志望校選びのアドバイス

センター試験前後の注意点について

1月18日・19日は大学入試センター試験(以下、「センター試験」)の実施日です。ここからいよいよ本格的な大学入試シーズンに突入するため、受験生は連日頑張っていることと思います。また高2生は、次はいよいよ自分たちの番、と気持ちが引き締まっているのではないのでしょうか。

さて今回は、まずセンター試験の確定志願者数をお知らせします。そして、センター試験前後の注意点についてまとめてみました。

■大学入試センター試験出願状況

大学入試センターは12月6日に2020年度のセンター試験の確定志願者数を発表しました。確定志願者数は557,698人(現役生:452,234人、既卒生等:105,464人)で2年連続減少しました。現役生、既卒生等別でもいずれも減少し、現役生は2年連続減少、既卒生等は4年ぶりの減少でした。現役生は18歳人口減少に加え、志願率もダウンしたことで1万2千人以上の減少につながりました。また、2019年度入試で思ったような結果を出せなかった受験生のうち再チャレンジせず、志望順位の低かった大学や専門学校へ進学した者が例年以上に多かったことで、既卒生も減少していたことが4年ぶりの減少の要因となりました。

■センター試験前日・当日の心構え

①体調管理も実力のうち!
本番の前日には、新しいことには手を出さずに軽めの学習にとどめて、早めに寝るようにしましょう。ホテル等に宿泊する場合には、部屋が乾燥しやすいため、空調の調整には気を配って体調を崩さないようにしてください。最近のホテルでは加湿器や空気清浄器も備えられているので、有効に活用しましょう。また、インフルエンザや風邪対策として、手洗いやうがい、マスクの着用といった予防処置も忘れずに!

②余裕を持って到着しよう!
センター試験が実施される土・日は、鉄道やバスの時刻表、停車駅が平日とは異なることもあります。事前に会場への下見をした場合にはこういった交通機関の運行状況にも注意してください。スマホなどで経路検索サービスをうまく活用して予定を立てて、交通機関の遅延などが起きることも考慮して早めに会場に向かうようにしましょう。

さらに、東京や大阪の大規模なターミナル駅や地下鉄の駅で乗り換える際は、駅の中での移動に時間がかかる場合もあります。普段利用しない駅で乗り換える場合は、駅構内のチェックも事前にインターネットを活用して行っておきましょう。

最近は大都市圏では交通系ICカードの普及により、切符の自動販売機が減少しています。できるだけ交通系ICカードの利用を考えて、事前のチャージも忘れずに準備しましょう。

また、1日目の地歴公民の選択科目数や、2日目の理科の選択パターンによって開始時刻が異なります。当日の受験科目数や選択パターンの変更、そして20分を越える遅刻は認められませんので、余裕を持って試験会場に向かってください。

③試験が全科目終了するまで、終わった科目の見直しは我慢!
試験会場では、各試験開始前に教科書や参考書に目を通す場合には、余計な不安感を生まないためにも得意分野を再確認するくらいにしておきましょう。休み時間が長いこともセンター試験の特徴ですが、休み時間にスマホで予備校などのサイトで概況を確認したり、友人と答え合わせをしたり、教科書や参考書で答えを確認したりすることは絶対に禁物です。まずは、トイレや筆記用具の準備、休憩など次の試験への備えが最優先です。なお、地歴公民、理科②の2科目受験者の途中10分間の中間時間は休憩時間ではなく、あくまでも答案回収等の時間なので、途中退出をすることはできません。したがって、あらかじめトイレ等を済ませておくことが必要です。

1日目の試験後も同様で、終わったことを振り返らずに2日目の準備に全精力を使いましょう。また、本番で特定の科目が思うようにできなくても、他の受験生も同じだと考えてください。すでに終わった試験に気を取られて、残りの試験に集中できなかった、では泣くに泣けません。「センター試験結果の情報収集は2日間すべて終了してから」です。

もし、センター試験当日に病気等で受験できなくなった場合には、本試験の1週間後に東京地区(東日本)と関西地区(西日本)の2会場(2020年度は東京芸術大音楽学部(東京都台東区)と大阪大医学部(大阪府吹田市))で行なわれる追試験を受験することになります。しかし、東京、大阪近隣以外の受験生にとっては、移動やホテルの宿泊手配など追試験受験の負担が大きいことから、本試験までの体調維持には万全を期してください。

■個別(2次)試験、私立大出願について

国公立大の個別(2次)試験出願期間は1月27日(月)から2月5日(水)で、あまりのんびりと考えている時間がありません。以下に出願の注意点をまとめましたので、参考にしてください。

①出願は総合的に判断して決定!
センター試験が終了して、駿台とベネッセコーポレーションが共同で実施するセンター試験自己採点集計「データネット」の個人成績表は1月23日(木)に返却予定です。国公立大の出願には、自分のセンター試験の得点、個別(2次)試験の配点、出題傾向、これまでの模試成績、予想されるこれからの学力の伸び、近年の入試結果などを総合的に判断して決めるのが理想です。

