明治学院大学の歴史は、幕末にアメリカ人宣教医師ヘボン博士がクララ夫人とともに横浜に開設したヘボン塾にさかのぼる。庶民から武士まで無償で弱者への施療活動を成し、患者との出会いを通して日本語を学び、日本で最初の本格的和英・英和辞典『和英語林集成』の編集・出版や、聖書を日本語訳をしたことでも知られる。大西晴樹学長は同大学の教育理念をこう語る。
「本学では、創始者の理想である『他者への貢献』“Do for Others”を教育理念に掲げ、キリスト教による人格教育を行っています。そのうえで重視しているのが、『自分は将来何をもって“他者への貢献”をしたいのか。そのためには、何をどう学んだらいいのか』という目的と方法論、つまり学生たちにミッションをもってもらうことです」
明治学院大学では、理想を現実にするべく五つの教育目標を掲げている。その内容は、(1)他者理解による心豊かな人間の育成(2)分析と構想力を持つ鋭利な人間の育成(3)コミュニケーション能力に富んだ人間の育成(4)キャリアデザインをできる人材の育成(5)人間、社会、自然と「ともに生きる」ことができる人間の育成、というものだ。
「五つの教育目標を明確に掲げるとともに、各学部・学科ごとに教育目標を定め、豊かな人間性と高度な専門知識・コミュニケーション能力、そして自分にふさわしいミッションを明確にもっている─これらが明治学院大学が育む人の姿です」 各学科ごとに打ち出された教育目標は、英文学科なら「語学・文学の研究に加え、人に対する洞察力を備え、文化・価値観の多様性を理解してコミュニケーションをできる人の育成」といった具体的な人間像を明示するもの。また、今年度の「教育GP」に採択された心理学部の取組「心理支援論:心理学教育の新スタンダード」をはじめ、多くのプログラムが評価されている。こうした、多様なカリキュラムのもと、熟練の教授陣が学生一人ひとりを見つめ、夢の実現をサポートしている。
各学部や教養教育センターのカリキュラムに加えて、“Do for Others”の精神を育むのが先進的なボランティア活動だ。ボランティアセンターを全国の大学に先駆けて開設し、学生の自主性や実行力、他者を思いやる心を育んでいる。また、本学に設置されたNPO「JUNKO Association」では、明治学院大学在学中に東南アジアでのボランティアを志しながら、交通事故で亡くなられた高橋淳子さんの遺志を継ぎ、ベトナム、ミャンマーに「JUNKOスクール」という学校をつくるなどさまざまな活動を行っている。本年は「JUNKOスクール」の第1期生を留学生として迎え入れた。
「“Do for Others”を実践する学生や卒業生こそ本学の誇りであり、何よりの喜びです。明治学院大学の教育は、創立時の精神が大切に受け継がれています」