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| ●入試対策 |
| ≪現代文≫ |
特に注目して触れておくべきことは、二つある。一つは、文学・芸術などについて。2000年度の(二)は、新傾向というべき、文学作品そのものの出題であった。2001年度の(二)とともに、夏目漱石の文章であることは、注目に値する。この際、漱石の『私の個人主義』『現代日本の開化』などの文明論には、必ず触れておくべきだろう。求められる読解力に変わりがあるわけではないが、近代の作家や評論家の書いた文章を視野に入れた学習が必要である。2002年度は森鴎外からの、2003年度は正岡子規、2004年度は高村光太郎、2005年度は柳宗悦、2006年度は長谷川天渓、2007年度は木下杢太郎からの出題であり、近代作家色が濃くなっている。今となっては古めかしく感じられる表現も含まれるので、語彙力を充実させるためにも、近代作家の文章に慣れておく必要があろう。
その一方で、科学・哲学・社会学的な視野をもった文章も必ず出題されてきた。<人間の存在>、<現代社会>、<近代日本>、<文化>、<文明>などという、いずれも大きく深い<話題>の文章であり、2000年度の(三)はこれに当たる。2001年度の(三)も芸術論ではあるが、「近代」という時代の理解が問われるものであった。2002・2003年度は文化論で、まさに視野の大きな話題である。2004年度は科学論が出題された。2005年度は、デザインというまさに現代的な話題についての文章であった。2006年度は、「知」のあり方そのものを考察する文章。2007年度は、哲学的な内容のものだった。論理的な文章による問題演習の中で、常に「人間」・「社会」・「近・現代」を視野に入れて考えるようにすることが必要だろう。それに、話題が何であれ、ある程度は抽象度の高い文章が出題されるのだから、ともかく、そういう硬い文章に十分取り組んでおくことである。そういう文章はまた、読解力を養うのに適切な文章でもある。
必ずある空欄補充、抜き出し、論旨展開にかかわる問題――設問で特に意識して訓練すべきものは、これらである。その訓練においては、もちろん全文の構造(構成)・論旨の問題を最重視すべきである。空欄や抜き出しは一喜一憂せずに、正解への道筋やどうして間違ったのかなどを深く追究することが大事だ。いかに文中に根拠を発見するか、その練習を積みたい。近代文学史や慣用表現などの知識も、学習の中でおろそかにしてはならない。
とにかく、解答時間の中で、問題文全体の大筋はつかめ、設問にも対応できる力を養うことである。そのためには、むしろ逆に、時間をかけてじっくり取り組み、深くわかる体験の積み重ねが大事だ。ことばの読み書きや意味はもちろんのこと、文と文、段落と段落との関係を微視的に、また文章を大きく巨視的にとらえる力を重視したい。そこには、指示語・接続語・同内容・対立関係等々の読解の基本、それらを正しくとらえる力が、全て含まれよう。そうである以上、あくまでオーソドックスな論理的文章による読解訓練の積み重ねがすべてである。
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| ≪古文≫ |
基礎的な文法学習を背景とした堅実な読解力が求められるが、それとともに、なるべく多くの古典の文章に触れ、ある程度古典作品を読み馴れておくことも必要であろう。その中で古典常識や和歌への対応などを学ぶことである。また、近年の傾向に鑑み、和歌修辞の体系的学習を済ませておくことが望ましい。
各設問への対応を考えてみよう。必出と言ってもよい空欄補充問題は、問題文全体の大意を踏まえた上で考えることが大切。ただし、この空欄補充問題はその性質上、かなりの学力を備えた者でも必ず正答できるとは限らないものである。そこで、もう一方の頻出問題である文法問題・文学史問題等で取りこぼしをしないことが、合格の絶対条件。これらは、事前に十分に学習しておけば、ある程度確実な得点が期待できる。文法については、付属語や敬語の知識を確実なものにしておきたい。また、文学史問題には、ジャンルごとに主要な作品を系統立てて押さえていく学習が大切。出来ればメジャーな作品については、その梗概や時代背景も知っておくと、出題文の読解にもそれが役立とう。解釈問題の選択肢は、きちんとした直訳ではなく意訳の形になっている場合が多いので、やはり全体の大意を踏まえて考察すべきだろう。問題文中に少々難解な部分や未知の単語があっても、細部にばかりこだわらず、文章全体の論旨をつかむことを主眼とする姿勢が求められる。しかし、一方で助動詞・助詞の付属語に代表される基本的な文法や古語の、語学的な学習が軽視されるべきでないのは、もちろんである。部分部分を正確に解釈し得るだけの学力なしに、意訳だの大意把握だのと言っても、それは絵空事に過ぎない。設問は選択形式が過半だが、選択肢の中の正解が非常に紛らわしい場合がある。選択肢一つ一つを吟味して、傷(難点)の大きなものから先に消していき、最後まで残った一つが正解――という消去法が、難解な選択肢問題の解法の定石である。
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| ≪漢文≫ |
| 漢文読解の基礎、すなわち語彙や句法の習得が不可欠である。特に傍線部書き下し(あるいは返り点を施す)の問題は毎年問われるので、基本句法全てをマスターしておくことが最低限度必要。白文でも書き下せるようにトレーニングを積んでおこう。また、問題文中に用いられた一字の漢字を、同じ意味の二字熟語に直す訓練や、同じ意味の他の漢字を想起する訓練も積んでおきたい。日常の漢文学習を通じて、絶えず「熟語に直すと何が適当か」を考える習慣をもつことである。また、「何為」、「何如」、「如何」、「幾何」、「孰与」、「孰若」など、難読の疑問詞にも十分注意したい。 |