志望校選びのアドバイス

2019年度私立大一般入試動向と模試の活用法

■2019年度私立大一般入試動向

2019年度私立大一般入試動向を、駿台予備学校による5/25現在の集計データ(志願者数:501大学集計、合格者数495大学集計)により見ていくことにします。なお、( )内の数値は前年度同時期対比の指数を示します。

図1 私立大<一般選抜>志願者数推移

私立大501大学の一般選抜入試(推薦・AO入試等の特別選抜入試を除く)の延べ志願者数は384.1万人(106)となっています。前年度の確定志願者数を既に19万人近くも上回っており、13年連続増加が確定しています。なお、最終的な延べ志者数は、388万人を超えるものと予想されます。

図2 私立大<一般選抜>方式別志願者数 前年対比増減率推移

入試方式別での志願者数の増加率を見ると、一般方式、センター利用方式のいずれも増加していますが、センター利用方式が前年度以上に増加しているのが目立ちます。新規に導入されたセンター利用方式の募集区分を除いても(107)のやや増加となっています。これは、入学定員管理の厳格化による合格者数絞り込みへの不安から、受験料が安価で、受験対策や日程的な負担が少ないセンター試験の成績のみで合否が決まる募集人員が多いセンター利用方式に向かったことがわかります。さらにセンター試験の平均点アップが、センター試験後に出願締切日を設定した募集区分での志願者数増加につながったことも影響しました。

図3 私立大<一般選抜>系統別志願者指数2ヶ年推移

系統別では、文系は増加が継続しているものの増加率はダウンしています。大学別では首都圏の大規模な総合大学で減少している大学が多くなっていますが、募集人員に占める文系の割合が大きいため、この減少が増加率ダウンの要因につながっています。なお、増加は継続していることから、競争はさらに厳しくなっています。

増加している系統では、文理のいずれからも志願者がいる総合科学(120)の大幅増加が目立っています。文系の系統では外国語(113)、国際関係(110)の増加が目立っています。国際関係の増加は、新設が多かったことも影響しています。

理系では、工(111)、理(106)が増加しています。AIやIoTへの注目がさらに高まっていることで、情報科学、情報工の人気がアップしていることが要因ですが、その他の主要な専攻も増加が目立ち、全体として増加傾向が継続しています。一方で、農・水産(95)は減少が継続しています。

メディカル系では薬(92)は減少が継続し減少率が大きくなっています。医(94)はやや減少、保健衛生(99)もごくわずかとはいえ減少していることから、職業直結のメディカル系は人気がダウンしているといえます。

図4 私立大<一般選抜>系統別合格者指数2ヶ年推移

合格者数は、芸術(98)を除いたすべての系統で合格者数が増加しています。芸術もごくわずかな減少で、全体では(103)とやや増加しており、合格者数絞り込みが一段落していることがわかります。

文系は、いずれの系統も志願者数の増加率と比べると競争が厳しくなっているといえますが、前年度はどの系統も志願者指数が合格者指数より10ポイント以上大きかったことから、競争激化が一段落しているといえます。

文理のいずれからも志願者がいる系統では、教員養成・教育(106)が増加しているものの、志願者数の増加率と比べると競争はやや厳しくなっています。一方、スポーツ・健康(103)はやや増加で、競争が緩和しています。

理系・メディカル系では、医(114)、農・水産(109)の増加が目立っています。薬(102)はやや増加ですが、志願者数は全系統の中で最も大きな減少率のため、やはり競争が緩和しているといえます。一方で、理(104)、工(105)はいずれもやや増加していますが、工は志願者数が10%以上増加のため競争は厳しくなっています。

図5 私立大<一般選抜>グループ別・文理別志願者指数

第3回駿台・ベネッセマーク模試の合格判定ライン(B判定ライン)を基にして、学部単位(医学科は別集計)で5つのグループ(上位Aグループ~下位Eグループ)に分類し、各グループの志願者数合計の前年度対比指数を示したグラフです。

Aグループは、文理とも減少しているのが特徴です。Bグループは文系(104)がやや増加、理系(99)は微減の前年度並になっており、文理とも増加しているのはCグループ以下となっています。また、増加率は文理とも下位グループほど大きくなっていますが、これは近年の合格者数絞り込みによる厳しい入試のため、より慎重な出願になったことが最大要因といえます。

