最先端医療を展開する胸部・心臓血管外科
徳洲会グループは現在、63病院をはじめ、医療と福祉の施設を全国260カ所に展開している。

福岡徳洲会病院は、600床の総合病院で、1979年10月に開院。福岡県春日市、福岡市、大野城市、筑紫野市を中心に、県内はもとより佐賀、熊本、鹿児島など、九州全体の基幹病院として慢性疾患医療および24時間対応の救急医療に貢献してきた。
特に胸部・心臓血管外科では、94年に佐賀大学より派遣された湊直樹部長のもと、心臓、大動脈、末梢血管、肺や縦隔疾患の手術治療を展開する。2007年12月までに、定時・緊急を含め1300件の心臓手術、370件の胸部大動脈手術、840件の腹部・末梢血管手術、140件の肺・縦隔手術の実績を持つ。07年9月には、「大動脈センター」を新設し、大動脈手術に今まで以上の力を注いでおり、また、新治療法「大動脈瘤のステントグラフト手術」の開始に向けて準備を進めている。
体に優しいオフポンプバイパス術
狭心症や心筋梗塞に対する冠動脈バイパス手術には特に豊富な経験と治療実績がある。99年、いち早く「オフポンプバイパス術」(人工心肺を使わず、心臓が動いたまま行う冠動脈バイパス術)を開始。現在ではオフポンプだけで560件の経験を持つなど、患者の体に優しい治療方法を追求してきた。全バイパス手術の95%がオフポンプで行われ、そのバイパス血管の開存率は99.0%で、技術面でも高い評価を得ている。
バイパス困難症例には最先端手術を施す
最近、「バイパスをつなぐ場所がないような多発性病変」や「金属ステントが入っておりバイパス不可能」などの重症な患者が増えている。これに対して、湊部長は冠動脈形成術やレーザーによる心筋治療(TMLR)を積極的に行っている。冠動脈形成術は、冠動脈を4~5cm切り開き、肥厚した内膜を除去し、広くパッチを当てるようにしてバイパス血管を吻合(ふんごう)する「内膜除去+オンレイ吻合」や金属ステントを除去してオンレイ吻合を行うなどの特殊技術を駆使する手術だ。


レーザー治療は、レーザーで心筋に1mmの小穴を開け、穴が治る過程で新たな毛細血管の増生をはかる。バイパスと同時にできるため、バイパス可能な血管にはバイパス術を、不可能部分には心筋に直接レーザー治療をすることで、心筋血流を改善させることができる。冠動脈硬化が強く、ステント治療、冠動脈バイパス術などの一般的治療ができない患者に朗報である。

湊 直樹(みなと なおき)
福岡徳洲会病院
胸部・心臓血管外科 部長
1981年、筑波大学医学専門学群卒業。
筑波大学循環器外科、神奈川県立こども医療センター、佐賀医科大学胸部・心臓血管外科、
Baylor College of Medicine(Texas, USA)を経て、94年より現職。
日本胸部外科学会認定医・指導医
日本外科学会外科専門医・指導医
心臓血管外科専門医
臨床修練指導医
特定医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院
胸部・心臓血管外科
■循環器センター
■大動脈センター
〒816-0864 福岡県春日市須玖北4-5
TEL.092-573-6622