大学プロジェクト【薬学】:薬学が支える未来の医療


 少子高齢化や難病に立ち向かえる社会づくりに欠かせないのが、薬のプロである薬剤師だ。
 もともと投薬の権利がなく、創薬の専門家として社会に貢献してきた薬剤師だが、「医薬分業」が進むなかで、臨床にかかる実践的な能力を備え、医師への的確なアドバイスで「チーム医療」に貢献できる薬剤師が求められるようになった。一昨年には薬剤師法が改正され、薬剤師の国家資格取得に6年間の教育を受けることが必要となったほか、がんや感染症といった特定の病気に特化した薬剤師の育成が急務とされるなど、その傾向はますます顕著になっている。
 さらに、医療法の改正で薬局と医師が連携した自宅への訪問医療が可能になるなど、活動範囲が大きく広がっている。薬剤師は国民の健康を根底から支える存在として、活躍を期待されているのだ。


 そんななか、各薬科大学は社会からの要請に応えようと、さまざまな教育改革に努めている。より専門的な臨床薬学教育に加えて、患者の気持ちになった職務への姿勢、現場で生きる知識を育てるための実習も取り入れ、医療に携わる者としての人格やコミュニケーション力を備えた人材を育もうというのだ。
 同様に、4年制教育で育成される人材も、医療の発展に欠かせない。治験や、特定保健食品、サプリメントの開発など、活躍の場は広がっており、薬学界を発展させるための優れた研究者が必要とされているからだ。
 6年制と4年制を合わせた総合的な教育が、これからの医療を、健康な社会をつくっていく。薬科大学は、未来を担う薬学の拠点となるべく改革にまい進する。


昭和薬科大学【学部・学科】
薬学部 薬学科(6年制)
【募集人員】

240名
【選抜方法】
推薦入試(指定校制・公募制)
A方式(センター試験)
B方式(個別試験)
C方式(センター試験+個別試験)
【問い合わせ先】
昭和薬科大学 入試課
〒194-8543 東京都町田市東玉川学園3-3165 
TEL042-721-1512(直通)FAX042-721-1588
http://www.shoyaku.ac.jp/
 
東京薬科大学【学部・学科】
薬学部(6年制) 医療薬学科・医療薬物薬学科・医療衛生薬学科
生命科学部(4年制)分子生命科学科・環境ゲノム学科
【選抜方法】
薬学部
推薦入試一般公募制
※(社会人・帰国生徒)
AO入試
一般入試[A方式(センター試験)・B方式(本学試験)]
生命科学部
推薦入試一般公募制
※AO入試(実験AO・研究AO)
一般入試[A方式(センター試験)・B方式・C方式(本学試験)]
※一般公募制は専願・併願がございます。
【問い合わせ先】
東京薬科大学 入試課
〒192-0392 東京都八王子市堀之内1432-1
TEL042-676-5112
http://www.toyaku.ac.jp
 
東北薬科大学【学部・学科】
薬学部
(薬学科=6年制、生命薬科学科=4年制)
【募集人員】
薬学科330名
生命薬科学科50名
【選抜方法】
推薦入試(公募制・指定校制)
一般入試(前期・後期)
入試センター試験利用入試
(前期・後期)
【問い合わせ先】
東北薬科大学 入試課
〒981-8558 宮城県仙台市青葉区小松島4-4-1
TEL022-234-4181
FAX022-275-2013
http://www.tohoku-pharm.ac.jp
 
明治薬科大学【学部・学科】
薬学部 薬学科(6年制)300名
生命創薬科学科(4年制)60名
【選抜方法】
推薦入試(指定校制・公募制)
センター試験利用入試(A方式)
一般入試(B方式前期・後期)
センター試験・個別試験併用入試(C方式)
【問い合わせ先】
明治薬科大学 入試チーム
〒204-8588 東京都清瀬市野塩2-522-1
TEL042-495-5061
FAX042-495-8925
http://www.my-pharm.ac.jp

トップページへ

 


 
 深く幅広い知識を備え、患者を思いやるヒューマニズム精神を併せ持った薬のプロフェッショナルを──それが昭和薬科大の人材育成における信念だ。
 「チーム医療の推進が叫ばれ、医薬分業が進む現在、がんや感染症に代表されるように、より専門に特化した人材育成が国家レベルで進んでいます。また、地域薬局においても、在宅医療や介護に“かかりつけの薬剤師・薬局”が積極的にかかわっており、薬剤師にはこれまで以上に高度な専門性と患者さんの心の痛みがわかる人間性が求められています。本学では、現代社会が求める薬のプロを養成すべく、全人的な教育を行っています」
 伊賀立二学長が語るように、同校では、薬学教育を基盤に、医療薬学を強化すべく一昨年から6年制一貫教育を開始。チーム医療が進む現場を想定し、充実した実務実習環境のもと学生を育んでいる。

