2019年度入試、AO入試の特色

駿台予備学校 広報部 藤原亜美さん

AO入試のAOとは、「アドミッションズ・オフィス」の略で、大学に設置される入学選抜のための専門機関のことです。AO入試では、従来の学力のみを重視してきた入試方法に代え、学生の能力や個性を判断基準にし、大学の求める学生像(アドミッション・ポリシ-)と照らし合わせて選抜を行います。調査書や部活動・生徒会活動・ボランティアなどの活動記録、志望理由書や小論文・面接などさまざまな資料をもとに総合的に審査する形式です。また、大学での学びに対する強い「意欲」も評価の対象になります。大学のアドミッション・ポリシ-とそれに基づく入試内容を十分に調べて、自分に適した入試形式かどうかを確認することが重要です。

実施日程や選考方法は大学によって異なりますが、AO入試の出願期間は9~11月に集中しています。日程的には推薦入試とそれほど変わりませんが、8月中にエントリーさせる大学もありますので、注意してください。

推薦入試は高等学校長の推薦書が必要なのに対し、AO入試は基本的には誰もが自由に出願できます。また、推薦入試では文部科学省の規定により、募集人数は「総募集定員の50%以内」と定められていますが、AO入試はこの募集枠とは別に募集人員を設けることができます。なお、国公立大ではAO入試に合格して手続をすると、一般入試の合格の資格を失ってしまいますので注意が必要です。

AO入試を導入する大学は年々増加しており、2018年度入試では、国公立大は85大学240学部が実施、私立大は約8割の大学で実施されました。国公立大では、一般選抜の後期日程を廃止して前期日程に一本化する流れの中で、受験生に複数の受験機会を与える手段として、AO入試を導入する動きがみられます。

例えば、東北大は2019年度入試よりセンター試験を課さないAO入試Ⅱ期で法が、センター試験を課すAO入試Ⅲ期で文、理(数学系を除く)が新規実施します。東京工業大は第2類~第7類でセンター試験を課すAO入試を実施しています。京都大は2016年度入試より特色入試を実施していますが、2018年度入試では、学力型AO入試として文、経済、教育、総合人間、理、医(人間健康科学)、薬、農で行われました。「調査書」に加え高等学校長等の作成する「学業活動報告書」や、志願者が作成する「学びの設計書」といった提出書類の他、大学入試センター試験の成績、学部ごとの能力測定考査、論文試験、面接試験、口頭試問等を組み合わせて審査します。大阪大は、2018年度入試に引き続き、2019年度入試でも文、外国語、法、経済、人間科学、理の6学部でAO入試を行います。大阪大でも、必要な基礎学力を把握するため大学入試センター試験の受験を必須としています。大阪市立大は、2019年度入試より医(医)で新たにセンター試験を課すAO入試を実施します。

大学生の学力低下を危惧する声は相変わらず多く、入学後の講義についていける学力があるかどうかを確認する手段として、AO入試においてもセンター試験等の学力試験を課す大学が増えています。そんな中で、神戸大が2019年度入試から新たに実施するAO入試『「志」特別入試』は、センター試験を課さない点が注目されます。しかし、模擬講義・レポート、総合問題、小論文、面接・口頭試問などで、適性や専門分野にかかわる学力があるかを総合的に評価することに変わりはありません。なお、『「志」特別入試』合格者は神戸大アドミッションセンターが中心となって行う入学前教育を受けられることが特徴で、高校教育と大学教育との接続が容易になるよう工夫されています。

このように難関大のAO入試は、一般入試と試験方法が異なるとはいえ、高いレベルの学力が求められることに変わりはありません。また2021年度入試からAO入試は「総合型選抜」と名称が改められ、学力評価を義務付ける案が公表されています。AO入試での合格を目指す場合も、一般入試でも合格できる十分な学力を身につけた上で臨むことが基本と考えましょう。

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