どこに出願すればより合格可能性が高くなるかという判断材料は、現在ではインターネット上で検索できるようになっています。スマホなどで簡単に検索できますが、単純に目標ラインと自分の成績だけで出願校を決めると、同じように考える受験生が特定の大学に集中して激戦に巻き込まれる可能性があります。また、自分だけで考えるとなかなか決断がつかないという人もいるでしょう。最後は自分自身で決断しなくてはなりませんが、どうしようと少しでも迷ったら、高校や予備校で進学相談を受けて、先生など第三者の意見を取り入れることも大事です。

②必ず大学の「学生募集要項」やホームページで確認!
国公立大だけではなく、私立大の出願もこれからという人もいるかもしれません。インターネット出願を採用する大学が多くなり、「学生募集要項」を印刷物では発行しないという大学も増えています。インターネット出願のメリットの一つに、出願期間中は24時間いつでも出願登録ができるということがありますが、だからといって準備がギリギリにならないように注意してください。

なお、インターネット出願でも、必要書類をプリントアウトする、登録完了後や受験料納入後に大学が指定する書類を郵送するなど、すべてがインターネット上で完了するわけではありませんので、十分に注意してください。さらに紙の願書での出願も認めるか、インターネット出願のみなのかは大学によって異なりますし、出願の手順も当然大学によって異なりますので、志望大学の情報は必ず大学の学生募集要項やホームページ等で確認することを忘れないでください。受験したい大学の登録を期限内に終えて安心してしまい、受験料の振り込みを忘れた大学があった、などという失敗例もあります。

センター試験が終了すると、すぐに私立大入試も始まります。受験生にとっては今まで以上に一日の過ぎるのが早く感じられるでしょう。入試が終わってから後悔することがないように、毎日を大事にして頑張ってください。

《コラム:2021年度入試に向けて⑥》

─大学入学共通テストの記述式問題の導入見送り─

2021年度入試に向けて入試改革のポイント、今月は、「大学入学共通テストの記述式問題の導入見送り」です。

2019年12月17日に文部科学省は、2021年1月に実施する大学入学共通テスト(以下「共通テスト」)の国語と数学①(数学I、数学I・A)において、記述式問題の導入を見送ると発表しました。理由は、記述式問題の導入について、受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を早急に整えることが現時点では困難であると判断したということです。

具体的には、50万枚に上る答案について、採点ミスを完全になくすことについては技術的に限界があること、また、様々な取組を行ったとしても、自己採点の不一致を大幅に改善することは困難であることなどが問題となりました。

この発表を受けて、大学入試センターは2021年1月に実施する共通テストにおける国語及び数学の問題構成や試験時間、配点などをどのように取り扱うかについて、早急に専門家による検討を行い、できる限り速やかに方針を示すとしています。従って、2020年1月時点では、国語の大問数や試験時間・配点、数学①の試験時間については、一端白紙に戻ったということです。

今回の記述式問題導入の見送りで、2019年11月1日に発表された英語認定試験として認められた民間の英語4技能資格・検定試験の成績を一括して大学に提供する「大学入試英語成績提供システム」の導入の見送りに続いて、高大接続改革の目玉であった「英語4技能の評価」「記述式問題の導入による表現力の評価」の2点は無くなってしまいました。

さて、今回の変更について、高2生から中2生の皆さんはどう対処するのがいいのでしょうか? 大事なことは、現在の高3生が受験する「大学入試センター試験(以下「センター試験」)に戻るのではないということです。

2017年度・2018年度に共通テスト導入に向けて実施された試行調査(プレテスト)の問題を見ると、「思考力」や「判断力」への評価を重視した長い問題文や複数の文章や図、グラフなどを総合的に考察する出題が見られました。従来のセンター試験よりも高い読解力が必要です。

また、共通テストの全国平均点の目標数値は従来のセンター試験での6割程度から5割程度へと低く設定されていることから、受験生には厳しい出題も考えられることから、成績中下位層での得点ダウンが予想されます。

さらに、記述式問題の先送りにより、残ったマーク式問題でより「思考力」「判断力」を問う出題が予想されます。いわゆる「新傾向問題」です。これには、安易な速修型の参考書・問題集に頼った「パターン学習」では対応できません。過去問がないため、模試に加えて、予備校・塾などが主催する講習等にも積極的に参加して、新作問題にチャレンジする機会を増やしましょう。

文部科学省は国公立大、私立大を問わず各大学の個別試験での記述式問題を導入を推進する意向を持っており、今後は「読解力」「記述力」の強化が入試突破への大きなポイントになります。大学入試制度の変化に影響されないように、しっかりとした本物の学力養成をめざしてください。

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