大学プロジェクト【福祉】実践的な福祉の専門家を育成


 社会福祉士(ソーシャルワーカー)とは、国家資格で認められた福祉の専門家で、生活上の問題をもっている人々に対して生活の質を高めるための支援を行っている。これまでは、高齢者・障害者・児童向けの施設を中心に活動していたが、近年ではニーズの多様化・高度化が進み、学校や、病院、市町村など、多様な職場で社会福祉士が持つ知識や技術が求められている。日本社会福祉士養成校協会の白澤政和さんは、その背景をこう語る。
 「医療ソーシャルワークや、不登校・虐待といった子どもの課題に対応するスクールソーシャルワークなど、社会福祉士のニーズは日ごとに高まっています。働く場も増えており、行政にも社会福祉士が数多く配置されるようになってきました。今後は、一般企業のメンタルヘルスなどにも、活躍の場が広がると予測されます」


 社会からのニーズの高まりを受けて、社会福祉士には、これまで以上に生活を支えるための高い実践力が必要となる。昨年行われた社会福祉士の制度改正では、実践力を高める教育内容が義務づけられており、各福祉系大学では、少人数でのきめ細やかで、充実した実習・演習体制が整えられた。
 「法改正や教育機関の取り組みによって、胸を張れる教育基盤が整ったといえます。誰もが快適に暮らせる社会にしていくために、各福祉系大学の特性を生かした教育のもと、社会に貢献しようという気概をもった人材を育みたいですね」
 白澤さんの言葉は、社会福祉士の教育体制への手応えを感じさせる。これからの日本を支えるうえで欠かせない福祉の専門家を──これから社会へと羽ばたいていく若き社会福祉士に、大きな期待を感じずにはいられない。


金城大学
【学部・学科】


【問い合わせ先】
金城大学 入試広報室
〒924-8511 石川県白山市笠間町1200(金沢市南郊) 
TEL0120-276-150
FAX076-275-4316
【E-mail】daigaku@kinjo.ac.jp
http://www.kinjo.ac.jp/
 
淑徳大学
【学部・学科】

総合福祉学部(社会福祉学科、実践心理学科、人間社会学科)/国際コミュニケーション学部(人間環境学科、経営コミュニケーション学科、文化コミュニケーション学科)/看護学部(看護学科)
【大学院】
総合福祉研究科(社会福祉学専攻、心理学専攻)/国際経営・文化研究科(国際経営専攻、国際文化専攻)
【問い合わせ先】
総合福祉学部・看護学部
千葉アドミッションオフィス
〒260-8701 千葉県千葉市中央区大巌寺町200
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国際コミュニケーション学部
みずほ台アドミッションオフィス
〒354-8510 埼玉県入間郡三芳町藤久保1150-1
TEL049-274-1506
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東北福祉大学
【学部・学科】

総合福祉学部(社会福祉学科、社会教育学科、福祉心理学科)/総合マネジメント学部(産業福祉マネジメント学科、情報福祉マネジメント学科)/子ども科学部(子ども教育学科)/健康科学部(保健看護学科、リハビリテーション学科〈作業療法学専攻・理学療法学専攻〉、医療経営管理学科)/通信教育部(社会福祉学科、福祉心理学科)
【大学院】
総合福祉学研究科(社会福祉学専攻 博士課程・修士課程、福祉心理学専攻 修士課程)/通信制大学院総合福祉学研究科(社会福祉学専攻 修士課程、福祉心理学専攻 修士課程)
【問い合わせ先】
東北福祉大学 入試センター
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【E-mail】wmaster@tfu-mail.tfu.ac.jp
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日本福祉大学
【学部・学科】
社会福祉学部(社会福祉学科、保健福祉学科)/経済学部(経済学科)/福祉経営学部(医療・福祉マネジメント学科)/健康科学部(リハビリテーション学科《理学療法学専攻、作業療法学専攻、介護学専攻》、福祉工学科《健康情報専攻、バリアフリーデザイン専攻》)/子ども発達学部(子ども発達学科《保育専修、初等教育専修》、心理臨床学科)/国際福祉開発学部(国際福祉開発学科)/通信教育部
【大学院】
社会福祉学研究科/福祉経営・人間環境研究科/国際社会開発研究科/福祉社会開発研究科
【問い合わせ先】
日本福祉大学 入学広報課
〒470-3295 愛知県知多郡美浜町奥田
TEL0569-87-2212
FAX0569-87-5849
http://www.n-fukushi.ac.jp/