 
 他大学に先駆けた実習の強みとなっているのが、神奈川県下に四つの附属病院・関連病院を持つ聖マリアンナ医科大学との強い連携体制だ。高度先進医療の現場で、学生は薬剤師の役割と責任を目の当たりにし、患者と接しながら、学ぶことができる。2年後に予定されている実務実習を見据え、同医科大学構内に、昭和薬科大専用の教室などを設置。学生を教育する薬剤師も常駐する。
 また、学内の実習設備も整いつつあり、2006年のモデル薬局・病室設置に始まり、今年も無菌製剤室、調剤・製剤室が完成したばかり。さらに09年春には、スモールグループディスカッションやPBL(問題解決型授業)に対応する小中教室が充実し、ハイテクリサーチセンターなどの最先端研究施設を備えた第2講義棟も完成する。
 「聖マリアンナ医大病院を中心とした病院実習体制の充実をはかります。さらに多様な実習施設には最新のシステム・機器をそろえ、病院や薬局で活躍する現役薬剤師が実習指導に参加するなど、より質の高い薬学のプロを育成する環境が整いつつあります」
 実践的な医療薬学教育の強化で、医療人としての知識・技能・態度を育み、充実した基礎教育で解析・判断力を養う。また、6年制教育を修了し、薬剤師の資格取得後もさらに高度な教育研究を目指す人のために、大学院の設置準備を進めており、研究者の育成にも意欲的に取り組む。

 
 78年の歴史を誇る昭和薬科大は、卒業後の進路にも強みがあり、医療・医薬品に限らず、食品、化学、化粧品、公務員など、学生の進路は多岐にわたる。
 「本学は、女子学生が自ら資金を集め発足に至った大学で、その根底には自主・自立の精神があります。主体性をもった卒業生たちは、すばらしい実績を残し、大学を中心に強固なきずなが生まれています。医療人を志す強い意欲と向学心があれば、夢を結実させる環境がここにあるのです」
 先進的な教育体制と築き上げた伝統。昭和薬科大の進化は続く。


 
 医薬分業が進み、薬剤師が患者と接する場面が増えるなか、ますます求められているのが、コミュニケーション能力だ。「何よりも大切なのは医療にたずさわる者としての心構え。『人のために尽くしたい』という強い信念と相手への思いやりが必要不可欠です」と長坂達夫学長。その思いが如実にあらわれているのが、平成19年度、文部科学省の「学生支援GP」に採択された「人間知を育む相互交流プログラムの展開」だ。副題に「異世代や多様な価値観を包含する状況の創造」とあるように、世代交流や地域交流など五つの体験型プログラムを通して、専門知識の習得だけでなく、人間としての生きる力や知恵を育成するのが目的だ。
 「実験や実習を通して身につく『技術』、授業や読書を通して得る『知識』、あいさつや思いやりといった『態度』が教育の三本柱になりますが、これだけでは不十分。この三要素を組み合わせて実行する『応用力』こそ、社会に出たときに重要となるのです。さまざまな人間関係のなかでもまれながら、自ら問題を見つけ、解決していく力をつけさせるのが、最大の狙いです」

 
 同学の強みは、最大・最古の私学薬学部として、創立128周年の歴史に培われた実績とノウハウにある。平成20年3月の薬剤師国家試験の新卒受験者の合格率・合格者数ともに全国の国公私立大学で1位に輝いた。また、3万人以上にのぼる卒業生は薬剤師のほかにも、製薬会社、食品・化学・化粧品分野の企業や研究所など多岐にわたる分野で活躍。そのネットワークを生かして、卒業生による講演会「せんぱい最前線」や、「キャリア講演会」「インターンシップ」などを実施している。平成17年には薬科大学として初めて「キャリアセンター」を設立し、単なる就職支援にとどまらず、一人ひとりの将来の生き方をデザインするとの考えのもと、個別進路相談や模擬面接などきめ細やかなサポートを行っている。
 一方、4年制の生命科学部では、本年度からコース制を採用し、新たに「生命医科学コース」をスタート。薬学部や他大学医学部との連携を強化し、総合的な研究活動を展開する。出産や育児などによりキャリアが中断した生命科学を専門とする研究者を対象とした「学び直しのためのバイオキャリア講座」も開講し、平成19年度の文部科学省「社会人学び直しGP」に採択されている。
 ソフト面と共に、ハード面の充実もはかる。薬学部、生命科学部の増員に伴い、最新の実習設備がそろった薬学部の新拠点「教育5号館」が今年8月に完成したのをはじめ、既存施設のリニューアル、増築を行い、平成22年3月までに完成する予定だ。
 「一人ひとりの個性を生かす『学生第一主義』の教育を行っていきます」と長坂学長が強調するように、アットホームな雰囲気のなか、勉学と人間形成の両面から成長できる環境がそろう。


 
 1939年の創立以来、東北・北海道地区の薬学教育をリードしてきた東北薬科大学。薬学と生命科学の知識を生かし幅広い分野で活躍できる人材を育む「生命薬科学科」(4年制)と、医療の現場で活躍できる質の高い薬剤師を養成する「薬学科」(6年制)を併置している。高柳元明学長は、同大学の人材育成をこう語る。
 「薬学に携わるならば、専門的な知識や技術を習得するだけでは、社会からの期待に応えることはできません。本学では、自ら学ぶ強い意志、そして患者さんを思いやる柔らかな心を備えた人材の育成を目標としています」
 医薬分業が進むこれからの医療では、専門家として向上心が常に必要であり、生命・健康にかかわる領域だからこそ患者さんの心に共感できる人間性が問われている。

