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  来春、伝統の「一文」「二文」が生まれ変わる。創立125周年の節目を迎える早稲田大学は、2007年度に大規模な学部再編を予定しているが、中でも、名称も内容も他に例のない「文化構想学部」の新設を含む文学部の再編は注目を集めそうだ。新体制の概要や改編にいたる経緯を大藪教授に聞いた。

■未来を先取りする「文化構想学部」、伝統を継承し発展させる「文学部」
  従来の学問領域を超えた「学際的」な研究・教育を――これは、いわば時代の要求として、学生からも社会からも、大学に期待されている課題です。しかし一方で、伝統的な学問をきちんと継承し発展させることもきわめて重要です。なぜなら、膨大なデータや優れた研究方法を蓄積しているこれらの学問との連携なしに、新しい学問が実を結ぶことは望めないからです。多くの大学が新たな学問領域の創出を模索し、耳慣れない名前の学部・学科も次々に生まれていますが、それらが成功するかどうかのカギはこの点にあるといってよいでしょう。

  「文化構想学部」、この日本唯一の名称を持つ本学の新学部の強みは、まさにそこにあります。早稲田「一文」・「二文」の伝統の中から、そしてその伝統を確実に受け継ぐ新生「文学部」と手を携えて生まれる、そこに大きな意義があるのです。

  文学部の「財産」を武器に未知の領域へ漕ぎ出す文化構想学部。文化構想学部のダイナミックな刺激を受けて専門分野の遥かな地平を見渡す文学部。いずれを選んだ学生も、学問の真の面白さに触れ、確かな知識と柔軟な思考力を身につけて、社会のいかなる分野でも活躍し、貢献できる人材として巣立ってくれることと信じています。

■学生の様々な興味にこたえる学部改革
  文化構想学部は、新たな学問領域を構想する6つの「論系」(「多元文化論系」「複合文化論系」「表象・メディア論系」「文芸・ジャーナリズム論系」「現代人間論系」「社会構築論系」)を備え、そこにテーマをしぼった21の「プログラム」を配置します。2年次から論系に所属し、プログラムを選択して専門科目を履修する「1・3制」をとります。プログラムごとに標準的な履修モデルを示しますが、後で説明する「ブリッジ科目」や学部内の演習科目を自由に選択し、履修することができます。各プログラムには、3〜4年次の2年間連続して所属できるゼミ(選択)を設置しますから、ゼミに所属することで学生諸君は学習の目標を明確にすることができるでしょう。ですから、プログラムを目安に自分の興味の方向性を定め、その興味を満足させる科目群を自由に選択し、組み立てることができるのです。

  文学部には、哲学、文学、歴史学、心理学、社会学、教育学、演劇映像、考古学など馴染みの深い17のコースを設置します。常に、日本の人文研究・文化研究をリードしてきた文学部として、時代に対応しながらも、その波に飲み込まれることのない学問の場を提供し続けます。文化構想学部と同様に、2年次からコースに所属する「1・3制」をとります。学生諸君は、いずれかのコースに3年間所属しながら、古典に取り組める基礎的な力の養成や研究方法の習熟に力を注ぐことになるでしょう。その集大成が卒業論文で、これは必修になります。そして、文学部の学生もまた、文化構想学部の学生と同じように広範な文化科学に接触できる機会が「ブリッジ科目」によって保障されているのです。

■2学部の架け橋になるブリッジ科目
  さて、その「ブリッジ科目」とは何か。これはどちらの学部生も履修可能な科目群をさします。語学をはじめとする教養的な科目はもちろん、専門科目もあわせたすべての講義科目がここに含まれ、いずれの学部の学生も自由に履修することができます。実に700を超えるブリッジ科目を設置し、どんな学生も興味に沿った科目を見つけられる形を整えることができた。これはまさに早稲田大学文学部の伝統あればこそでしょう。

  なお、文学部は従来の第一文学部同様に昼間開講、一方の文化構想学部は7時限までの昼夜開講とし、6・7時限の科目のみで卒業できる夜間特別枠を設けて、第二文学部が果たしてきた社会的役割を引き継ぎます。また、どちらの学部も柔軟な教育システムに対応し得る「セメスター制」を導入します。

  このように大胆な改編が実現できたのは、学生と直接接する教員たちが、学生のために自発的に改革を目指したこと、さらにその内容を、5年の年月をかけて周到・綿密に検討したことによるものだと思います。

  この、かつてないユニークな学びの場を最初に体験したいという意欲的な学生諸君をお待ちしています。



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