| 去る2月6日、国公立大の出願が締め切られ、文部科学省は確定志願状況を発表した。それによると、一般入試の志願者数は、前年に比べて750人(0.2%)少ない487,777人となり、わずかながら前年増加に転じた国公立大の志願者数は再び減少することとなった。しかし、志願倍率は募集人員が減少しため、4.9倍(前年4.8倍)と0.1ポイントアップしている。日程別だと、前期は502人(0.2%)減少して、倍率は3.3倍(同3.3倍)と横ばいだが、後期は1,888人(0.9%)減少したにもかかわらず、倍率は10.0倍(同9.7倍)とアップした。
国公立大志願者増減の要因
減少要因としては、(1)2008年度の大学・短大志願者数が駿台予備学校推定で73.2万人(前年度77.1万人)と、前年比で約3.9万人(5.1%)減少、(2)難関大を中心に後期日程の廃止や募集人員削減によって後期出願校の選択範囲が狭まった、という2点があった。一方で増加要因としては、(1)国公立大、特に難関大志向を強く持つ受験生の増加、(2)センター試験平均点の大幅アップ、という2点が上げられる。今回は、この増減の要因が拮抗した結果、志願者数は微減という結果になった。
学部系統別の動向
文学部系、看護・保健学部系の減少が目立っている。また、法学部系は前期の志願者数が増加したが、東京大、東北大の後期削減、廃止などにより、前期募集人員が増えたことが要因である。理・工学部系は人気が低迷していた時代が長くあったが、前年から回復の兆しが見えてきており、今年も増加した。同じく、薬剤師養成課程6年制化以降、低迷していた薬学部系も今年はやや回復した感が見受けられる。前年は減少幅が最も大きかった教育学部は反動もありわずかだが増加に転じた。また医学部系は、医学科で地域に根ざした医師の育成を目的に、地域枠、県民医療枠などを導入し、募集人員を増加しましたが、後期廃止の影響が大きく全体では志願者増には至らなかった。
難関国立大学の動向
難関国立10大学(北海道大、東北大、東京大、東京工業大、一橋大、名古屋大、京都大、大阪大、神戸大、九州大)では、東京大、東北大、名古屋大、九州大の一部の学部で後期日程が廃止されて前期日程に一本化された。また、東京大では理科三類以外の科類では後期日程が存続するが、募集人員が大幅に削減され、文理共通の個別試験にて選抜を行う全科類一括募集となっている。これらの変更により、難関大志望者にとっては後期日程での受験校の選択範囲が狭められ、全体の志願者数は2,515人(2.7%)と国公立大全体集計よりも大きく減少した。この結果、志願倍率も4.19倍→4.11倍とごくわずかだがダウンしている。
私立大学の動向
駿台予備学校による2月20日現在の集計によると、私立大の一般入試(推薦・AO入試等を除く)の延べ志願者数は、今年度はセンター試験平均点が大きくアップしたことで、国公立大への流れが強まり、私立大志願者数は伸び悩みが予想されたが、序盤戦では前年の約5%増の反動もなく1.4%増となっている。入試方式別に見ると、センター試験利用方式が8.5%増、一般方式は1.4%減となっている。センター方式がセンター試験平均点アップ、採用大学・学部の拡大、個別大学対策の負担が少ないといった要因で大きく増加している。一方で、多くの大学が全学部入試など様々な新しい募集方式を導入しているが、一般方式は受験人口減少や推薦・AO入試の拡大などの影響を受けて前年度の志願者人数まで達していない。
また、いわゆる二極化が進んでいる。早慶を中心とする最難関レベルでは志願者数には大きな変化は見られず、ほぼ前年並みと動きはあまりない。これに続くいわゆるMARCH、関関同立レベルでは前年比約6%増と志願者数を伸ばしている。学部・学科の新設が数多くなされていることや国公立大志望者からの併願先として人気を集めている。対照的に下位レベルの大学では大きく志願者数を減少させており、特に理系では10%を超える大きな減少率となっている。現在の入試では推薦・AO入試の比重が大きくなっている、このレベルの一般方式の競争は大きく緩和している。
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