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特集記事: 2008年3月18日 [ 週刊朝日 2008年3月28日号 掲載 ]

不快な症状を軽減し、QOLを向上させる皮膚科専門医による水虫治療

比留間 政太郎先生写真

【特別寄稿】

順天堂大学医学部附属
練馬病院皮膚アレルギー科 教授

比留間 政太郎(ひるま まさたろう)

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QOLを低下させる水虫

皮膚真菌症には、さまざまな疾患が含まれますが、中でも白癬(はくせん・水虫)は、「日本人の4人に1人は水虫、8人に1人は爪水虫」といわれるほど多いものです。水虫は、足の局所的な病気と軽視されがちですが、足はヒトの全身的な健康と深く関係しているので、患者さんにとっては深刻な問題なのです。

足白癬は、かゆみが強く、時に細菌による2次感染、皮膚炎などを伴い日常生活を著しく損なうものです。また爪白癬は、爪が黄白色に混濁し、厚く肥厚し脆弱(ぜいじゃく)化してぽろぽろとむけ、くずれてきます。それにより手の爪の場合は細かい手作業を妨げ、また足の爪では靴にあたって疼痛(とうつう)を起こすことがあり、仕事やレジャー面において患者を消極的にさせ、精神的にも強い疎外感を感じさせてしまいます。

治療は、抗真菌剤による外用療法、内服療法などがあります。近年、多くの優れた抗真菌薬の開発がなされ、これまで難治といわれてきた足白癬・爪白癬の治療も、一部の症例では完治が望めるようになってきたことは、注目すべき点です。

さらなる専門医の育成を

白癬の感染経路はヒト、動物、土壌からの直接接種感染のほかに、菌を含むあかや毛などが付着するスリッパ、浴場の足拭きマット、畳、脱衣棚などを介しての感染が想定されています。また、感染促進因子には局所的要因(発汗、表皮剥離(はくり)、間擦部位、ステロイド外用)と全身的要因(悪性腫瘍、糖尿病、代謝異常、ステロイド内服)などがあります。そのため、患部を清潔に保ち、高温多湿を避ける、家族内に白癬患者がいる場合には同時に全員が治療を行う、感染源として可能性が高い共用物は頻回に取り替え滅菌することなどが大切です。

現在、日本の医真菌学は、高いレベルにあるといえるでしょう。また日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医は、真菌検査によって皮膚真菌症を的確に診断し、適切な治療ができる、頼れる専門医です。しかし、皮膚真菌症の罹患率は年々増加しており、全人口の30%に達するため、皮膚科専門医の数は多いとはいえません。今後、専門医のさらなる育成と基礎的研究の発展、そして社会への正しい啓発活動が望まれます。

日本医真菌学会疫学調査委員会「2002年次皮膚真菌症疫学調査報告」より

比留間 政太郎 (ひるま まさたろう)

順天堂大学医学部附属練馬病院 皮膚アレルギー科 教授

昭和49年 3月 東京医科歯科大学医学部卒業
昭和53年 3月  東京医科歯科大学にて大学院医学研究科修了
昭和54年 4月  東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室 助手
昭和56年 7月  日本皮膚科学会専門医
昭和59年 6月  防衛医科大学校皮膚科学講座 講師
平成 9年 1月  順天堂大学医学部皮膚科学教室 非常勤講師
同 協力研究員(衛生学教室)
平成10年12月  順天堂大学医学部皮膚科学教室 講師
平成13年 4月 
同  14年 3月 
千葉大学真菌医学研究センター 客員教授併任
平成17年 7月  順天堂大学医学部附属練馬病院、皮膚・アレルギー科 部長
平成18年 3月  順天堂大学医学部附属練馬病院、皮膚・アレルギー科 教授
平成18年10月  日本医真菌学会理事、現在に至る

専攻領域:皮膚科学、医真菌学

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