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 金城大学では、「人が人を育てる」をモットーに、学生の専門性と人格を育てるカリキュラムが行われている。金城大学社会福祉学部の岡森正吾教授は同大学の特長をこう語る。
 「福祉にかかわる人材には、子どもから高齢者まで、それぞれが抱える問題の本質を理解する力が求められます。人間関係が希薄になっている都心部と比べて、本学では、地方であるがゆえに地域との密着度が高い。学生が地域の皆さんとともに苦しみ葛藤する『臨床キャンパス』環境があるのです」
 地域でのボランティア活動に単位を与える取り組みや、地域の高齢者などが参加して行う演習、石川県を中心に全国130カ所以上の各種施設で行う学外実習はその言葉を裏づけるものだ。学生は、授業で学んだ知識を確認するとともに、人と触れ合う現場の学びを通じて、福祉の専門家としての人格基盤を確かなものにしている。

 
 医療に深くかかわるコ・メディカル(※)としての資質向上にも尽力している。金城大学では、社会福祉士とともに介護福祉士の資格を取得できるコースを設置。入浴、機能訓練など独自の実習施設の充実ぶりにも目を見はるものがある。
 「社会福祉士は医療行為を行えませんが、働く場は医療や介護の場です。これからは、専門分野を支えるための知識も必要なのです」
 昨年からスタートした「医療健康学部理学療法学科」は、社会福祉や地域リハビリテーションの現場でも活躍できる理学療法士の育成を目指し、同じく昨年開設の「社会福祉学科こども専攻」では、福祉を通して子どもを育む社会福祉士、幼稚園教諭、保育士を育成することを目的にしている。金城大学が考える理想の人材像を岡森教授に聞いた。
 「福祉政策の主導は中央から地方に変わりつつあります。それぞれが所属する地域の特性を考慮し、問題を提示・解決し、福祉を主導するリーダーを育てたいと思っています」
 金城大学には全国から福祉の道を志す学生が集う。日本の福祉を担う人材がここから羽ばたいていく。

※コ・メディカル…医師が決定した診療方針にそって連携し業務を行う医療スタッフ


 
 福祉系単科大学の先駆けとして1965年に創設された淑徳大学。現在は3学部で構成され、社会に尽くし、「福祉の精神」を備えた総合的な人材育成に取り組んでいる。長谷川匡俊学長は、掲げる福祉の概念をこう語る。
 「人は他者とのかかわりで成り立つものです。本学では他者を思いやり、共に生き成長していく『利他共生』を教育の柱に据えています。他者を思いやる行為の根本には、『その人が何を求めているか』を想像し、実行する力が求められます。これらの能力を備えることで、福祉だけにかぎらず、教育や環境、経営や文化など多くの分野で活躍できる人材育成を目指しています」


 理想の人材育成を実現するために、淑徳大学がとくに力を入れているのが「実践で学ぶ教育」だ。企業や行政、地域でのインターンシップを強化したのをはじめ、昨年4月にオープンした福祉関連施設「淑徳共生苑」での、参加型実習も充実している。
 「座学も重要ですが、それだけでは知識を現場に結びつけられません。本学では、高齢者向けの施設をはじめとして多様な実習拠点を整備し、そこで学生の実践力を高めたいと考えています。学生独自のボランティア活動も活発で、施設を利用する方からも好評なようです」
 長谷川学長が語るように、施設の見学を基礎科目に組み込むなど、同大学では学んだことを生かす「現場」を見据えた教育が行われる。さらに自治体や地域と連携した社会貢献活動なども活発で、商店街の空き店舗を利用した「高齢者と子どもの居場所づくり」や地区社協と看護学部協働による「健康相談活動」などさまざまな取り組 みが行われ、社会に貢献しながら学べる「サービスラーニング」の創出にも余念がない。同大学が用意する各種の取り組みは理想的な学びの循環を生んでいるようだ。


 人間形成と知識を定着させる実習の充実を図る淑徳大。そのうえで欠かせないのが、きめ細やかな「一人ひとりを見つめた教育」だという。学生個人の習熟度や課題を一覧できる「学習ポートフォリオ」や、1年次からのキャリアサポートはその表れだ。
 「福祉や教育には資格・免許が必要であり、その進路を志し、大学で学ぼうとするなら明確な目的意識が必要です。情熱をもって入学してくる若者の夢を失わせないように、個別指導にも力を注ぎます」
 長谷川学長の言葉は、受け入れた学生を支え続ける決意を感じさせる。介護やソーシャルワークなど「福祉」にかかわる行為や名称はさまざまだが、その目的は社会を構成する人を支えることだ。淑徳大学の教育は、「福祉」の根本を体現するものだといえよう。


 東北福祉大学は4学部9学科を擁する総合大学だが、きめ細やかな教育にも定評がある。各学科では、学生の多様なニーズに応えるためにコース制を設け、学生一人ひとりの目標達成のために履修モデルを作成。さらに社会の変化や時代の要請に応えるべく副専攻制を整えている。
 同大学の特色の一つは、実践教育の場がキャンパスに点在していることだ。今年完成したばかりの「東北福祉大学せんだんホスピタル」をはじめとした高齢者・子ども向けの福祉施設や、産学協同研究施設など、多くの臨床・研究の場が設けられている。これらは建学の精神である「行学一如」を具現化したもので、社会が求める専門知識と実践能力を養うことができる。こうした施設は積極的に地域に開放され、知の発信による地域貢献で大学のあるべき姿を示している。
 「人間として生きる力」の養成にも力を注ぎ、1年次からのキャリアサポートや講義への初年次教育も充実。さらに、情報化社会を見据え、新入生全員にパソコンを貸与するなど21世紀を支える人材育成が進む。美術工芸館や音楽堂など感性を刺激する施設も充実しており、豊かな感性を育みながら、理論と実践を高いレベルで調和できる環境が整っている。

