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特集記事: 2008年5月20日 [ 週刊朝日 2008年5月30日号 掲載 ]

64列マルチスライスCT検査

【監修】医学ジャーナリスト 牧野 賢治
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技術の発展がもたらす心臓検査の最前線

CT(コンピュータ断層撮影)は、人体の周囲からエックス線を照射し、その結果を解析して、体内の画像を輪切りで描き出す。エックス線を発生させる管球と受ける検出器が装置の内部に一対設けられており、検出器が1回転する間に1枚の断層画像を撮影する仕組みとなっている。

CTの使用により、体内の多くの病変に対して、体外からの診断が可能になった。しかし、撮影時間の長さから、心臓を取り巻く冠動脈など、動きのある血管・臓器は撮影が難しいとされていた。そのため、狭心症や心筋梗塞などの診断には、大腿部や上腕部の動脈から心臓までカテーテルを通す心臓カテーテル検査が行われてきた。心臓カテーテル検査は、血圧の高い動脈からカテーテルを通すため、検査後に止血と長時間の安静を要するなど、体への負担も少なくない。この点から検査をためらう人もいるのが現状だ。

そうした中、心臓の検査も可能な最新鋭のCT機器として「マルチスライスCT」が近年開発された。検出器を複数列配置し、1度の回転で複数の断面図を撮影できるのが大きな特長だ。配置数は改良に伴い増え続け、現在では64列の装置も多くの施設で導入されている。

この64列マルチスライスCTは、検出器が1回転する間に断層画像を最大64枚撮影するため、従来のCTに比べて撮影速度が増し、撮影範囲も広がって冠動脈の検査を可能にした。検査に必要な処置は造影剤の静脈注射のみで、出血などの危険性を大きく低減できる。

CTの進歩は体への負担を最低限に抑えた検査を可能としたが、心拍数の高い場合や冠動脈の石灰化が強い場合など、適応が難しいこともあり、現状は心臓カテーテル検査に完全に代わるものではない。それでもマルチスライスCTによって従来より多くの症例で使用でき、心疾患の予防と治療に大きな効果をもたらしている。
【文/鈴木 健太】

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