志望校選びのアドバイス

秋から冬の学習について

台風や低気圧による豪雨で被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

さて今回は、まず2020年度大学入試センター試験の出願締切日の志願者数をお知らせします。そして、秋から冬の学習で注意すべき点についてまとめてみました。

大学入試センター試験出願状況

さる10月10日に大学入試センター試験(以下「センター試験」)の出願が締め切られました。大学入試センターの集計によると、10日の17時現在で受け付けた志願者数は530,917人で、前年度の受付最終日17時現在と比べて6,091人(約1.1%)減少しています。

駿台では最終的な確定志願者数は約57.2万人前後とわずかですが前年度より減少して、2年連続減少すると予想しています。なお、確定志願者数については12月上旬に発表される予定です。

表1 センター試験志願者数2か年

ところで、センター試験は国公立大志望者だけではなく、私立大専願者を含めたほとんどの受験生にとって、大学入試の第一関門となっています。したがって、しっかりとしたセンター試験への対策を立てて、それを実践していくことが秋から冬にかけての学習の中心だといえます。

■秋から冬の学習法

○試験時間以外の過ごし方

秋から冬にかけての学習の注意点について見ていきましょう。まず、センター試験で高得点を獲得するためには、英語、数学、国語で大きな苦手科目を作らないことが大切です。特に現役生の場合、どうしても理科や地歴・公民は高校での進度の関係でセンター試験の直前ぎりぎりまで追い込んでいくことになります。したがって、英語、数学、国語で苦手科目・分野を作ってしまうと、それを入試直前に挽回することは非常に難しく、最後まで足を引っ張る結果となります。これは高2生が受験する2021年度入試から始まる「大学入学共通テスト」でも変わりません。

英語、数学、国語は、一般的な高校のカリキュラムで高2までに履修した範囲内で出題されることが基本ですから、どの高校に在籍していても進度面でのハンディキャップはほとんどありません。つまり、これらで苦手科目・分野があるという人は、高1・2の段階でどこか理解不十分な部分が残っているのだと自覚して、思い切って基礎的な部分をもう一度やり直すことが大事です。一見すると、それでは学習計画が遅れてしまうように思われますが、11月ならばまだ十分に間に合います。「急がば回れ」のことわざのとおり、今が苦手科目・分野を克服する最後のチャンスです。

次に、教科書レベルの基礎力は身に付いていて理解できているはずなのに、模試では思ったような得点をとることができない人は、実戦的な練習が不足していることが考えられます。センター試験では決して難しい問題は出題されません。しかし、センター試験の試験時間は英語、国語がそれぞれ80分、数学①、数学②、理科②、地歴・公民が1科目につき60分、理科①が2科目で60分と短いことから、てきぱきと解答していかないとすぐに時間不足になってしまいます。

さらに、理科②の物理、化学、生物、地学では高等学校の進度に配慮して、センター試験では選択問題が出題されます。1科目60分という試験時間内でどの問題を選択・解答するかを決める必要がありますが、ここで迷ってしまうと、ますます試験時間が不足してしまうことになります。

過去3年間の本試験における理科②選択問題の出題内容を下記の表にまとめましたので、参考にしてください。傾向としては、教科書の最後の単元から出題される場合が多いようです。

表2 センター試験 理科②選択問題出題内容

さて、本番では緊張や環境の変化で日頃の力を充分に発揮できないこともよく起こります。こういった事態も想定して、今まで以上に試験時間を意識して効率的に解答していく訓練が重要です。得意科目では、本番で存分に力を発揮するためにも、実際の試験時間より1割程度時間を短く設定して、解答していくという方法が効果的です。マークし終わったら終了間際で、見直す時間がとれないということのないように、これからは時間を意識した練習を行っていきましょう。

進度の関係で対策が遅れがちになる理科や地歴・公民は、日々の授業を大切にしてください。これからはもう一度やり直すという時間を取るのは難しくなります。授業で全部理解するという気持ちで、毎回の授業に臨んでください。もちろん集中して聞いてもわからない点は出てきますから、授業の中でわからなかった点をはっきりさせ、積極的に先生に質問して、不明な点を先送りすることなく解決していきましょう。

しかし、「積極的に質問しよう!」というと、自分で何も考えずにただ解答だけ聞こうとする受験生がいます。これでは実力は身に付きません。まずは授業で聞いたことをもう一度自分で復習して、ポイントを絞って質問してください。そうすることで真の実力アップが可能になります。そして、解決できた分野については、センター試験レベルの問題集などを使ってしっかりと演習を行い、実戦力の養成も忘れないようにすれば、入試直前期のラストスパートが楽になります。

■模試の志望校判定に一喜一憂しすぎない!