図6 私立大<一般選抜>グループ別・文理別合格者指数

各グループの合格者数合計の前年度対比指数を示したグラフです。文系(103)、理系(104)といずれも増加しており、いずれも全グループで増加しています。

文系は、Eグループを除き増加率は大きくありません。Aグループは、文系の中では唯一競争が緩和しています。しかし、他の4つのグループはいずれも競争が厳しくなっています。特にD・Eグループは志願者数が大幅増加しているため、激戦だったことがわかります。

理系は、A~Cグループでは競争は緩和していますが、D・Eグループでは競争は厳しくなっています。文理とも、特にD・Eグループでは、AO・推薦入試ですでに相当数の入学者を確保している大学が多く、一般選抜での合格者を多く発表できないことが影響しています。

■模試の活用法

模試の選択

予備校や出版社では数多くの模試を実施しています。もちろん高校内で実施される模試をしっかりと受験することが一番大事ですが、それ以外に個人で受験申し込みをする場合に自分はどの模試を受験したらいいか迷うことがあると思います。その時の決め手は、模試の母集団(受験者のレベル)が自分の学力に合っているかどうかです。

模試によって偏差値の意味が異なりますので、自分の志望校のレベルに合った母集団の模試を選ぶのがベターだといえます。特に、高3生対象の模試は、入試本番では高卒生も含まれた集団で行われるわけですから、自分の志望大学を目指している高卒生の集団も含まれている模試のほうが、より正確な合否判定結果を得ることができます。

また、現在の自分の学力レベルでは厳しいと思っても、駿台の「大学別入試実戦模試」などの特定大学対象模試は、その大学を志望している人は、ぜひ受験して下さい。こういった特定大学対象模試では、本番さながらの雰囲気や問題・解答用紙の形式に慣れておくのに最適だからです。

模試受験の心構え

入試本番の練習であることを意識して試験中はまず問題をよく見て、各問題の難易度を見極め、時間配分を決めて解答しましょう。入試本番でもそうですが、全問を完答できればベストですが、実際には完答ができなくても合格点を獲得することは可能です。多くの受験生が正解できる問題を落とすことなく、そこにさらに少しの上乗せができればいいのです。そのためのトレーニングの場が模試の受験なのです。

入試本番ではかなり緊張しますが、そんな状況の中でも定められた試験時間内で効率良く、正確に解答していくことで合格への目標得点をクリアできます。模試受験の際には、こういった効率的な解答作成の手順を身につけることを常に意識しましょう。

模試受験後には必ず復習を!

模試を受験したままにしてしまうことは論外です。自分の弱点を補い、誤った思い込みをなくすためにも復習は不可欠だといえます。次に類題が出た時には、必ず完答できるようにきちんと復習しておきたいものです。手がつかなかったり、誤ったりしたところを放置したり、投げ出したりせずに、確実に修正していくことが大事です。試験当日、答案返却時、忘れかけた頃(例えば3か月後)といった最低3回の復習を行うことで、入試本番に向けた学力の定着がはかれるのです。

成績表のヒントを見逃すな!!

模試の成績表が返却されたとき、まず見てしまうのが偏差値や志望大学の判定だと思いますが、一番重要なことは各教科、各分野別の得点(素点)を平均点と比較しながら見ることです。特に設問別平均点が高い問題で失点しているようでは、総合点では全体よりも良くできていたとしても、学力になんらかの欠陥や問題点があるはずなのです。この部分をしっかりと分析して、以後の学習計画に役立てましょう。

また、記述模試では、成績表と同時に返却される進学参考資料に採点講評が掲載されており、受験生の誤りやすい点が指摘されているので、熟読してもう一度復習を行うことが効果的です。

模試の結果に一喜一憂しない

模試の結果、特に志望校判定の結果によって、一喜一憂することは決していいことではありません。模試を受験すると高1・2や高3の1学期など本番までにかなり時間がある場合でも、必ず「合格可能性○○%」とか「○判定」などと出ますが、これはあくまでその時点での可能性に過ぎません。それ以降にいかに継続して効果的な学習が出来るかどうかで合否が分かれます。極端なことをいえば、高3の6月時点で合格可能性80%と判定されても、それ以降に気が緩んで学習を怠ってしまっては、決して良い結果は望めません。

したがって、模試の結果が良ければ、「この調子でがんばろう!」と気を引き締めなおし、結果が悪ければ、「入試本番までに何とか挽回してやろう!」というように常に前向きな気持ちになることが大切だと思います。

以上が模試の活用法の基本ですが、高校の先生や先輩の意見なども聞いて、模試受験がより意味のある、入試本番に向けて役に立つものになるように各自でチェックしてください。

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