現在位置:
  1. asahi.com
  2. 新生活応援企画
企画・制作 朝日新聞社デジタルビジネスセンター

新生活お役立ち情報

新社会人のための時間管理術(タイムマネジメント)

“学生時間”から“社会人時間”へ切り替えよう!

写真:イメージ

いよいよ社会人生活がスタート!

これから新社会人になるみなさんにまずアドバイスしたいことは、授業や飲み会などで多少の遅刻が許されていた学生時代の感覚と社会人が持つべき時間の感覚は全く違うということです。社会人生活へ向けて好調なスタートを切る最も大切なポイントは、その時間の感覚の切り替えといえるでしょう。

就職活動を通じて時間を守る大切さは多少身についているとは思いますが、社会人として時間を守るということは自分一人だけの問題ではなく、会社としての信用に大きく関わるものであるという切実さはもしかしたらまだピンときていない人が多いかもしれませんね。まだ若い新入社員ということで言葉遣いや礼儀作法の多少の間違いなどでは大目に見てもらえる面があっても、時間の問題となると話は違ってきます。最悪の場合、取引先との関係が悪化するなど致命的になるケースが多いからです。時間厳守はビジネスの常識。新入社員は仕事の面では半人前なのですから、せめて時間は厳守して周囲からの信頼を得るよう肝に銘じておくようにしましょう。

特に今は、携帯電話やインターネットの乗り換え案内の普及によって、待ち合わせ時間への感覚がルーズになっている傾向にあるかもしれません。人間というものは便利になるとついつい油断してしまいがちですが、約束時間がギリギリになると気持ちに余裕が持てず、結果的に仕事に悪影響を与えてしまうことにもなりかねません。様々なリスクを避け、心の準備を整えるという意味でも時間に余裕を持った行動を心がけるようにしましょう。

時間管理術(タイムマネジメント)のイメージを変えよう!

写真:イメージ

長年時間割というものに慣れ親しんできた学生の皆さんにとっては、時間管理術(タイムマネジメント)というと漠然とスケジュール管理の延長線にあるものというイメージを抱いているかもしれません。でも、実は時間管理術(タイムマネジメント)とスケジュール管理とは根本的に違うもの。スケジュール管理はアポイントメント(時間が決まっている仕事)のみを管理することであるのに対し、時間管理術(タイムマネジメント)とはアポイントメントとタスク(時間が決まっていない仕事)双方を管理することであるからです。例えば、学校で授業を受けるのはアポイントメント、レポートを書くことがタスクということになります。

学生時代の手帳はおそらくアポイントメントの記述中心でタスクが書き込まれることは少なかったかもしれません。あったとしてもレポートの提出日くらいで、前日にそれを見て初めてあせって着手するという人も多かったと思います。しかし、社会人になったらそうはいきません。仕事の大半をタスクが占めるようになるからです 。そのため「いつまでにタスクを仕上げなくてはいけないか」という点だけではなく、「いつからタスクに着手すべきか」あるいは「様々なアポイントメントの合間にいかに効率的にタスクを処理していくか」といった時間管理術(タイムマネジメント)の視点が重要になってくるわけです。新社会人が時間管理術(タイムマネジメント)を実践していくためには、このような「脱時間割」の視点から時間管理術(タイムマネジメント)をとらえ直す必要があると思います。


ポイントは完璧を目指そうとしないこと

写真

自分にあったタスク管理の訓練を!

仕事は学校の授業のように時間の枠では区切れないものです。突発的なトラブルや急な頼まれ事など、予想外の仕事が発生することも多い。事前に仕事量を予測することは到底不可能です。そうなると「時間管理なんてやるだけ無駄」と諦めてしまう人もいるかもしれません。

そこで、私はタスクを日付ごとに大まかに振り分ける時間管理術(タイムマネジメント)をお勧めしています。振り分け方は、細かくなりすぎても大雑把になりすぎてもうまくいきません。計画だけで仕事が終わった気になっても問題ですし、仕事に 追われること自体がストレスとなり予定通り進まないと「今日もできなかった…」と無駄に落ち込んでさらにストレスとなってしまうからです。当然、仕事の順番は当日やりながら考えてもいいですし、ある程度前倒ししたり先送りしたりと柔軟に構え、決して完璧を目指そうとしないことが大切です。ポイントは1日の時間をフルに使う計算にはせず、8割を目安で組み立てること。この調整ができるかできないかの違いが実は大きいのです。

逆にタスクが管理できないと、やることが多すぎて混乱したり、うっかり忘れたり、なかなか仕事に手がつけられなくなったりといった事態に陥ることになります。順番ばかり考えても仕事は片付きません。よく朝一番に当日のスケジュールを立てるのが良いと言われますが、仕事がたまっていて忙しい朝に心を落ち着かせて優先順位を考える作業は心理的にはすごく難しい。まずは目の前の仕事を黙々と片付けながら柔軟に次にやるべき仕事を考えていくというのが現実的な方法でしょう。新社会人の皆さんには、タスクが少ないうちから自分に合ったタスク管理の訓練をしておくことをお勧めしたいですね。

メールとは程よい距離感を持とう!

写真

近年、パソコンやインターネットの普及によって仕事のスピードそのものが昔とは比較にならない程早くなっています。便利なメールやパソコンを活用することで一つの仕事が短時間でできるようになった分、求められる仕事量も格段に増えているという現実があります。一昔前だと1日の仕事量が1本の報告書だけだったのが、今では1日に3つも4つも報告書や書類を書くことが求められています。そうした複雑なタスクを頭の中だけで管理するのは難しくなっており、現代人は自分が感じている以上に仕事に集中できなくなっているのではないでしょうか。

そして、昔と大きく違うのが頻繁に入ってくるメールの存在です。スピードが求められる現代では、いち早くメールの内容をチェックしようという意識が働いてしまうのは当然のことかもしれません。でも、作業中にメールを受信するとどうしても一旦仕事が止まってしまい、生産性は確実に落ちます。逆に、これは私も実感していることなのですが、作業中にはメールを受信しないようにすると能率は確実に上がります。特に今の若い人はメールには即返信する習慣がついているかもれませんが、仕事に区切りついた時に対応したところでなんら支障はないわけですから、仕事の生産性を優先しながら上手にメールを使いこなす習慣をつけてみるといいと思います。

以上、時間管理術(タイムマネジメント)について様々な話をしましたが、最初のうちは難しく考え過ぎず、試行錯誤をしながら自分に合った時間管理術(タイムマネジメント)を、時間をかけて見つけていってくださればと思っています。タスクを手帳に書き出すだけでも全然違いますし、自分のやれるところから少しずつ試してみてください。

新社会人のみなさんが良いスタートを切れるよう応援しています!


写真:水野 真由美
水口 和彦
(有)ビズアーク取締役社長
同社にて研修・講演・執筆・コンサルティング活動、手帳レフィルのオーダーメイドサービス等を行っている。
時間管理術研究所