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■中央大学が持つ実学の伝統

  中央大学の前身「英吉利法律学校」が開講されたのは明治18年。若き設立者たちは、慣習法すなわち国民の中に生きている法規範、行動規範を重んじるイギリスの法律を学ぶための学校をつくったのです。彼らが理想としたのはリベラルな経験主義であり、社会の成熟を促すのは、教育による国民の成熟であると考えていました。中央大学の「実学の伝統」は、そこから始まっているのです。

  ひと口に「実学」と言っても、その中身は時代とともに変化します。グローバル化が進み、知的基盤社会となった現代では、自ら問題を発見し、それを解決する力を培うことこそが「実学」であると考え、さまざまなしくみを構築しています。

■時代とともに変化する「実学」の姿

 
例えば、学部の垣根を越え環境や国際協力など、今日的テーマについて学ぶ新しい教育システム「ファカルティリンケージ・プログラム」を2002年度入学生から設置し、現在はこれをさらに発展させた文理融合型のテーマ別リサーチプログラムをめざしています。

  また学生が自治体や企業へ出かけ就業体験するインターンシップは、参加者に学ぶべきものを発見する機会を与え、その後の学びのモチべ−ションを格段に高めるとともに、職業意識を育てています。この教育とキャリアの融合を目指した全学的な取り組みは、2003年度文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」に選定されました。さらに2004年度の同プログラムに選定された「実学理念に基づく高大接続教育の展開」も、深い教養と情報スキルを身につけ国際的に活羅できる人材育成を目指す商学部の実学理念が基礎となっています。今年からは「中大ブランド」を磨く取り組みして、産学官連携・知的財産戦略本部を設置し、本学の知的財産の創出とその管理・運用、そして大学の社会的使命の一つである産学官連携こよる社会還元にさらに力を入れています。

■高度専門職業人の養成に不可欠な専門職大学院

  中央大学では、専門職大学院を「実学の伝統」の発展形態と捉え、近年その設立に尽力してきました。専門化、グローバル化が加速するなか、世界に伍していける人材の育成には、大学院での専門的な教育がぜひとも必要だと考えるからです。

  まずアカウンティングスクールを他に先駆けて開校し、2004年には日本一多くの志願者を集めてロースクールをスタートさせました。そのアカウンティングスクールで1件、ロースクールで3件もの教育プロジェクトが、文部科学省による2004年度の「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」に選定されています。これは本学の専門職大学院が育ってきていることの証しであると言えるでしょう。

  今年度は政策に明るい人材を育てるポリシースクール(公共政策研究科)を開校しました。

■中央大学のヒューマンネットワーク

 
中央大学はあと5年で創立125周年を迎えます。この間、各界で活躍する多くのすぐれた人材を輩出してきました。これまでも各界のリーダーとなられた先輩方を招き、授業や講演会が行われてきましたが、卒業生の寄付により運営されるいわゆる寄付講座も増加しています。経済界をリードする卒業生を中心とした講師陣の生きた言葉は、学生たちのよい刺激となっています。

  私は、これら卒業生や在学生、教員といった人と人とのつながりが大学を通じて得ることができる貴重な財産だと思っています。つまり、中央大学で学ぶということは「実学主義」の伝統に裏打ちされた、質の高いヒューマンネットワークの一員となることなのです。

  今後も、中央大学はこのヒューマンネットワークの輪を広げて、よりよい社会をつくることのできる人材を輩出していきたいと考えています。

(談)
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