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東大入試に精通した各教科のエキスパートが、過去問の出題傾向から東大合格へのヒントを伝授します。
(各教科のアドバイスは駿台文庫より刊行の「青本」より抜粋)
年 度 番 号 項 目 分野・テーマ(表題)・問題レベル
07 1 読解 (A)全文要約問題(記述)「詩の意味を誰が決めるか」<標準>
(B)文補充、パラグラフ整序、など(客観) 「インドのゴミ処理について」<標準>
2 英作文 (A)英語による日本文要約(記述)<標準>
(B)イラストを用いた自由英作文(記述)<やや易>
3 リスニング (A)(客観)「ウォーキングについて」<標準>
(B)(客観+記述)「アフリカのある社会慣習についての人類学の講義」<やや難>
(C)(記述+客観)「(B)に続く教室での討論」<やや難>
4 文法・語法 (A)取り除くべき一語の指摘(客観)<やや易>
読解 (B)英文和訳(記述)「医学の性質と役割の変化」<標準>
5 読解 長文読解総合問題(記述+客観)“Back Home”<やや難>
06 1 読解 (A)要旨要約(記述) 「民主主義の理想と現実」<やや易>
(B)段落補充(客観) 「Virginia州の小島で行われる子馬の競りについて」<標準>
2 英作文 (A)英語による日本文要約(記述)<標準>
(B)自由英作文(記述)<やや難>
3 リスニング (A)(客観)「イギリスでのサマータイム導入の経緯と問題点」<やや易>
(B)(C)(客観+記述)「新素材X15についての記者発表と会見」<標準>
4 文法・語法 (A)整序作文(客観)<やや易>
読解 (B)英文和訳(記述)「説得のコツ」<標準>
5 読解 総合問題(客観+記述)「有名人の悩み」<標準>
05 1 読解 (A)要旨要約(記述)「運動のリズムとハーモニー」
(B)段落補充(客観)
2 英作文 (A)自由英作文(記述)
(B)自由英作文(記述)
3 リスニング (A)(客観+記述)「エネルギー問題」
(B)(C)(客観+記述)「『EUでの新たな身分証の導入』についてのレポートとそれについての議論」
4 文法・語法 (A)文法正誤(記述)
読解 (B)英文和訳(記述)「科学革命について」
5 読解 総合問題(客観+記述)「灯台守と少年」

 ●出題形式と入試対策
1.「要旨要約」:

