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特集記事: 2008年9月 5日 [ 『がんで困ったときに開く本』 2008年9月5日 掲載 ]

増加する乳がんから女性を守るために マンモグラフィ検診

【監修】医学ジャーナリスト 牧野 賢治

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早期発見・早期治療で95%が治癒

近年、日本女性に乳がんが急増しています。罹患率・死亡者数とも増加傾向にあり、女性が最も気をつけたいがんの一つとなっています。1年間に約3万5千人の女性が乳がんと診断され、約1万人が亡くなる乳がん。その特徴は、他のがんに比べて好発年齢が40代と比較的若いことです。また最近では20代の女性にも乳がんが見つかるケースもあり、若いから大丈夫という思い込みは禁物です。

社会環境の変化の中で、少子化や高齢出産の増加、初潮年齢の早まり、遅い閉経などにより、現代女性がエストロゲン(女性らしい体を形成する卵胞ホルモン)の影響を受ける期間が長期化しています。乳がんの発症原因はこの女性ホルモンの乱れにあるといわれ、今後も患者数の増加が危惧されています。しかし、外科的治療、放射線療法、薬物療法など、乳がんの治療法は飛躍的に進歩しており、早期に発見・治療できれば、95%以上まで治癒が見込めるようになっています。従って、乳がんをより早期に発見できるように、精度の高い検診体制の構築が求められています。

初期乳がんを発見する乳房専用のX線検査

マンモグラフィ検査は、乳房専用のX線による撮影検査で、その特長は、視触診では発見しにくい初期の乳がんまで発見できる点です。検査は乳房を片方ずつ、透明なプラスチック板ではさみ、圧迫して撮影します。圧迫するのは、乳房内部を鮮明に写し出すためと放射線被爆線量をできる限り少なくするためですが、個人差、体調差はあるものの、中には圧迫で強い痛みを感じる人もいるため、痛みに敏感な人は生理前の1週間を避けると比較的楽なようです。左右それぞれの乳房に対して、上方と斜め上の2方向から1枚ずつ、合計4枚撮影するのが一般的で、検査は10分程度で済みます。マンモグラフィで発見される乳がんの70%以上は乳房温存術が適応可能な早期がんです。

早期発見を可能とするには、X線の撮影や読影に高度で専門的な知識・技術が求められます。精度の高いマンモグラフィ検診には習熟した撮影技師・読影医師と検査の精度を高める医療機器・医療施設が必要です。マンモグラフィの検診精度向上に向けて活動しているのが、特定非営利活動法人(NPO)「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会」(精中委)。活動内容は、医師や診療放射線技師に対するマンモグラフィの教育・研修と実力の認定、および施設画像の認定評価です。精中委に認定された認定医師・技師や認定施設名は精中委のインターネットサイトで公開されているので、マンモグラフィ検診を受診する際の目安にするといいでしょう。

日本女性の乳がん罹患率・死亡率がともに増加しているのに対して、欧米では同じく罹患率は増加しているにも関わらず、死亡率は減少しています。この違いは受診率の差であるといわれ、近年この受診率の低さが問題となっています。乳がんは日本女性の30人に1人以上が罹患し、年間1万人以上が死亡しているという現実をしっかりと認識して、若いうちから積極的にマンモグラフィ検診を受診することで、乳がんの早期発見に努めることが何よりも重要であるといえます。

【文/小林 恵美】

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