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19歳の頃にスキー留学したオーストリアで、ものを大切にする文化に触れました。当時の日本は使い捨て文化が花開いていた時ですから、そのギャップに驚きましたね。この経験がきっかけとなり、コレクションをはじめるようになったんです。
帰国してから25歳ぐらいまでは、時計やラジオ、アメリカの広告看板やポスターなどを集めていました。僕ら団塊の世代はアメリカへあこがれを抱いた世代。アメリカンなカッコイイものを自分の部屋に飾りたい。そんな気持ちでコレクションしていました。
そんなある日、インテリアの専門誌を見ていたら、部屋中がおもちゃで飾られている写真を見つけたんです。デザイナーの矢野雅幸さんの部屋でした。子供の頃にときめいたおもちゃが部屋にあるなんて、なんておしゃれなんだろうと感動し、すごいときめきを感じて、僕もおもちゃを集めはじめました。
時代は1970年代。高度経済成長を迎えていた日本では、おもちゃは今のように評価されていませんでした。おもちゃ屋さんは費用を払って在庫を処分していたんです。そんな時代に、僕はお金を払って引き取っていったわけですから、とにかく集まりましたね。自分でも驚くくらいにコレクションが増えていきました。 |
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こうして集まったコレクションが、やがて、コマーシャルや雑誌に使われ、デパートで展示会をすれば3万人が訪れるようになります。いつしか常設展を夢みるようになり、37歳の時にブリキのおもちゃ博物館を開館しました。
コレクションはものとの出会いです。実は僕もこんなにたくさんあるとは思っていなかったんです。もし事前に知っていたら、集めてなかったかもしれませんね。
僕のコレクションの基準は、自分の琴線に触れたかどうかです。インテリアにしたいとか、懐かしいという気持ちが芽生えるかどうかです。
僕の守備範囲はとても広いですが、特に好きなのはSFものですね。僕らが子供のころは、映画や漫画や小説などで宇宙をテーマとしたものが多かったんです。また、実社会でも、アポロ計画で人類が月に行ったり、アメリカとソビエトの宇宙開発競争が注目されていました。そんな時代を生きてきたことも、SF好きになった原因かもしれませんね。
地球ゴマは僕にとってのSF的なもののひとつです。もちろん、これもコマですから、昔から郷土玩具として親しまれてきたおもちゃの仲間です。でも、宇宙を感じるデザインや、少し傾きながら回る様子など、僕にとってはSF的なんですよね。 |
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きたはら・てるひさ/1948年生まれ。学生時代にスキー留学したヨーロッパで、古いものを大切にする人々の生活に感銘を受ける。帰国後、時計、ラジオ、広告もの、ブリキのおもちゃなどを収集し、86年、横浜にブリキのおもちゃ博物館を開館。テレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」にレギュラー出演中で、その他、ラジオ出演、執筆活動、講演なども行っている。

北原さんの地球ゴマ1/「活動ゴマ」という名称のこのコマは、15年くらい前に東京・原宿の東郷神社の骨董市で購入したのを覚えています。地球ゴマかなと思って手にしたら「活動ゴマ」という名称が箱に書いてありました。戦前のものだと思いますが、説明書までついているんですよ。その説明書にある遊び方は、地球ゴマと同じですね。
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