過去の出題を見ると、年度によって設問の文言や字数に微妙な差はあっても、文章を理解した上で要点をまとめる力を試すという点では一貫している。東大に合格可能な学力があれば、どんな文章を読んでも「およそこんなことが書いてあるはずだ」というレベルの理解はできているはずだ。したがって、「日本語の表現力」が勝敗の分かれ目になることも少なくない。「他人に向けた」「誰が読んでも分かりやすい」「明確で」「簡潔な」文章を書く訓練も積んでおかねばならない。
2.「段落補充(文補充)」: 2000年度から連続して出題されている、「木を見て森を見ず」を戒めるような設問。普段から論説文・解説文を読む際には、指示語、冠詞の使い方、代名詞、名詞の言い換え、論理関係を示すDiscourse Marker、パラグラフの展開などに意識を向けておかなければならない。この種の問題が苦手な人は、昨年までセンター試験の第3問で出題されていた問題を利用して訓練をするのも手である。
3.「英作文」: 「グラフの説明」「日本文の英語要約」(2003)→「1つのテーマに対する意見」「日本文の英語要約」(2004)→「イラストの説明」「英文空所補充」(2005)→「日本文の英語要約」「1つのテーマに対する説明」(2006)→「日本文の英語要約」「イラストの説明」(2007)と毎年変化しているが、空所補充と日本文英語要約のいずれかは過去5年間で必ず出題されている。語数は平均すると1題50〜60語。「自由英作文」という形式はとっていても、よく見ると細かい縛りが設定されているので、意外と「不自由」である。何を書かなければならないのか、出題者は何を求めているのかを正確に理解する力が必要。
答案を書く上で重要なことは、基本的な語彙を使った基本的な英文をあっさりと書くことが大切。考えすぎるあまり複雑怪奇な内容を書こうとしたり、自分の語彙にない単語や熟語、構文を用いたりしないことだ。作文は配点的にかなりのウェイトを占め(全体の4分の1)、受験生の間で点差のつきやすい分野であるから、作文での失敗は即不合格につながることをよく覚えておこう。
4.「リスニング」: リスニングの試験が始まる前に必ず設問に目を通しておくことが必要である。それによっておおよその話の内容は予測できるものであり、事前にこうした予測を立てておくかどうかで、内容理解に大きな差が出ることは言うまでもない。また、日頃から英文を耳にして、英語の音に慣れておくことも絶対に不可欠。過去のリスニング問題を収録したCDなどを活用し、様々な英語の音声に触れる機会をできるだけ多く作って欲しい。
5.「文法問題」: 「整序作文」(2003)→「整序+適語補充」(2004)→「取り除くべき語の指摘」(2005)→「整序作文」(2006)→「「取り除くべき語の指摘」(2007)という過去5年間の出題。配点的には微々たるものなので、時間をあまりかけずにサラッと正解を見つけたいのだが、文法力というより解釈力を必要とする比較的レベルが高い問題が多く出題されるのが頭の痛いところである。
6.「英文和訳」: 東大ではこれまで「全体から部分を考える力」を問う問題がよく出題されている。単語の訳にしても、英文の構文・構造の把握にしても、下線部内だけで考えるのではなく、より広い文脈の中で考える姿勢を身につけてほしい。また英文の内容は分かっても、いざ訳すとなると苦戦するケースは多い。日頃から実際に筆を執って訳文を書く習慣を身につけてもらいたい。
7.「長文読解問題」: 東大では長文読解総合問題で、小説、随筆、論説と様々な素材の英文が出題されているものの、実は出題の趣旨に大きな違いはない。いずれの素材にせよ頻繁に問われるのは「必要な情報を的確に読み取ること」と「一見平易に見える表現、文脈を考慮しないと読み誤ってしまう表現」である。
したがって、本文の世界にできるだけすばやく入れるようにする練習が必要である。構文理解やパラグラフの理解とも異なるような、状況理解を最優先するような英文読解体験をしようと心がけるのもよいだろう。具体的には、時・場所・人物描写などの大切な記述が散在していることも多く、それらを表で整理するつもりで読むことになる。他大学の入試問題でも、インターネットの英文でもよい。そういう姿勢こそ東大が求めている英語への姿勢の一つであるのだから。


 ●入試対策

1

分析の結果から、高校の教科書の各章をしっかり勉強するだけでなく、
・中学で学んだ図形の知識のうち、大学入試にも役立つような事項
・教科書の章別ではとり上げる機会が少なく弱点になっている事項
・教科書ではいくつかの章にまたがるため、学習がおろそかな事項
・毎年のように出題される空間・平面図形とその体積・面積の問題

などを積極的に研究しておくのも、重要な対策の一つである。
2 記述力・論証力をつけるために、問題を解くときには、
答えを出すだけではなくて、論理的構成がはっきりするように書く
ということをふだんから実行していなければならない。特に、近年は数学の内容を日本語の文章として正しく述べることができるか否かも重視されてきている。
 
