志望校選びのアドバイス

2020年度入試 前期実施模試での系統別志望動向と新設・改組予定学部

7月は、例年の梅雨とは異なり、西日本では大雨が、東日本では「梅雨寒」による日照不足と低温が続きましたが、7月下旬には、梅雨明けとなった地域もあり、急に蒸し暑くなるなど気候が安定せず、体調を崩しやすかったのではないでしょうか。

今回は、第1回駿台全国模試(6月2日実施)の結果による系統別動向と2020年度新設・改組予定の学部・学科についてまとめてみました。

■系統別志望動向

下記の系統別志望動向グラフは、国公立大については各日程で第一志望とした大学の集計、私立大については総志望(志望順位に関係なく志望している大学すべて)の集計をもとに、系統ごとの志望者数の増減を、前年度を100とした場合の2か年の志望者指数で示したものです。なお、文中の( )内の数値は前年度対比の志望者指数を表しています。

全体集計では、国公立大(99)、私立大(98)とほぼ前年度並です。文理別では、模試実施時点では、全体的に文系はやや増加、理系はやや減少となっています。

○国公立大

文系では、社会(108)の増加が継続しています。また、人文科学(107)の増加が目立っています。経済・経営・商(101)は前年度並ですが、前年度までの増加の反動減は見られません。大学別では、2020年4月に東京都立大に名称変更する首都大学東京の文系の増加が目立っています。

理系では、理(103)はやや増加、工(99)は前年度並ですが、情報系が引き続き高い人気を保っています。農・水産(95)ははっきりした減少傾向が続いており、理工系の「情報」といった受験生にわかりやすい話題が少ないことや高校での生物履修率のダウンなどによりで低い人気に留まっています。

メディカル系では、薬(92)、医(93)は引き続き減少傾向ですが、歯(109)が増加に転じています。医学部入学定員の増加による既卒生の医学部志望者の減少とともに、医師の過剰労働などが報道される中、ワークライフバランスがとりやすい歯への志向が女子を中心に高まっています。

○私立大

文系では、国際関係(108)の増加が目立っています。この系統は新増設も続いており、高い人気が継続しているといえます。一方で、志望者数の多い系統では、経済・経営・商(100)は前年度並、法(94)は減少に転じており、ここ数年の文系人気が沈静化してきています。

理系では、理(102)が微増、工(99)が前年度並ですが、国公立大同様、情報系が引き続き高い人気を保っています。農・水産(88)は減少しており、人気回復は見られません。

メディカル系では、国公立大同様、医(93)、薬(93)の減少が続いています。一方で、歯(115)は大幅増加しており、2019年度入試での志願状況と同様に、国公立大で述べたような理由から歯への人気が高まっています。

■主な2020年度入試における学部・学科の新設・改組予定

主な2020年度入試における学部・学科の新設・改組予定を以下にまとめました。近年の新増設のトレンドは、「国際」「情報」「データ」ですが、掲載していない大学も含めて、2020年度もこれらの学部・学科の新設・改組が目立っています。