受験生はこれからも模試を複数回受験すると思いますが、この模試の有効活用について確認しておきたいことがあります。この時期になるとどうしても志望大学の合格判定に、今まで以上に一喜一憂してしまいますが、それだけで終わってしまうのはとても危険なことです。記述式模試では、きちんと設問別平均点と自分の得点とを照らし合わせてみてください。また、マーク式模試では、設問ごとの正答率を確認して、受験生全体の平均点が高い問題、あるいは正答率が高いのに得点できなかった問題をチェックし、なぜできなかったかを分析して、その対策をしっかりとやっていく必要があります。

つまり、模試を受けた後にどれだけ自分の弱点補強ができたかで模試の価値が決まるというわけです。不明な点や誤答部分については、「本番前に発見できて良かった」と考えましょう。この時期は成績が思うように伸びずに苦しんでいる人も多いと思いますが、弱気な志向の受験生が多いだけに、最後まで第一志望をめざして努力を続けることが重要な年度になります。

《コラム:2021年度入試に向けて④》

─共通テストの英語について─

2021年度入試に向けて入試改革のポイント。今月は、「共通テストの英語について」です。

「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」)の「英語」については、英語認定試験(民間の英語4技能・資格試験の中で共通テストにおいて利用することが認められた試験。共通テストの成績と同時に認定試験の成績・評価についても「大学入試英語成績提供システム」を使って志願大学に提供される。以下「認定試験」)の導入について話題を集めていますが、実は共通テストの英語についても従来のセンター試験から大きな変化があります。

まず、センター試験では筆記(試験時間80分)とリスニング(試験時間60分(※注1))だったのが、リーディング(試験時間80分)とリスニング(試験時間60分(※注1))に変更になります。

注1:音声問題を用い30 分間で解答を行うが、解答開始前に受験者に配付したICプレーヤーの作動確認・音量調節を受験者本人が行うために必要な時間を加え,試験時間は60分とする。

また、センター試験の「筆記200点、リスニング50点」という配点が「リーディング100点、リスニング100点」に変更となり、よりオーラルコミュニケーション重視の方針が示されています。

ただし、各大学での合否判定での利用は、「傾斜配点」が適用されるので、各大学からの発表があるまで、実際の合否判定での、リーディングとリスニングの配点比率はわかりません。まだ、未公表の大学も多く、2020年7月に発表になる「選抜要項」でしっかりと確認してください。

それでは、具体的にはどう変わるのでしょうか?リーディングとリスニングに分けてまとめることにします。

【リーディング】

上図は、2018年度に実施された試行調査(プレテスト)の英語(リーディング)の問題冊子「第1問」の冒頭部分を示したものです。これをご覧いただくとわかる部分もありますが、下記のような変更点があります。

まず、問題文が日本語から英語に変わります。形式的には、大問数は6問で変化はありませんが、センター試験では「第1問」「第2問」で出題されていた発音やアクセント、語句整序、独立した文法問題などは出題されず、純粋な読解問題のみの出題となります。今後、センター試験の過去問を利用した演習を行う際は、「第3問」~「第6問」を利用することになります。ただし、センター試験では問題文が日本語で示されているので注意してください。

読解問題の文章が長くなっており、センター試験以上に読解のスピードが求められます。精読も大事ですが、速読にも慣れる必要があるでしょう。また、内容的には、ウェブサイトやブログの内容、料理クラブで使うレシピ、ディベートやプレゼンの準備のための文章といった身近で「実際的・実用的」な設定が目立ちます。

設問を見ると、必要な情報を「探し読み」する問題、「事実」と「意見」を区別する問題、「英文と図表やグラフ絡めた問題」などが目につきます。

【リスニング】

試行調査では、大問が6題出題され、大問1~3が2回読み上げ、大問4~6が1回読み上げでした。本番では、どの問題が2回読みか、それとも1回読みについて、事前に告知されることになっています。1回読みの問題が加わったことで、全体の出題分量が増加することに注意してください。

内容的には、音声情報を何らかのイラストや図表などと関連づけることを求められる問題、つまり、「純粋に英文を聴いて、理解ができたか測ること」に留まらない設問が非常に多いことが特徴です。

音声面では、「国際語としての英語」を意識して、「アメリカ英語」に加えて、「イギリス英語」や「非母語話者の英語(日本人が話す英語)」も入っています。なお、「イギリス英語」の出題では、リーディングの文章でも出題の可能性があることが示されているので、注意してください。

情報提供

志望校選びのアドバイス一覧