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特集記事: 2008年9月 5日 [ 『がんで困ったときに開く本』 2008年9月5日 掲載 ]

より楽に胃がんの早期発見を 経鼻内視鏡検査

【監修】医学ジャーナリスト 牧野 賢治

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苦痛の少ない鼻からの内視鏡

日本人が最もかかりやすいがんである胃がん。しかし胃がん検診を受ける人はまだまだ少なく、受診率も低い状況が続いています。その大きな理由の一つが内視鏡検査のときに多くの人が経験する、あのオエッという嘔吐感。しかし近年、鼻から挿入する経鼻内視鏡が登場し、さまざまなメリットから全国の医療機関に採用されています。

経鼻内視鏡の最大のメリットはなんといっても嘔吐感がなく、体への負担が少ないことです。従来の経口内視鏡の場合、スコープが舌の根元に触れるため、咽頭反射による検査中の嘔吐感がつきものでした。

経鼻内視鏡では、直径わずか5.9mmというスコープの細さと、そのしなやかさにより、スコープを鼻から無理なく挿入することが可能となりました。また舌の根元にスコープが触れないため、ほとんど吐き気をもよおすことなく、スコープ挿入時の不快感が大幅に軽減されました。

「苦しい思いをするのがイヤ」「なんとなく痛そうで恐い」といった理由で内視鏡検査を敬遠していた方からも、「これなら毎年受けてもいい」という声が増えています。

医師との会話もでき日常生活にすみやかに復帰

経鼻内視鏡検査を受ける場合には、苦痛がないように事前の前処置が重要となります。まず挿入ルートとなる鼻腔の通りをよくするための薬剤をスプレーし、鼻粘膜のむくみをとることで挿入ルートを広げ、さらに鼻腔の局所麻酔を入念に行い、鼻の粘膜をしっかりバリアすることで痛みを感じないようにします。こうした前処置をしていれば、ほとんどのケースにおいてスムーズに挿入できるのです。

また口から挿入する場合、鎮静剤を用いることで、患者が眠っている間に検査を行うケースもありますが、この場合、医師と患者とのコミュニケーションがとれず、また偶発症などのリスクも伴います。しかし、経鼻内視鏡検査の場合は、局所麻酔のみのため、検査中に医師と会話ができ、モニターに映し出された自分の胃の映像を見ながら質問したり、心配なこと、分からないことをその場で確認できるのです。

検査に際しては苦しくないだけでなく心拍数の上昇が少ない、酸素飽和度が変わらないなど体への負担も抑えられます。そのため疲労感が少なく、回復が早いことから、検査後少し休めばすぐに日常生活に復帰することが可能です。

近年胃がんによる死亡率は下がっているものの、罹患率は依然高いまま推移しており、胃がんは、私たちが最も気をつけなければならないがんの一つであることに変わりありません。しかし胃がんは早期に発見できれば完治しやすいがんでもあるのです。経鼻内視鏡の登場で、胃がんの検査は自分に合った方法を選べる時代となりました。

今まで検査を受けるときのつらさや恐怖心などから、なかなか検診に足が向かないという人も少なくありませんでした。経鼻内視鏡は胃がん検診の大きな選択肢の一つとして、さらなる普及が期待されており、これまで内視鏡検査を敬遠していた人も、定期的に年に一度、経鼻内視鏡検査を受診することをお勧めします。

【文/小林 恵美】

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