なお、国公立大、私立大とも名称や詳細は今後変更になる可能性がありますので、出願にあたっては各大学公表の入学者選抜要項、学生募集要項等を確認して下さい。

<国公立大>

国公立大で、注目される大学を見ていきます。

宇都宮大と群馬大は、合同で共同教育を設置し、一部の単位を双方のキャンパスで履修する事で、より充実した教育実践カリキュラムとなります。

長崎大の情報データ科学は、情報とデータを科学して新しい発見を導くという、トレンドを体現した学部となります。

新潟県立大(国際経済)、福知山公立大(情報)と、国際系、情報系の新設予定も注目です。

<私立大>

私立大で、注目される大学を見ていきます。

専修大は、国際コミュニケーションが、神田キャンパスの新校舎に新設される予定です。

神奈川大は、国際日本を新設予定ですが、2021年4月から新設のみなとみらいキャンパスへ既存の外国語学部、経営学部と共に移転する予定です。

上記以外にも、麗澤大(国際)、和洋女子大(国際)、中京大(国際)、甲南女子大(国際)と、国際系の新設が予定されています。

共立女子大(ビジネス)、園田学園女子大(経営)、武庫川女子大(経営)といった女子大での経営系の新設予定も目立ちます。

また、改組ではありませんが、慶應義塾大学(理工)で、従来の学門1~5を学門A~Eと改め、それぞれの学門から進級できる学科の構成を変更します。

《コラム:2021年度入試に向けて①》

─大学入学共通テストって何?─

現在の高2生が受験する2021年度入試より、高大接続(大学入試)改革の一環として、入試システムが変更されます。そこで、今号から、2021年度入試に向けて入試改革のポイントをご提供します。第1回は、「大学入学共通テストって何?」です。

大学入試センター試験(以下「センター試験」)は2020年度入試で終わり、2021年度入試からは「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」)に変わります。

共通テストに移行すると従来のセンター試験とは全く変わってしまうように思われている受験生や保護者の方もいるかもしれませんが、少なくとも現行の高校教科書(学習指導要領)に基づいて実施される2024年度入試までは、従来のセンター試験をもとにして、それを改善したものと考えて下さい。

以下に、センター試験からの主な変更点をまとめました。

【国語・数学①】記述式問題の導入

  • 「国語」の記述式の出題範囲は「国語総合」(古文・漢文を除く)で行う。
    大問1題を追加し、第1問として出題。最大120字程度の問題を含め小問3題程度。
  • 「数学」は数学①(「数学Ⅰ」または「数学Ⅰ・A」)で出題し、「数学Ⅰ」と「数学Ⅰ・A」の共通問題で「数学Ⅰ」の範囲である大問1及び大問2の一部の小問を記述式とする。
    解答は数式で表現する問題で、2021年度は文章で解答する問題は出題されない。

【国語・数学①】記述式問題導入に伴う試験時間の延長

  • 「国語」は100分(センター試験では80分)
  • 「数学①」は70分(センター試験では60分)

【国語・数学①】国語は記述式問題で段階表示による評価を実施

  • 「国語」はマーク式問題の200点満点による評価とは別に記述式問題は5段階表示での評価を行う。
  • 「数学①」の記述式問題は○か×の採点で、マーク式問題と合算で100点満点で評価を行う。

【理科②】選択問題を設定しない

  • センター試験では出題されていた「理科②」(「物理」、「化学」、「生物」、「地学」)の選択問題を出題しないこととした。

【英語】共通テストと英語認定試験(民間の英語4技能・資格試験)の併用

  • 英語4技能(読む、書く、聞く、話す)を評価するために、民間の英語4技能資格・検定試験を「英語認定試験」として、共通テストの英語と併用する

【英語(リーディング)】科目名及び配点の変更

  • 「英語(筆記)」を「英語(リーディング)」に改称し、読解問題に特化。
  • 配点を「英語(リーディング)」を100点、「英語(リスニング)」を100点に変更(センター試験では、「英語(筆記)」を200点、「英語(リスニング)」を50点)。ただし、合否判定では各大学が独自の傾斜配点を行うので、必ずしもリーディングとリスニングの配点比は1:1になるとは限らない。

※試験時聞については、「英語(リーデイング)」は80分、「英語(リスニング)」は60分(うち解答時聞30分)で、センター試験からの変更はなし。

【リスニング】読み上げ回数の変更

  • 問題音声が流れる回数を1回読みのものと2回読みのもので構成することを明記(センター試験では、すべて2回読みのもので構成)。なお、どの大問が1回読みになるかは事前に告知される。

上記以外に、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題を重視した出題の工夫・改善は行われます。例えば、連続する複数の問いにおいて、前問の答えとその後の問いの答えを組合せて解答させ、正答となる組合せが複数あるような連動型問題が出題される場合があるとしています。

ただし、出題教科・科目は、基本的にセンター試験と同じなのです。したがって、過去問演習をはじめとする今まで確立されてきた学習対策がすべて無効になってしまうわけでは決してありません。この点は安心してください。

※以上の情報は2019年7月現在の情報です。今後変更があった場合にはこのコラムで随時お知らせします。

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