1929年3月に千代田区に開院した東京警察病院は、2008年4月に中野に新病院を開設いたしました。3テスラMRI以外にも最新の医療機器を備えるIT病院です。電子カルテと完全フィルムレスが実現されています。病院1Fの救急センターと隣接する放射線部検査室は最短の導線で結ばれており、時間が勝負の救急医療で迅速な画像診断が可能です。旧病院でも歴史的ないくつかの大災害・大事件において救急医療の機能を果たしてきましたが、新病院は広い敷地・免震構造・ヘリポートなど災害拠点病院としての使命をより確かに全うできる設計になっています。

警察病院という名称は、一般の方には受診しづらい印象を与えることがあるかも知れませんが、当院はどなたでも受診可能です。地域医療にあっては周辺医療機関の役割分担を尊重し、「病診」「病病」連携を重視した医療を行っていますが、特色ある診療で遠方の方にもご指名いただける病院を目指しています。予防医学にも力を入れており、人間ドックの基本メニューやオプションには、常に診療の一線に立つ医療従事者が関与しています。オプション検査で使用するMRIやCTは新しい機器です。病院併設型ドックの利点が精度の高い検査を実現しています。前述した以外にも病院は随所に工夫を凝らしていますが、設計・機器整備の基本理念は患者様に良質な医療を提供するためという一点にあります。職員の多くがさまざまな施設の見学や討議を重ねてできた病院です。その意味で、当院の職員には「私たちの病院」という意識が強いと思います。患者様に共感し、共に解決を目指す暖かい医療を提供することで、「皆様の病院」となれることが職員一同心からの願いです。