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社会人インタビュー Vol.25

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ビジネスを多方面から捉える170科目を開講。
学生発の“起業部”も発足!

 明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科は明治大学ビジネススクール(通称MBS)とも呼ばれ、マネジメントからマーケティング、ファイナンス、リアルエステート(不動産)、アカウンティング、グローバル複合領域まで、ビジネスを多方面から捉えるため、170科目にも及ぶ開講科目をラインナップ。最近は学生が主体となった起業支援も活発化している。そのリーダー役の床鍋義博さんは「クラスメートとの会話がきっかけですが、今後はMBSの際立った特長の一つになると思います」と語る。

明治大学専門職大学院
グローバル・ビジネス研究科
床鍋義博さん

(プロフィール)
1964年北海道生まれ。明治大学法学部卒業後、不動産会社や法律事務所などを経て、現在はパソコンなどの通信販売「PCボンバー」を運営する株式会社アベルネットに勤務。2009年明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科に入学。

 
――入学動機を教えてください。
現在勤務しているのは、パソコンなどの通販会社として設立後12年、従業員の平均年齢も30歳という若い会社です。そのなかで私は総務・人事からシステム管理まで行ういわば“何でも屋”。ポジションは社長室長的な位置で全社的な視野が必要なのですが、法学部出身なので経営やマーケティングの知識が足りない。それを補強したいというのが入学動機です。
明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科(以下、MBS)を選んだのは、母校であり、勤務先からのアクセスが便利ということもありますが、オープンキャンパスの際に研究科長の上原征彦教授の模擬授業を聞き、「これは面白い!」とほぼ直感的に入学を決めました。さらに、上原教授のプロフィールを調べてみたら、通販に関するマーケティングの第一人者と知って、「この先生の指導をぜひ受けたい、受けなければならない!」と強く思いました。
――受験準備はどのようにしましたか?
MBSの選抜試験は学習計画書を含めた書類審査と面接でした。対策としては、面接の前に、MBS教授陣の著書を一通り読んでおきました。一般の書店に並んでいる入門書的なものではなく、論文や学術書です。正直言って、楽に読めるような内容ではありませんが、入学後は理解していかなければならないレベルですからね。これはマーケティングだけでなく、ファイナンスなどほかの分野でも同様だと思います。
 
――基本的な1週間のスケジュールを教えてください。
1年次は日曜日以外は毎日通学していました。私の場合、通勤時間が1時間20分かかるので、朝は7時に起床、仕事は9時半から午後6時半。その後、2コマ授業を受けて、電車に乗って家に着くのが11時40分。風呂と食事を済ませ、録画していたニュースを早送りで見て、予習・復習をして寝るのはだいたい3時か4時。土曜日は10時過ぎに登校。3、4コマ授業をこなして、帰宅。
2年次は週3、4回と通学回数は減りましたが、修士論文の指導や興味ある科目を聴講しに来ています。学費はけっして安くないですから、大学の知的資源は存分に使わせていただこうと思ってます(笑)。
――興味深い科目を挙げていただけますか?
MBSの特長は開講科目が170もあることで、私もできるだけインプットしようと、1年次にはマーケティング分野を中心に年間履修単位数の上限(36単位)まで取りました。その中で最も印象深かったのは上原教授の『戦略マーケティング』です。ひと言で言えば、マーケティングとは何かを考えていく授業なのですが、例えば、日本のように成熟した市場なら、単に低価格のものよりも、環境に配慮した製品が選ばれることが多い。こうした消費者心理まで含めたマーケティングが必要であることや、従業員が何を求めて働いているのか、組織や人の動かし方まで意識した戦略が重要であるということを理論とケースで学んでいきます。まず、戦略があり、それに基づいた製品開発が行われ、市場に出して業績を上げる、あるいは失敗する。そのケースを分析するわけです。授業では缶コーヒーや洗濯機など身近な例を上げていくので、とても分かりやすい。ビジネスパーソンにはぜひ受けていただきたい科目です。
次に野田稔教授の『組織行動論』と『マネジメント入門』。野田教授はNHKのニュース番組でキャスターを務めているだけに、話が本当に面白い。非常に熱い語り口で、90分があっという間に過ぎていきます。組織には様々な人がいて、中には仕事へのモチベーションが低い人もいる。それでも全員をまとめあげ、結果を出していかなければなりませんが、そこで何が必要なのかを考える授業。と同時に、野田教授自身が強いリーダーシップを備えている方なので、その姿を見ているだけでも多くを学べます。
多様な科目があるのですが、起業やアントレプレナーシップに関するものが少なく、また実践的なものが不足していると感じていました。そこで、MBS初の部活となる“起業部”を創設したのです。
――“起業部”の設立のきっかけと活動内容は?
あるとき、若い友達に「将来、何をしたいのか」と聞いてみたら、「実は起業したい」というんです。資金的にはベンチャーキャピタルを利用できるし、日本は起業しやすい社会である、などと私なりの知識を伝えたのですが、それだけでは起業できませんよね。であれば、いっそこれを“部活”にして、彼らの起業を支援したり、その過程で起業そのものを勉強する機会にしようと考えたのです。また、私は起業こそが日本経済を盛り上げると確信しています。それに少しでも貢献したいという気持ちも強くありました。
それが1年次の冬休みの直前で、初回の参加者は20名ほど。起業を志している人もいれば、それをバックアップしたいという人もいました。その後、4月には第1号が出て、これまで3人が独立開業しています。このほかの部活としては、著名な起業家の方々をお呼びして講演会を開いたりしています。また、夏休みには実際の飲食店を題材に、どうすれば客を増やし、利益を上げられるかを分析し、店主に提案しました。いわば、リアルなケーススタディですね。
幸運にも上原研究科長が顧問に就いてくださり、事務局も協力的ですから、“起業部”の活動は後輩に引き継いでいくことができます。私も卒業後も関わっていきたいし、ここを核にしたネットワークを構築したいと考えています。この“起業部”がMBSの新しい目玉になっていくと思いますね。
――これから大学院を目指す社会人にメッセージやアドバイスをお願いします。
MBAを目指すのであれば、どこのビジネススクールでも身に付けたことは確実に仕事で役立つはずです。特に起業をしたいなら、そのきっかけ作りができ、成功への近道になります。
それから、仕事と並行して学ぶ社会人にはITを効率的に活用することをおススメしますね。私もiPhoneでノートを取り、iPadで資料をダウンロードして、通勤電車の中でレポートを作成する、ということをよくやっています。ITに強いクラスメートが便利なアプリケーションなどを教えてくれて、それがきっかけとなり交流が深まるという好循環もうれしいですよ。
床鍋義博さんの1週間のスケジュール 2010年度前期の場合