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東京経済大学は1900年に創立し、実業界を中心に約10万人の卒業生を輩出してきた。少子化による大学全入時代を控え、東京経済大学がめざす高等教育とはなにか。
間違いを恐れず、自分の考えをしっかり表現できる人物になって欲しい――。
来年度からの本格的始動に向け、全学的に取り組んでいるのが、「TKUチャンレンジ・システム」だという。村上勝彦学長にこれからの大学のあり方、存在意義などを聞いた。
■大学選びの基準が変化 偏差値の先にあるもの
東京経済大学は、「高校の教育現場で教材として活用して欲しい」と、大学名をあえて掲げず、『大学選びのための学びガイドブック』という小冊子を発刊しました。大学で学ぶ意義や社会科学の学問体系などを高校生の男女が物語り調で説明していくという絵本仕立てで、活字嫌いといわれる高校生が気軽に読み進められるように工夫されています。発刊後、インターネットや新聞紙上で紹介され、全国から大学に問い合わせが相次ぎました。大学全入時代の到来によって従来の知名度や偏差値といった基準に替わる尺度はなにか・・・。大学進学にあたって思い悩む高校生や親たちの姿が見えてくるようです。
企業の人事担当者に「来て欲しい人材は」と聞くと決まって「間違いを恐れず、自分の考えをしっかり表現できる学生」と言われます。東京経済大学がもつ、やる気次第で扉をあけられる土壌と自分の居場所を見つけられる環境は、中規模大学ならではの強味と考えます。
21世紀の日本を担う若者が、大学で学ぶべきことは何なのでしょうか――。東京経済大学の教育の柱は、大学名の頭文字をとって「TKUチャレンジ・システム」(来春開始予定)と名付けました。企業でいえば「品質保証」にあたる確実な基礎学力習得のための「ベーシック・プログラム」と、学部の標準的な学習に加えて、資格取得や語学力アップなどの目標に向かって特進的教育を行う「アドバンスト・プログラム」から構成されています。「人生80年」といわれる人生を豊かに過ごすうえで必要な人間性を磨くと同時に、専門的な知識を習得できる仕掛けが施されており、学ぶ過程で自己を見つめ、進むべき方向を発見するカリキュラムとなっています。この他、今年4月、経済学部に「海外研修特別コース」を開設しました。オーストラリアと中国のコースがあり、事前・事後の研修はもちろん、現地での5か月間の海外研修・実習費用は渡航・生活費を除き大学が負担します。また、コミュニケーション学部では来春から「企業コミュニケーション専攻」をスタートさせ、企業広報に関する知識を体系的に身につける先端的なカリキュラムを用意しています。
■教育の集大成は就職力 卒業生組織が後押し
1年生のときから、キャリアに対する意識を高める機会を設けています。全学部の希望学生を対象に、自治体や企業、マスコミ関係や弁護士事務所などそれぞれの分野の仕事を体験できるインターンシップ科目、仕事やキャリアについて考える科目群など、充実したカリキュラムとなっています。あわせて大学による就職支援では、職業興味調査やインターンシップ・ガイダンスなどを実施しています。地域インターンシップとして国分寺の企業や団体からも協力をいただいています。東京経済大学では、学生の間で「志望する仕事に就くには1年次からの努力が必要」との認識が一般化しています。
こうした教育のほか、東京経済大学ならではの財産となっているのが卒業生によるバックアップ体制なのです。「葵友会(きゆうかい)」という同窓会では地域支部毎に地元の諸事情に精通している就職協力委員を置いているほか、公認会計士やマスコミ、流通、金融の業界別組織を結成して、合宿セミナー、個別就職相談会、業界別特別講義などの就職支援活動を自主的に展開し、実績をあげています。
資格取得や語学についても、課外授業「キャリア・サポート講座」を開講しています。大手専門学校との提携によって受講料が割引価格となっているほか、卒業生の寄付によって創設された奨学金の給付によって、学生の経済的負担の軽減を図っています。
■社会に開かれた大学をめざして。 「シニア大学院」誕生の意義
第二次世界大戦後、国分寺市に移転して60年、知的水準も高い住宅地にあって「市で唯一の大学」として市民から愛されてきました。市と共催の「市民大学講座」は4半世紀の歴史を持ちますし、著名な芸術家や科学者、研究者をゲストに講演会を開催するなど、学術芸術の振興に貢献してきました。一昨年には産学官合同で街づくり組織「東京経済大学・国分寺地域連携推進協議会」を創設、地元の産業振興を図る研究所を大学内に立ち上げるなど知的センターとしての活動を展開しています。「自分のペースで修士号をとりたい」との要望に応えて、大学卒業後、30年以上の実務経験を持つ世代の方々にも開かれた環境づくりを行おうと、今年10月、最長4年で修士号を取得できる「シニア大学院」を経済学研究科でスタートします。コミュニケーション学研究科と経営学研究科でも来春発足する予定です。
シニアの方が修士号を得て、たとえば地域社会のリーダーになれば大学の知の集積がより広い世界で再生産されることになります。多様な視座が交差することによる大学院教育の活性化も含めて、「シニア大学院」の意義は、生涯教育の実現にとどまらないと考えています。
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