住友化学では、蚊が媒介するマラリアを予防するために独自技術で樹脂に防虫剤を練り込んで作った蚊帳、「オリセットネット」をアフリカに供給しております。2005年度は、その出荷をさらに本格化すると共に、その収益の一部を使い、アフリカ諸国に小学校などの施設を建設する教育支援計画を発表しました。

 マラリアという病気については、WHO(世界保健機関)などの推定では全世界で1年間に3億人以上が発症し、100万人以上が死亡していると報告されています。また、そのうち90%はアフリカのサハラ砂漠以南の地域で発生し、しかも5歳以下の子供がほとんどです。住友化学は事業の柱の1つとして農業化学部門を持っており日本最大の農薬・殺虫剤メーカーですが、早くからオリセットネットの開発に取り組んで参りました。

 オリセットネットはWHOから認定を受けた唯一の長期残効(効き目が長く持続する)型の蚊帳です。蚊帳から有効成分が徐々にしみ出し、洗濯しても5年間は防虫効果が持続するということで、アフリカ支援にかかわる人々の間で評判となり、国際機関や世界のNGOなどから要請をうけて、増産に日々努めているところです。

 次にアフリカにおける教育支援について、ご紹介をさせていただきます。このプロジェクトはオリセットネットの製造や農薬原料の購入などで当社と関係の深いアフリカにおいて、オリセットネット事業の利益の一部で、将来に向けた発展や今後の自立に最も有効と思われる子供たちへの教育を支援するものです。世界的なNGOであるワールド・ビジョン・ジャパンさんの協力をいただき、アフリカ諸国で小学校の校舎、食堂、教員住宅等の付帯施設の建設を行っています。当社は、アフリカを単なるチャリティーの対象と見るのではなく、ビジネスを通じて貢献したいと考えています。

 このほか、当社には日本においても地域の方々との協力の下、着実に取り組んでいる活動もあります。私たちの合い言葉は「地域貢献、世界貢献、未来貢献」です。こうした思いで社会との共存共栄をはかりつつ、CSRを推進して参りたいと考えています。






 会社としてCSRに取り組み、グローバル・コンパクトの10原則を実践するには、全社員が心から共感して、毎日の仕事の中で創意工夫していくことが必要です。そのため、三井住友海上では「三井住友海上グループ行動憲章」をつくり、社員が価値観や行動規準を共有できるようにしました。

 また全国の職場で、「行動憲章ミーティング」をひらいています。このミーティングでは、「毎日の仕事で行動憲章の通りにできていないものはないか」「私たちの仕事には何が不足しているのか」「職場でできる取り組みは何か」ということを話し合っています。2005年11月のミーティングでは、自動車保険などで保険金のお支払いが漏れ、多くのお客様にご迷惑をかけた問題を取りあげております。全社員がこの問題に正面から向き合い、二度とお客様にご迷惑をおかけしないよう、二度と社会からの信頼が損なわれないよう、私たち社員一人ひとりにできることは何かを話し合いました。

 ミーティングの取り組みを続けながら、最近、社員の意識が少しずつ変わってきたと感じています。今回はその具体例を二つご紹介します。一つ目は商品パンフレットの音声化です。商品パンフレットに二次元バーコードを印刷しまして、視覚障害者や高齢者に手持ちの読みとり装置で聞いてもらえるようにしました。当社には障害のある社員がいきいきと働けるようにサポートするチームがあり、商品パンフレットの音声化は、そのチームとの意見交換をきっかけに生まれました。

 二つ目は熱帯林再生プロジェクトです。三井住友海上ではインドネシアと協同で、地球温暖化防止に一役買いたいと、野生動物の保護林の植林活動を行っています。また果樹や農作物なども植林することで、地元の人々の暮らしを潤すこともできると考えています。さらに「社員の植林ツアーを企画して、地元住民と一緒に植林作業やってみよう」といったアイデアが社員から出されました。CSRの取り組みの本質は、社員の一人ひとりが自分の仕事を振り返って、変えていくプロセスにこそあると感じています。今後もミーティングの運営を工夫しながら、取り組みを続けていこうと思っています。





 キリングループの経営理念は、「世界の人々の『健康』『楽しさ』『快適さ』に貢献する」というものです。我々のCSRを考えるとき、グループの特質を踏まえる必要があるだろうと考えています。その特質とは、(1)キリングループの商品の主原料は農産物と水であり、「自然の恵み」によって事業活動が支えられている。(2)キリングループはビールや清涼飲料、食品が主要商品であり、製造工場から出荷された姿で幅広い年齢層のお客様の手元に届くという意味で消費者と直結している。(3)キリングループはアルコール事業が今もグループの中核となっている、ということです。

 CSRの基盤にはコンプライアンスがあります。さらにCSRを推進していくにあたって、ステークホルダーとの双方向のコミュニケーションに基づいて活動を進め、社会に根ざし、社会との関係を強化していきます。また、CSRに関する考え方を社内外に表明するものとして、「キリングループCSR宣言」を策定しました。そのポイントは、「企業だけでなく社会の持続可能性にも寄与する」「食と健康を中心とした事業活動を通じて取り組む」「社会に対して誠実である」「従業員一人一人が担う」ということです。

 当社は1993年から「国連大学キリンフェローシップ」への支援を行ってきました。これはアジアにおける食糧問題の自主的解決、学術向上を目的として、毎年、国連大学が推薦する食品分野の研究員を対象に、研究支援と人材育成を行うものです。このプログラムには、帰国後2年間の研究開発費を含めたフォローアップ支援費の支給が含まれ、日本とアジア諸国との学問領域を越えた長期にわたる交流に貢献している点が特徴です。

 環境保全の取り組みにおいては、最近では環境汚染をしないという観点だけでなく、さらに広く「生態系への配慮」を行うことが求められるようになってきました。その中でも水資源に頼っている我々の重要な取り組みが、「水の恵みを守る」活動です。キリングループでは全国11のビール工場の水源地に毎年1〜2ヵ所ずつ植林とその後のフォローを行う「ビール工場水源の森づくり活動」を継続的に推進しており、来年全11工場を終えます。






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