3 問題の難易度は毎年一定とは限らない。
難しい問題が多ければ、各自の得点とともに平均点も下がることになる。したがって、完答できる問題が少なくてもあわててはいけない。自分のわかったところまでを明確に書いて、そこまでの部分点を確保することを心がけるのがよい。むしろ大切なのは、易しい問題を確実にものにすることである。(特に05、06、07年度はこのことが重要であった)。ここでつまらぬ失敗をすると、正解に達する人が多いために、かなりの差をつけられてしまう。結局、“難しくてもあせらず、易しくてもあなどらず”、自分の力を出し切るようにするのが重要な対策である。
理系志望であるからには、数学6問のうち
<3問分の完答、残り3問分中の部分点確保>
を努力目標としてがんばりたい。
4 正統的な数学の学習をしよう。
近年は、99年度の第1問のような三角関数を正しく学んでいれば“できて当然”の問題や、02年度の第4問、第5問のような数IIIの教科書レベルの問題、03年度の第6問や04年度の第5問(2)の「円周率」という基本用語の根本理解に関する問題、などに戸惑う受験生が多いようである。解法テクニックの習得一辺倒の受験対策に対する、大学側からの警鐘といえるだろう。これに限らず東大の問題は、「数学的構成手法や概念の理解」をベースにして、「その場で自力解決できる能力」を鍛えること、換言すれば、小手先の技術ではなく、「本格的な実力」の養成を図ることが、最も重要な対策であることを示しているといえる。したがって、出そうな問題だけを反復練習したり、解き方を無闇に丸暗記するのではなく、上に記したような総合的観点のもとで、あらゆる問題に対して深い考察を積み重ねつつ、本質をつかみとる思考力と精密な論述力を、演習を通じて鍛えていくことが重要である。
過去の東大入試問題の徹底的な研究は、最良の入試対策である。



 ●入試対策
東大の数学の問題が解けるようになるためには、表面的ではない、本物の学力が必要とされる。解法のパターンを覚えているだけでは通用しない。文系の受験生であれば、文系科目がある程度できるのは当然のことなので、数学の出来・不出来が合否に大きく影響を与えることになる。文系受験生であればこそ、数学を疎かにすることなくしっかりと学習しておきたい。
まず、
1

基本事項をしっかりと身につけること
は当然である。近年、教科書レベルの内容でさえしっかりと身につけていない受験生が目立ってきている。まずは、教科書レベルのことができなければ話にならない。
次に、
2 図形が苦手でないようにしておくこと
である。中学で学んだ図形の知識のうち大学入試にも役立つ内容を整理して頭の中に入れておくと同時に、積極的に立体図形などの問題に取り組んでおきたい。
また、
3 計算力をつけておくこと
とともに、
4 論証力をつけておくこと
である。日頃から、しっかりと手を動かして計算力を鍛えておくとともに、論理的にしっかりとした答案を書く練習を積んでおきたい。定理や公式の証明も疎かにせず、“数学の機構”をしっかりと学んでおくことは、未知の問題に出会ったときに解法の糸口を見いだす上で、大きな手助けになることであろう。また、すぐに解けない問題でも、粘って考えることも大切である。
結局のところ、
5 正統的な数学の学習をすること
に尽きる。はじめに述べたことの繰り返しになるが、パターン暗記や山かけなどの小手先の技術ではない、本格的で精密な思考力と論述力を鍛えておくことが、東大入試を突破するために最も重要なことなのである。

年度 番号 科目 類別 内 容 出 典
07 現代文 論説 記述説明(傍線部の内容や理由などを、文脈や全体に即してわかりやすく説明する)、漢字書き取り 浅沼圭司『読書について』
古文 説話 現代語訳、心情説明、指示語内容の具体化 『続古事談』
漢文 随筆 現代語訳、空欄補充(主語の判定)、内容説明(具体的に説明・執筆意図の説明) 陶宗儀『輟耕録』
現代文 評論 記述説明(傍線部の内容をわかりやすく説明する) 清岡卓行『手の変幻』
06 現代文 論説 記述説明(傍線部の内容説明・理由説明・全体の論旨に即した説明)、漢字書き取り 宇都宮輝夫「死と宗教」
古文 物語 現代語訳、心情心理説明 『堤中納言物語』はいずみ
漢文 随筆 現代語訳、内容説明、空欄補充(主語の判定)、理由説明 彭乗『続墨客揮犀』
現代文 論説 記述説明(傍線部の内容説明・理由説明) 宮澤康人
「学校を糾弾するまえに」
05 現代文 論説 記述説明(傍線部をわかりやすく説明する・傍線部の理由を説明する・問題文論旨を踏まえた説明)、漢字書き取り 三木清『哲学入門』
古文 物語 現代語訳、内容説明 『住吉物語』
漢文 随筆 内容説明、現代語訳、指示語の具体化、理由説明 陳其元『庸間斎筆記』
現代文 随筆 記述説明(筆者の主張・文脈に即して傍線部をわかりやすく、具体的に説明する・比喩理解) 小池昌代「背・背なか・背後」

