きっと迷ったとき役に立つ 医療保険・がん保険 特集
監修 ファイナンシャル・プランナー 馬養雅子さん


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迷いのモト1 医療保険は・・・・・・→入っていた方がいい? VS 入らなくても何とかなる?

 結論からいってしまえば、よほどの資産家でない限り、医療保険に入っていた方がよいでしょう。というのも、年齢、性別を問わず、だれもが病気、ケガをする可能性があるからです。しかも今後、公的医療保険制度の改革が進み、私たちの医療費負担がさらに重くなる可能性が高まっています。また、公的医療保険の対象外である費用、例えば高度先進医療や自己希望による差額ベッド代がかかったり、医療費ではないものの入院する際にパジャマやスリッパなどを購入したり、家族が見舞いに来る際の交通費や快気祝いなどが必要になるなど、公的医療保険だけではまかなえない出費があります。こうした経済的負担に備えるためにも、やはり医療保険に加入しておいた方が安心といえます。



迷いのモト2 入院給付金の目安は・・・・・・→5000円程度? VS 1万円程度?

 もし、自分が入院したとき、家計へのダメージはどの程度のものになるかを想像してみましょう。例えば、会社勤めの方であれば、入院するような事態になっても有給休暇や傷病手当金があるので、収入が激減するということはないはずです。専業主婦の場合も、ご本人が入院して家計に大きなダメージを与えることはないと思います。このような場合でしたら、入院給付金は5000円程度でよいと考えられます。一方、自営業者の方ですと、ご本人が入院してしまうと家計が大打撃を受けたり、収入が途絶えたりというケースもあるため、入院給付金を1万円程度にしておくのが一般的です。

 もちろん、入院給付金は多ければ多いほど安心感が増しますが、それに比例して保険料も高くなってしまいます。コストのかけ過ぎで、家計を圧迫しないように注意したいものです。


医療保険mini知識 知らなきゃ損!いろいろな制度に精通しましょう
 病気、ケガのときに役に立つ制度はいろいろあります。最もよく知られているのが、健康保険。原則として、医療費の3割を自己負担すれば、残りの7割が健康保険から支払われます。そして、この自己負担が一定額を超えたときに、その超過分を取り戻せるのが、「高額療養費」制度です。
 また、サラリーマンの場合でしたら、「傷病手当金」がありますし、健康保険組合によっては、独自の給付制度がある場合もあります。
 さらに、自治体によっては国民健康保険被保険者を対象に、医療機関で健診を受けたときの費用の一部を補助するなど、健康管理のための制度を整えているところがあります。
 いろいろな制度を知っていれば、医療費や健康管理にかかる費用を抑えることも不可能ではありません。公的な制度と貯蓄、そして医療保険・がん保険。3つの側面から総合的にバランスよく医療保障をとらえていきましょう。
迷いのモト3 入院寄付金は・・・・・・→日帰りや1泊2日の入院で受け取れる短期型? VS 5日以上の継続入院で5日目から受け取れる5日型?

 医療保険の基本は、長期の入院に対して経済的に備えるということ。この基本に則(のっと)れば、日帰り入院や1泊2日の入院などは、預貯金などで対応すればよいのではという考え方もできます。ただ一方で、入院期間が短期化していることを考えると、短期型にもメリットがあります。

 短期型の入院保障を付けるべきかどうかで悩むのは、保険を見直したいという方に多いようです。現在、5日型の医療保険に入っていて、手元資金にも余裕がある方であれば、短期型の保障を付けるために、既加入の医療保険を無理に見直す必要はないと思います。ただ、かなり昔に加入した保険の医療特約ですと、20日以上継続入院しないと給付金が支払われないものもあります。こういう場合でしたら、特約部分の契約内容を5日型などに変更できることもあるので、保険会社に尋ねてみるといいでしょう。


迷いのモト4 医療保険のタイプは→終身型? VS 定期型?

 年を取れば取るほど、病気になりやすく、ケガは治りにくくなるので、医療保障は高齢期までしっかりサポートするものを選ぶべきだと思います。その意味において、今まで医療保険に未加入だった方が選ぶのであれば、保障が一生涯続く終身型がよいでしょう。加入したときの保険料がずっと続くので、年齢が一歳でも若いうちに入っておくことがポイントです。

 定期型の魅力は、ほぼ同じ保障内容であれば、終身型よりも保険料が割安であることです。子どもの教育費や住宅ローンなどで家計に余裕がないけれども、医療保障を確保したい、子どもが生まれたので今ある医療保障を増強したいというときに活用すると非常に便利です。ただし、契約を更新するたびに保険料が高くなりますので、更新の際にいくらアップするのか、それを払い続けられるのかどうか、きちんと検討する必要があるでしょう。


迷いのモト5 終身型にした場合、保険料の支払いは・・・・・・→一定年齢に達したら払い込みが満了するタイプ? VS 一生涯払い続ける終身タイプ?

