熱に弱いがんに温熱療法でダメージを
がんは体の表面から深部にいたるまで、あらゆる組織にできる病気ですが、熱に弱いのが弱点です。
熱を使ったがん治療は、外科手術や抗がん剤、放射線に比べ、体に負担が少ない療法として注目されています。
わたしたちは、がんの患者さんたちに、温熱療法の中の一つである「全身ハイパーサーミア」を施行しています。なぜこの方法を選択したかというと、がんが全身に転移していたり、複数のがんがある転移性がんの患者さんに、一度に治療できる全身療法がより有効と考えたからです。遠赤外線で体表の血液を温め、血液の循環によって体の深部(41~41.8度)まで温める方法です。
当院はこの療法で現在までに1200症例以上の実績をあげており、進行がんで、さまざまな病院を転々としてきた患者さんも多く来院されています。
抗がん剤との併用でさらに良い治療もできる
熱をがん組織と正常組織に同時に加えると、正常組織は血流が増え放熱できます。しかしがん組織は血流を増やせないため、熱がこもりやすく、正常な組織に比べ高い温度になりやすいのです。
また「全身ハイパーサーミア」は、抗がん剤や放射線の効果を上げる働きがあります。体温が37度から5度上昇すると、抗がん剤の治療効果が5倍程度に高まります。つまり、がん患者さんは抗がん剤の使用量を、ほとんど副作用がでない5分の1に減らすことができます。このようにがんの標準治療と併用して、より良い治療も期待できます。
HIFUとRFAも加わり、さらに効率的な治療が可能に
当院は全身治療に加え、局所の強力な治療法である「集束超音波焼灼療法」(HIFU)を導入しました。この装置は、光をレンズで集めるように、強力な超音波を体の外側から目的部位だけの2.6mmの焦点に合わせて集束照射でき、超音波による70~80度の熱焼灼エネルギーでがん組織を焼きます。体を切開することは一切ありません。
また、ルカ病院では「ラジオ波焼灼療法」(RFA)を導入しました。腫瘍の中に直径1.5mmの電極針を挿入して、ラジオ波で加熱し、がんを固めて壊死させるというシステムです。
このように、当院では熱エネルギーの専門施設で、これらを組み合わせて治療していくことが可能です。がんが転移再発してしまって、抗がん剤も効果がないなど、標準治療で良い結果がでなかった患者さんのセカンドオピニオン、サードオピニオンをご希望の方も日々来院されています。
そしてこれからも、臨床研究や学会活動にも力を入れ、熱治療の素晴らしさを広め、がん患者さんに少しでも負担のない効果的な治療を施行していきたいと思います。
竹内 晃
医療法人社団 ルーク会
ルカ病院附属 ルーク クリニック 院長
埼玉医科大学大学院(内分泌)修了、医学博士。
1997年7月ルーク クリニック開設。
日本癌治療学会会員。
日本ハイパーサーミア学会指導医、評議員、将来計画委員。








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