 
 来年、創立70周年を迎える東北薬科大学では、教育環境の充実に向けたキャンパス整備が進んでいる。
 2006年に完成したばかりの教育研究棟“VERITAS(ウェリタス)”には、模擬薬局や病室を備えた臨床薬剤学実習センターや、学生教育や生涯教育をサポートする薬学教育センターなど最新の設備が配備され、医療現場を見据えた教育が行われている。
 この教育研究棟には、先進的な研究施設も多く、同大学で展開するライフサイエンス分野の中核を担う「分子生体膜研究所」などが設置されている。そして、文部科学省の私立大学研究高度化推進事業に選定されているハイテク・リサーチ・センター、学術フロンティアなどを中心に、新たな治療薬の開発に尽力するなど、最先端の薬学・生命科学研究も活発だ。
 08年には、図書館・情報センターと学生ホールがすでに完成し、より充実した学生生活がおくれるよう工夫がなされている。
 「“明日の薬学”に貢献できる人材を育成する場をめざし、常に快適で質の高い学習・研究環境を整えています。多くの優れた研究成果も生まれているように、本学の取り組みは着実に実を結んでいます」
 最先端の環境整備は学生の才能を伸ばすのに大きな力となる。創立70周年を機に、基礎薬学・医療薬学を両輪とした教育・研究のさらなるレベルアップが計画されているようだ。

 
 古くから、東北・北海道地区に根ざしてきた東北薬科大学では、人材育成・研究に加え、高校生向けの公開講座や、地域での生涯学習セミナーを通じた社会貢献活動も頻繁に行われている。
 「薬学と生命科学は21世紀において社会に最も貢献でき発展性のある学問分野だと思っています。教育・研究はもちろん、社会に向けて正しい薬の知識を啓蒙することも、そのひとつ。あらゆる面で社会に開かれ、評価される大学でありたいですね」
 来るべき高齢化社会において薬科大学が担う責務は大きい。東北薬科大学は、あらゆる面で社会からの要請に応え続けている。


 
 薬学教育6年制がスタートした2006年から、6年制と4年制の二つの学科を併設し、きめ細かい教育をさらに充実させた明治薬科大学。「6年制の薬学科は、薬剤師国家試験受験資格に必要な5カ月間の実習に加え、独自の研修カリキュラムとして『7つの特別実習コース』による最長6カ月のコース別実習を設定し、将来の目標に合わせて学ぶことができるのが大きな魅力。また、病む人の心を理解できる柔らかな心と臨床能力を育む早期体験学習から電子カルテシステムを活用した学習までが、特色ある優れた教育プログラムとして平成18年度文部科学省『医療人GP』に選定されるなど、これまでにない全く新しい薬学教育を積極的に取り入れています」と久保陽徳学長は話す。4年制の生命創薬科学科は、大学院進学を視野に入れ、大学院との早期連携、独自カリキュラムに組み込まれた少人数制授業を行うなど、生命科学と創薬化学に貢献できる高い知識と技術、問題解決能力を備えた研究者を育成する。

 
 「大学の責任は入学から卒業、卒業後の生涯教育に至るまで一貫して質の高い教育を提供し続けることであるというポリシーのもと認定薬剤師研修制度を創設し、本学卒業生のみならず他大学出身の薬剤師の方を含めて広く生涯教育に取り組んでいます。卒業後に薬剤師、医療人として働くときにも面倒をみることが本学の使命なのです」と久保学長。薬剤師に求められる最新情報やスキルアップ、漢方などがテーマの「薬剤師生涯学習講座」、薬物治療の入門講義が都心のサテライトキャンパスで受講できる「大学院臨床薬学特論講義」、医療現場の最前線で活躍中の講師陣による最新情報を交えた講義が高い評価を得ている「連携大学院・医療薬学特論公開特別講座」を休日や夜間に開講している。
 
 明治薬科大学は106年の歴史の中で常に日本の医療と国民の健康維持に貢献する人材を輩出し、薬学教育のさきがけとしての実績を築いてきた。文部科学省による財政支援のもと順天堂大学医学部が中心となって質の高いがん医療の専門医や薬剤師を養成する「がんプロフェッショナル養成プラン」へ参加し、がん専門薬剤師を目指す社会人薬剤師や将来がん専門薬剤師を目指す大学院生の教育を支援する取り組みもその一例である。
 また、その輝かしい実績は、6年連続で薬剤師国家試験合格率全国トップ10入りをキープし続けていることや高い就職率にも表れている。
 来年3月には模擬薬局や実習室を備えた「総合教育研究棟フロネシス」が完成予定。「倫理の思慮分別をもって、全体の善のために最適な判断・行為ができる実践的知恵」を意味するその名は、同大学が育成する人材像を象徴するものだ。
 明治薬科大学は、新時代の薬学教育を常にリードし続けていく。

asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク | 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ

Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.