがベターだといえます。特に、高3生対象の模試は、入試本番では高卒生も含まれた集団で行われるわけですから、自分の志望大学を目指している高卒生の集団も含まれている模試のほうが、より正確な合否判定結果を得ることができます。

また、現在の自分の学力レベルでは厳しいと思っても、駿台の「大学別入試実戦模試」などの特定大学対象模試は、その大学を志望している人は、ぜひ受験して下さい。こういった特定大学対象模試では、本番さながらの雰囲気や問題・解答用紙の形式に慣れておくのに最適だからです。

模試受験の心構え

入試本番の練習であることを意識して試験中はまず問題をよく見て、各問題の難易度を見極め、時間配分を決めて解答しましょう。入試本番でもそうですが、全問を完答できればベストですが、実際には完答ができなくても合格点を獲得することは可能です。多くの受験生が正解できる問題を落とすことなく、そこにさらに少しの上乗せができればいいのです。そのためのトレーニングの場が模試の受験なのです。

入試本番ではかなり緊張しますが、そんな状況の中でも定められた試験時間内で効率良く、正確に解答していくことで合格への目標得点をクリアできます。模試受験の際には、こういった効率的な解答作成の手順を身につけることを常に意識しましょう。

模試受験後には必ず復習を!

模試を受験したままにしてしまうことは論外です。自分の弱点を補い、誤った思い込みをなくすためにも復習は不可欠だといえます。次に類題が出た時には、必ず完答できるようにきちんと復習しておきたいものです。手がつかなかったり、誤ったりしたところを放置したり、投げ出したりせずに、確実に修正していくことが大事です。試験当日、答案返却時、忘れかけた頃(例えば3か月後)といった最低3回の復習を行うことで、入試本番に向けた学力の定着がはかれるのです。

成績表のヒントを見逃すな!!

模試の成績表が返却されたとき、まず見てしまうのが偏差値や志望大学の判定だと思いますが、一番重要なことは各教科、各分野別の得点(素点)を平均点と比較しながら見ることです。特に設問別平均点が高い問題で失点しているようでは、総合点では全体よりも良くできていたとしても、学力になんらかの欠陥や問題点があるはずなのです。この部分をしっかりと分析して、以後の学習計画に役立てましょう。また、記述模試では、成績表と同時に返却される進学参考資料に採点講評が記載されており、受験生の誤りやすい点が指摘されているので、熟読してもう一度復習を行うことが効果的です。

模試の結果に一喜一憂しない

模試の結果、特に志望校判定の結果によって、一喜一憂することは決していいことではありません。模試を受験すると高1・2や高3の1学期など本番までにかなり時間がある場合でも、必ず「合格可能性○○%」とか「○判定」などと出ますが、これはあくまでその時点での可能性に過ぎません。それ以降にいかに継続して効果的な学習が出来るかどうかで合否が分かれます。極端なことをいえば、高3の6月時点で合格可能性80%と判定されても、それ以降に気が緩んで学習を怠ってしまっては、決して良い結果は望めません。

したがって、模試の結果が良ければ、「この調子でがんばろう!」と気を引き締めなおし、結果が悪ければ、「入試本番までに何とか挽回してやろう!」というように常に前向きな気持ちになることが大切だと思います。

以上が模試の活用法の基本ですが、高校の先生や先輩の意見なども聞いて、模試受験がより意味のある、入試本番に向けて役に立つものになるように各自でチェックしてください。

情報提供