 
●〈現代文〉入試対策
高校の国語の授業および自発的読書等を通して、さまざまなものに関心を寄せ、かつみずから主体的に考えることが基盤。それに立脚して文章を論理的に理解する訓練を積むこと。
東大二次の現代文の設問の特徴は、すべてが記述説明であるという点にある。要求されている「説明」とは、文章の論旨・文脈に即した理解を、読み手(採点者)が納得できるように「わかりやすく書く」ことである。また、問題文の内容・設問とも、奇をてらった難解なものではなく、きわめて標準的かつ正統なものばかりだ。
つまり、論理的な文章読解力の養成と、的確な表現力の訓練とを怠りなくやっていれば、充分合格点をとることが可能な問題文であり設問だということである。
●〈古文〉入試対策
一言でいうと、論理的読解法を身に付けていれば必ず読める。それに、自分がわかっているということを示せる表現力を磨くことである。
具体的に述べると、付属語に関する知識を確実にし、敬語の有無や基本単語の意味を日常的に考える習慣をつけておけばよいのである。出題される文章も高校の教科書レベルである。普段から、どうしてそのような訳にならなければならないのかと、解釈の必然性を考え、その上で作中人物の心情などを推し量るようにしていくとよかろう。
単語は、使用頻度が高く多義語になる単語(とりわけ形容詞や形容動詞)について、文脈上での意味を問うことが多い。その対策は、労を惜しまず辞書を引き、語源や中心義を把握しておくことである。そして、文脈や全体を考慮に入れてそこでの適切な訳を考えるようにする。
現代語訳の問題は、単に「現代語に訳せ」という場合と、「具体的に内容がわかるように、現代語に訳せ」という場合がある。前述のように、ともにまず逐語訳であるが、後者の場合は、(1)主体客体などの人物関係、(2)指示語の具体的内容、(3)省略部分を補うようにしたい。
忘れがちなのは、文学史的考察である。東大の入試問題は出典を明記してくれる。日記・随筆を読む場合は常に作者の存在を頭に入れておかねばならないが、物語などを読む場合はそこに書かれている登場人物だけを考えればよいのである。
つまり、東大の問題は平素の学習が完全であればよいのであって、そのまま学力が点数に反映されるようにできている。そこで、努力しただけ報われるということである。練習問題としては、過去の東大の入試問題をきちんとやっておいたり、駿台受験シリーズの「古文解釈シリーズ」で論理的解釈法を身に付けておいたりするのがよかろう。
●〈漢文〉入試対策
1 訓読に慣れて、口語に置き換えなくても文章の意味がわかるようにする。
一つの文章を、意味を考えながら何度も訓読し、口語に置き換えなくても内容が十分理解できるところまで読み込んだら、新たな文章に取り組む。この繰り返しにより、文章の大意を捉えるために必要な読みの速さも自然に身に付く。
2 常に文章全体を念頭に置き、部分にとらわれすぎない読み方をする。
全体の流れを忘れて部分にとらわれていると読み間違うような箇所が設問となる。出題される文章には必ず明確な主題があるのだから、まずその主題を捉え、そこから部分の意味を捉えるような読み方をすべきである。
3 比喩や象徴の解釈に注意する。
比喩や象徴の解釈は、毎年のように出題されている。多くの文章を読み、様々な比喩・象徴表現にふれておくことで、センスを磨いておこう。
4 広く漢語の語法に目を配って、語学的な勉強も怠らないようにする。
漢語の語法・表現方法に広く習熟していれば、文章全体を正確に把握できる上に、つまらぬミスも防ぐことができる。基本的な知識の習得も怠りなく。
5 設問が何を要求しているのかを正しく把握し、要点だけを端的に答える練習をする。
出来るだけ多くの過去問と格闘し、設問に対して正しく答えるトレーニングを積もう。最後に必要なのは、書く練習である。

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