法政大学法科大学院は、法曹教育の考え方として、アカデミズムと実務の融合をめざしています。たとえば、民法と民事訴訟法を合わせる授業を進め、実体法と手続法を有機的に学ぶことになります。そして、市民生活法曹、企業法務法曹、国際法務法曹として活躍できる人材の育成をめざしています。

 カリキュラム、科目群は法律の基礎知識と実務家法曹としての技術的知識と応用を考慮しています。企業法務、行政法務関連科目に加えて、自治体行政論などの隣接科目や、国際刑法などの先端科目が充実しています。

 1年次は法律基本科目(公法系、民事系、刑事系)を学びます。未修者へ向けて法曹としての必要な知識を修得します。2年次以降、実務基礎科目群を学び、実務法曹にとって不可欠な実践的・技術的知識を修得します。民事訴訟実務の基礎、刑事訴訟実務の基礎、法曹倫理、英文契約文書作成、ローヤリング(面接交渉)、クリニック、裁判法、国際経済紛争処理などの科目があります。
また、基礎法学・隣接科目群では法的知識の基礎とその背景となる知識を修得します。英米法、法哲学、ドイツ法、法制史、自治体行政論、アメリカ政治論、政治理論などを学びます。展開・先端科目群では最先端の法領域についての知識を修得します。
労働法、刑事政策、経済法、税法、地方自治法、知的財産法、消費者保護法、環境法、企業結合法、現代人権論、社会保障法、証券取引法、紛争解決学、倒産法、医事法、金融取引法、企業取引法、国際刑事法、経済刑法、国際経済法などを学びます。

 今年5月に、他の法科大学院に先がけてリーガルクリニック準備室(法律事務所)を開設しました。 法科大学院開設へ向けて、弁護士の指導のもとで学生が法律相談、事件内容の予備的聴き取り、事案の整理、関連法令の調査などの実務を学ぶための研修機関の役割を果たすことになります。リーガルクリニックでは、現実の事件を扱うことになるので、学生は守秘義務契約書を交わすことになります。なお、エクスターンシップは本学出身の弁護士など30の法律事務所の協力のもとで行われます。

 教員は専任21人となっています。公法、民事法系の層が厚く、刑法、刑事訴訟法も充実しています。実務家教員は7人で実力者が並びます。元裁判官2人、元検察官1人、元経済産業省事務官1人、弁護士3人という構成となっています。

 授業形態はセメスター制をとり、原則として1クラス25人(最大で50人)で行われます。ソクラティックメソッド(一問一答式)、ケースメソッドを多角的に用いて法体系を理解させ、1コマにつき2〜4時間の予習が必要な密度の濃い授業を進める予定です。また、オフィスアワーを開設して個別指導に力を入れます。学生に対する成績評価は、かなり厳しいものになるでしょう。演習科目ではティーチング・アシスタント(司法試験合格者、大学院博士課程レベル)によって、初学者が十分に理解できない分野への指導、スチューデント・アシスタント(大学院修士課程レベル)による教材開発補助など、学生が勉強する環境が整備されています。

 教材は新司法試験に対応した実践的なテキスト、文献を用意する必要があります。現在、分野ごとに幅広く国内外の大学・研究所などで資料を収集し分析、研究を進めています。一部の科目では、法学部学生を対象として実験授業を行っています。

 教育施設は、現在の市ヶ谷キャンパスにある69年館を全面的に改修して、法科大学院専用棟とします。授業、自習、教員との学習相談、判例調査、文献分析など、法科大学院生は学内で過ごす時間が長くなるものと予想されます。そこで、法科大学院生は23時まで在校できるようにします。主な施設として、教室、演習室、法廷教室、法律相談所、図書室、院生用学習スペース、学生談話室などが予定されています。全体として、バリアフリーに配慮した構造になっており、また、施設内のどこからでも学内外にアクセスできる情報端末を設置するなど、インテリジェント化、施設内セキュリティーにも配慮し、教室などへの入室は磁気カード所有者のみとするなど、施設全体を法科大学院生の専用スペースとしております。

 私たちは建学の精神を生かしながら、市民のために働くことができる法曹の育成をめざしています。
/野中俊彦・設置準備委員会委員長(談)
 
1学年100人(2年制約70人、3年制約30人)を予定している。
 
21人の専任教員のうち、実力者ぞろいの実務家教員は7人となる予定。
 
市ヶ谷キャンパスの69年館を全面改修し、法科大学院専用棟とする予定。
 
原則として昼間のみの開講。授業はセメスター制を採用し、半期で完結。
 
学費(入学金・授業料・教育充実費等を含む)は現在検討中。
 
日本育英会や法政大学の各奨学金、諸団体の奨学金などの利用を想定。
 



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