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  創設100周年を間近にひかえた早稲田大学理工学部が、3学部への再編をはじめとする大規模な改革を実行する。「新理工系宣言」をうたう早稲田ならではの改革の内容を、同大学理工学術院・石山教授に伺った。

■未来を担う人材を育てる理工系教育の「次世代モデル」
  「技術創成立国」――資源に乏しいわが国は、新しい技術を創り出すことで国際社会を生き抜かねばなりません。理工系の確かな知識を身につけた人材は今後、技術者・研究者としてだけでなく、従来は文系に占められがちだった政治や経済の中枢など、幅広い分野で活躍が求められてくるはずです。それを育てるべき大学も、当然、この新しい時代に対応できるよう、教育の内容を大きく見直す必要があります。

  これまでも改革を重ねて発展を続けてきた早稲田大学理工学部ですが、2008年の創設100周年を目前にひかえた来年度、その歴史の中で最大の改革を実施します。

  学科数13、学生数1万人(大学院含む)と、一つの総合大学にも匹敵する規模に拡大した学部全体を3つに分割。ただし、教員は「理工学術院」という一つの組織にまとめ、3学部、3研究科(大学院)、さらに付置研究所まで含めた柔軟でダイナミックな連携を確保します。また、社会のニーズにこたえる4つの学科を新設する一方、学科の垣根を越えた融合的研究を行なえるシステムを大胆に導入します。

  この改革により、学生は目標の選択肢が広がり、その目標に向けてより効率的な教育を受けることができるようになると同時に、本学部が100年かけて蓄積した情報、スタッフ、その他の様々な資源は従来通り活用できることになります。加えて大学にとっても、今後必要な改革を機動的に行えるなど、大きなメリットがあります。

  この新体制は、まさに理工系教育機関の「次世代モデル」と言ってよいのではないかと考えています。

■個性あふれる教育を行う新設3学部
  学部再編にあたっては、「理学」(基礎)と「工学」(応用)を実用的な研究に不可欠な車の両輪ととらえて、わが国で初めて「理工科」に融合させた創設時の精神をしっかり受け継ぎました。その上で、あまりに拡大・細分化した「理工学」の中身を整理し、方向性の共通する学科を集めた次の3学部を設置します。

  「基幹理工学部」は、情報理工、機械科学など、まさに現代の科学技術の基幹を支える分野を扱う学科群からなり、各学問分野の基本を修得した上で社会が期待する新しい分野に挑戦できる人材の育成を目指します。

  「創造理工学部」は、建築、環境など人間の社会生活に深くかかわる分野を扱う学科群で、より豊かな人類の未来を創造するための戦略や技術を学際的な視点で研究していきます。

  「先進理工学部」は、物理学、生命科学などにおける先進分野を扱う学科群を擁し、高学年から大学院にかけて、「たとえば「創薬」などテーマ別に学科のカベを取り払った科目群(先進融合クラスター)を設定、学生は新領域の開拓に参加することができます。

  なお、新設学科は「基幹」に3学科、「先進」に1学科が配置され、全体で17学科となります。

  各学部が、それぞれの理念・目標に沿った独自の選抜方法、カリキュラムを採用、個性的な教育・研究を展開します(詳しくはHPをご参照ください)。

■早稲田理工の「幅」が生きる共通科目群
  一方、学部分割後も本学部が培ってきたノウハウは3学部の学生すべてに提供されます。中でも強調したいのは、3学部共通の基礎教育。

  まず、本学部が伝統的に重視してきた実習・実験教育については、他に類を見ない約80名もの専門職員に加えて、来年度からは各企業で活躍していたスペシャリストを「テクニカル・エキスパート」として迎え、内容をさらに充実していきます。

  また英語教育については、04年に本学部独自に設立した「英語教育センター」の作成する教材、カリキュラムにより、論文の執筆や技術的なディスカッションができるレベルまで、各自の能力に合わせて徹底的に指導します。

  さらに倫理観や、今後重要となる知財や企画立案能力などを身につけるうえでも重要な教養教育についても、創造理工学部に新たに文理複合的な「知財産業政策」「国際文化」の2領域をおくなど、充実を図ります。

  この全く新しい学びの場に、多くの優秀な学生がチャレンジし、理工系の知識を武器に世界で活躍する人材として巣立ってくれることを願っています。



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