 保障が一生涯続く終身型の医療保険を選んだとしても、もう一つ考えるべき問題があります。それは、保険料の支払いを終身で払い続けるのか、それとも60歳とか65歳など一定年齢に達した時点で払い込みを満了させるのかということです。

 月々の保険料は終身払いの方が割安ですが、高齢期になったとき、年金収入と貯蓄の取り崩しで日々の生活を営む中で、保険料を一生払い続けるのは精神的にかなりきついと思います。精神的負担を軽くして老後を過ごしたいのであれば、一定年齢で保険料の支払いが終わるタイプを選ぶのが、賢い選択といえそうです。


迷いのモト6 1入院あたりの給付金支払い限度日数は・・・・・・→60日以下で構わない? VS 120日以上あった方がいい?

 基本的に医療保険は長期の入院に備えるもの……と前述しましたが、最近では入院日数が短期化しているのもまた事実です(表)。厚生労働省発表の平成14年患者調査における傷病分類別退院患者平均在院日数を見ると、精神及び行動の障害296.5日、脳血管疾患102.1日など長い入院生活を送るものもありますが、胃の悪性新生物39.3日、心疾患(高血圧性のものを除く)29.3日、糖尿病42.3日など、1カ月前後で退院するケースが多く見られます。

 1入院あたりの給付金支払い限度日数を120日あるいは180日など、長い期間保障するものを選べば安心感を得られますが、1入院あたりの保障期間が60日以下というものに比べ、当然保険料は高くなります。多少、コストが割高になっても長期入院に備えたいのか、コストを抑えて保障期間を短くし、不足する費用は貯蓄でまかなうのか。どちらが自分にとって合理的で納得がいくものなのか、よく考えた上で決定するようにしましょう。


表 年齢階級別にみた退院患者平均在院日数の年次推移(病院)
迷いのモト7 がん保険は・・・・・・→単品のがん保険がいい? VS 医療保険の特約でいい?

 がん保険の位置づけは、公的医療保険制度や個人で加入した医療保険だけではまかなえない費用を補う“上乗せ保障”。がんに対して保障を手厚くすることが目的なので、単品のがん保険であっても、医療保険のがん特約であっても構いません。

 むしろ気をつけたいのは、どういう状態になったら、どういう給付金が支払われるのかを正しく理解しておくことです。例えば、がん保険には90日間の免責期間が設けられており、仮に契約した翌日に健康診断を受けてがんが発見されても、保障の対象にはなりません。また、生活習慣病特約などを付けた場合でも、給付金の支払い要件が細かく規定されており、「もらえるはず」と思っていても、実際にその要件に満たなければ給付金は受け取れません。「こんなはずじゃなかった!」を防ぐためにも、契約前にパンフレットや約款をよく読むようにしてください。


まがい・まさこ/ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DCアドバイザー。資産運用、ライフプラン、保険見直しなどのコンサルティングを行うほか、マネー雑誌、書籍等の執筆やセミナー講師として活躍中。

がん保険mini知識
 がん診断給付金は、がんと診断されたときに、保険会社に請求することによって受け取れるもの。しかし、もし給付金の受取人が被保険者本人で、がんであることが本人に告知されなかった場合、がん診断給付金をはじめ入院給付金など、各種の給付金の請求を行うことができません。これでは、がん保険に入った意味がなくなってしまいます。そこで利用したいのが「指定代理人請求制度」。この制度を活用すれば、あらかじめ定めた指定代理人(家族など)が給付金の請求を行えます。


確定申告のシーズン到来!医療費控除をお忘れなく
 医療費がたくさんかかったときには、高額療養費制度によって一定額を超えた医療費が払い戻されるお話を「医療保険mini知識」でしましたが、これは市区町村の担当窓口、あるいは社会保険事務所に申請する必要があります。つい忘れたり、億劫(おっくう)だからといって申請をしなかったりすれば、払い戻しは受けられません。請求期限は診療を受けた日から2年以内なので、心当たりのある方はぜひ確認を。
 もう一つ、何となく面倒だからといってやらずに済ましてしまうのが、確定申告の際の医療費控除です。ご自身や生計を共にする家族のために支払った医療費が、1年間(1〜12月)で10万円を超えた場合、その超えた分を所得から差し引くことができ、その結果として払い過ぎた税金を取り戻せることがあります。ただし、医療保険から受け取った入院給付金や手術給付金などは、支払った医療費から差し引かなければなりません。なお、確定申告をするためには医療費などの領収書が必要です。




医療費控除は、かかった医療費そのものが返ってくるわけではありません。
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