 
 東北福祉大学の優れた人間教育・実践教育は、今年から新設された「健康科学部・リハビリテーション学科」でも発揮されている。ここでは、拡大するリハビリテーション・ニーズに応えるべく、作業療法士・理学療法士を育成。作業療法学専攻では、リハビリ対象者の生活と精神に密着した問題解決能力を養い、理学療法学専攻では、身体機能の理解を深め運動療法などの治療学を学ぶ。学生たちは、それぞれの目指す進路に応じて人体構造の基礎や、疾病と障害の成り立ちを理解し、関連福祉施設における臨床実習でその知識を深めていく。

 
 教育・地域貢献への取り組みも充実しており、文部科学省が選定するGP(優れた取り組み)にも、6件が採択されている。今年度から実施された「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」では、情報通信技術を活用し、重度障害をもつ人のコミュニケーションを支える人材育成を行う「重度障害者ICT支援コーディネータ育成」が“教育過程の工夫改善を主とする取組”に認定。北海道・東北地区の私立大学で唯一の「教育GP」採択校となった。
 大学時代は自らの可能性を広げ、明日の自分を具体化する貴重な時間。だからこそ、大学選びは慎重に考えて行うべきだ。11月2日(日)に行われる大学祭と同時にオープンキャンパスが開催され、12月21日(日)には、高校1・2年生を対象としたオープンキャンパスも実施される。東北福祉大学の教育環境を自分の目で確かめてはどうだろう。


 
 福祉系大学と呼ばれる大学は全国に数多いが、その中にあって、福祉の総合大学として独自の存在感を放っているのが、日本福祉大学だ。1953年に中部社会事業短期大学として開学し、1957年には日本で最初に4年制の社会福祉学部を開設、日本福祉大学と改称して今日に至っている。社会福祉の単科大学としてスタートした日本福祉大学は、半世紀を超える歩みの中で、時代と社会の要請に応えて、着実に分野を広げ、現在は、6学部9学科で構成される総合的な大学となっている。六つの学部は、それぞれ独自に人材育成の目標を掲げているが、そのすべてに共通して流れているのは、「万人の福祉のために、真実と慈愛と献身を」という教育標語だ。「『人間の幸せ』を意味する『福祉』ということばは、広い意味を持っています。その広い福祉という概念の中に専門領域の一つとして社会福祉があります。本学は、社会福祉を中心にしながら、『人間の幸せ』を、いろいろな専門領域から学び、考えようとする『福祉の総合大学』です」と宮田和明学長は語る。

 
 半世紀を超える歴史と伝統に支えられた「社会福祉学部」を中心とし、「福祉」を共通の基盤としながら、日本福祉大学の各学部は、それぞれに魅力的な特色を誇っている。「経世済民」ということばのように、すべての人の幸せを求める「経済学部」は「社会福祉学部」に次ぐ歴史をもつ。2003年に開設された「福祉経営学部」は、医療、教育を含む非営利の団体・機関の経営という新たな領域の開拓に取り組んでいる。幼稚園教諭と保育士の二つの資格に対応し、臨床心理学の立場から子どもの発達の問題に取り組む「こども発達学部」、国際化の時代にふさわしく、海外でも活躍できる実践力を育てるため、国際的な機関・団体での豊富な現場経験を持つ教授陣をそろえた「国際福祉開発学部」。半田キャンパスの情報社会科学部は、新たにリハビリテーション学科を開設し、理学療法士・作業療法士・介護福祉士の養成に取り組むことになり、学部名称も「健康科学部」と改められた。情報社会科学部の蓄積を引き継ぎ、福祉の“ものづくり”に力を入れる福祉工学科も注目を集めている。入学してからの学びの中で具体的にやりたいことを見つけ、進路を固めていくことができるのも、幅広く人間の幸せを追究する福祉の総合大学ならではといえるだろう。
 
 55年の歴史の中で、全国に送り出した卒業生は6万人に達する。全都道府県に支部(地域同窓会)を持つ同窓会の結束が固く、卒業後の進路を考える際にも、後輩にとっては大きな支えとなっている。感動的な出会いに満ちた福祉の領域は、少子高齢化が進む中で、ますます必要とされ、発展が期待される。この「風」に乗って、未来を切り拓いていくことは、若い世代の大きな生きがいとなるだろう。

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