増える虚血性心疾患症例
食文化の欧米化、メタボリックシンドロームの増加に伴い、狭心症、心筋梗塞(しんきんこうそく)などの虚血性心疾患症例は年々増えている。そこで注目されるようになってきたのが、心拍動下冠動脈バイパス術(オフポンプ手術)である。従来のバイパス手術と異なり、人工心肺を使用することなく、心臓を拍動させたまま冠動脈へのバイパス手術を行うものである。
オフポンプ手術の特長
著者らは1993年から取り組み、2000例以上の症例を行ってきている。本術式の最大の長所は、人工心肺を使用しないため、脳血管障害、腎障害などのハイリスク症例に対して、安全に手術が行えること、術後の合併症が少なく早期回復が可能なことである。一方、熟練した手術技術が必要となる。我々の成績では、死亡率0・4%以下と非常に安全で確実な術式となってきている。
1999年からは、さらなる低侵襲を目指し、完全内視鏡下バイパス術、ロボット手術支援装置によるバイパス術にも取り組んでいる。
渡邊 剛(わたなべ ごう)
金沢大学附属病院手術部部長
1984年、金沢大学医学部医学科卒業。
同年、同大学医学部附属病院第一外科。
89年に同大学大学院を修了し、ドイツ・ハノーファー医科大学心臓血管外科留学などを経て、
2000年、金沢大学医学部外科学第一講座教授。
2005年、東京医科大学心臓外科教授(兼任)。








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