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キャリアアップを目指す「社会人のための大学院」ガイド 社会人のための大学院・専門職大学院特集

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社会人インタビュー Vol.38

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心理のスペシャリストを目指し、学部から再チャレンジ。
病院などの医療分野で活躍できるカウンセラーが目標

 跡見学園女子大学大学院は人文科学研究科に日本文化専攻と臨床心理学専攻、マネジメント研究科マネジメント専攻の2研究科3専攻を設置しており、いずれも社会人に門戸を開いている。中でも臨床心理学専攻は臨床心理士の資格が取得できる指定大学院(第1種)になっており、社会人を経て入学した戸田恵美子さんは「実績のある先生が熱心に指導してくださることと、教育関係はもちろん医療分野など、資格取得後の進路の選択肢が多様なことが特徴だと思います」と話す。

跡見学園女子大学大学院
人文科学研究科
臨床心理学専攻
修士課程2年
戸田恵美子さん

(プロフィール)
1966年神奈川県生まれ。短大を卒業後、不動産業に勤務。結婚、出産を経て、2007年に跡見学園女子大学文学部臨床心理学科に社会人入試で入学。11年、同大学院人文科学研究科臨床心理学専攻に入学。13年春に修了予定。

 
――まず、臨床心理士を目指そうと思った動機を教えてください。
結婚、出産を経て、もう一度社会に出て働くにはスキルと理論を備えたプロフェッショナルにならなくてはと考え、そのために資格を取ろうと思いました。そこでいろいろと調べていくうちに臨床心理士に行き着いたのです。ただし、この資格を取得するには日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院を修了しなければならず、どの指定大学院も入試の倍率が高いことや、ベースとして専門知識が必要であることから、最初から大学院を目指すのではなく、まずは大学の心理系学部に入って一から学ぼうと思い、跡見学園女子大学文学部臨床心理学科に社会人入試を利用して入学しました。
跡見を選んだ理由は、歴史のある伝統校であり、社会人である私でも馴染みやすい落ち着いた校風であったこと。それにオープンキャンパスに行った際にお話をうかがった臨床心理学科の先生方がやさしくて、ウエルカム的な雰囲気だったのも好印象でした。実際に入学してみても、面倒見が良く、何でもオープンに話せる先生ばかりで、すごく私に合っている環境だと思います。
――大学院の受験では、どのような準備をしましたか?
学内推薦の制度を使って大学院を受験しました。とはいえ、書類審査(研究計画書を含む)や面接だけでなく、英語や筆記試験もありましたので、しっかり受験勉強をして準備しました。
研究計画書は自分の経験を踏まえて、大学院で修得したいこと、研究したいことを説明するように心がけました。また、英語と筆記試験は過去問題や市販の問題集を使って勉強。社会人の中には英語に苦手意識を持つ方もいるかも知れませんが、大学院ごとに出題傾向がありますので、過去問題を取り寄せてそれを分析して、対策を立てれば何とかなると思います。
実は大学に在籍していた頃、兄ががんで43歳という若さで亡くなりました。兄には子どもが3人いて、その家族の気持ちを思うと本当にいたたまれず、何もできずに見ているだけだったのがとても辛かったのです。それ以来、誰もがいつかは迎える死に対して、どう向き合うべきか、そうした心のケアを仕事にしたいと、より強く考えるようになりました。
臨床心理士へのニーズが高いのはスクールカウンセラーで、当初は私もそれを考えていましたが、兄の死という経験から、病院などの医療分野で働くことも考えるようになったのです。跡見の臨床心理学専攻の教授は専門分野が様々で、学校教育にも医療にも進める幅広さも魅力だと思い、大学院進学への意欲を新たにしました。
――大学院への入学後の感想を聞かせてください。
学部時代は自分の子どもと同じ年頃の女の子と机を並べ、恋愛の話や将来などについて相談を受けたりして、結構楽しく過ごしました。
大学院は臨床心理士という目標に向かっての学びと研究の場。先生方も熱心にサポートしてくださるので、とても心強いです。
――基本的な1週間のスケジュールは?
1年次にできるだけ単位を取得して、2年次は修士論文の執筆と学外実習を中心にする、という前提で時間割を組みました。ですから、1年次は授業とその準備に追われて忙しかったです。たとえば、1週間のうち月曜日は授業がなかったのですが、次の火曜日には1限目からびっしり入っていますから、その課題(レポート)や発表の準備で前日は本当に大変でしたね。臨床心理学専攻の定員は12人なので、発表の順番がすぐに回ってきますし、発表の後には必ずディスカッションがあり、意見を述べないといけないので、それなりに準備は必要になります。でも、このディスカッションが大学院の面白さなのですよね。参加する意識、自分で何かを学びつかもうという姿勢はどの大学院でも同じではないでしょうか。
子ども2人がいる主婦ですが、それらしい役割はあまり果たせてないかも知れません。今は学業が第一で、家事は適度に手を抜いています。大学生と高校生の息子たちも、自分のことは自分でやってくれていますし、言葉にして言われたことはないですが、協力してもらっているのは実感しています。そんな家族にはとても感謝しています。
空いている時間には課題を行うことが基本で、家のことや気分転換をするのは週末に行っています。息子が手伝ってくれるので、とても助かります。
――興味深い科目は何ですか?
この専攻のカリキュラムでは、1年次の「臨床心理基礎実習」と、2年次の「臨床心理実習」「臨床心理特別実習」に重点が置かれています。どの科目も実習ですので、臨床心理士に必要な能力と知識が身に付きます。特に興味深いのは、「臨床心理実習」です。
2年次になると学内に併設されている心理教育相談所で実際にクライアントを担当するのですが、そこでの経験を元にしたケースカンファレンスを行うのが「臨床心理実習」。ですから、その場では分からなかったこと、対応に迷ってしまったことなどをテーマに学生同士でディスカッションしたり、先生から指導を受けたりして、自分を高めていくことができるのです。担当は野島一彦教授、松嵜くみ子教授、中野敬子教授。3人の先生が交代で指導してくださるので、様々な考え方に触れることができるのもメリットだと思います。
それから授業ではありませんが、学外実習で行っている、ある病院の女性専門外来での経験も非常に貴重なものとなっています。例えば、DV被害者の女性がどうやって立ち直っていくか、あるいは更年期障害に悩む女性の心のケアなど、様々なケースに立ち会い、勉強させていただいていますし、自分も早く臨床心理士になってこうした方々の役に立ちたいという思いを強くしています。
――これからの目標、抱負を教えてください。
まずは、修士論文を完成させて卒業し、臨床心理士の資格を取ることです。
修士論文では「デス(死)・エデュケーション」をテーマに、サイコ・デス・エデュケーションを枠組みとしたデス・エデュケーションのプログラム作成に取り組んでいます。「人の命には限りがある」ということを前提に考えてもらい、限りある命だからこそ、生きるということの大切さを感じてもらう内容のプログラムで、その効果研究を論文にまとめる予定です。
資格取得後は医療関係に進みたいので、現在の実習先での勉強を積み重ねて、実践力を修得していきたいですね。
――これから大学院を目指す社会人にアドバイスやメッセージをお願いします。
家庭と学業の両立は体力的にも大変ですが、思い切って行動して良かったと思っています。6年間という大学・大学院生活は長いですし、始める前はいろいろ考えすぎてしまったこともありますが、やってみると何とかなるものです。
課題や発表、テストに修士論文と乗り越えなければならない壁はたくさんありますが、人間的によりよく生きるためにも心理学を専攻して本当に良かったと思っています。
戸田恵美子さんの1週間のスケジュール 2011年度春学期(修士課程1年)の場合

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