治療と検査の最新医療情報トップページ リウマチに対する抗サイトカイン療法 糖尿病による冠動脈疾患の発見に活躍<br />64列マルチスライスCT検査 バックナンバーはこちらから

特集記事: 2008年10月25日 [ 『新名医の最新治療2009』 2008年10月25日 掲載 ]

64列マルチスライスCT

【監修】医学ジャーナリスト 牧野 賢治

***

心臓カテーテル検査は危険が高く患者の心や体の負担になる

日本人の死因第2位である心臓病は、虚血性のものでは、心臓に酸素や栄養を運ぶ冠動脈の狭窄や、一時的閉塞で起こる狭心症と、冠動脈の完全な閉塞から起こる心筋梗塞の2つがある。どちらも数種の検査が行われるが、従来、確実な診断と同時に治療方針の決定に欠かせないのは、心臓カテーテル検査(冠動脈造影検査)だった。現在でも確定診断には欠かせない検査だが、手首や太ももの付け根の動脈に針を刺して、カテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓まで送り込む方法にはリスクがある。また検査が終わって針を抜いた後に、止血をするため粘着テープでの固定と数時間のベッドでの安静が必要だ。

心臓カテーテル検査の説明を受けた患者の中には、「こわい」と感じ、精神的なストレスになる場合もある。

低リスクで早期に心疾患の病変を見つけられる64列CT

こういった難点を避けて、患者にやさしい冠動脈検査を実現したのが、64列マルチスライスCTだ。最近、全国の病院で次々と導入されている。マルチスライスCTとは、X線を扇状にやや広い角度に照射し、同時にX線検出器を複数並べたもので、線源1回転でより多くの範囲の撮影が行える。検出器の多列化が進むにつれて、1回に撮影できる範囲は広がっていく。

検出器を64列並べた64列CTは、1秒間に3回転ほどの高速回転で、さまざまな角度からの断層画像を最大64枚撮影できる。拍動のため、常に動いている心臓などの画像も一瞬にしてきれいに撮れるので、疾患を見逃す可能性が少なくなった。もちろん、撮影に必要な患者の息止め時間も短く、被曝量も最小限で済むなど、メリットは多い。

64列マルチスライスCTは心臓の冠動脈検査にとくに威力を発揮するが、もちろん大動脈や腹部、頭部、下肢など、全身の血管の検査にも役立つ。また精密な3次元画像であるため、整形外科領域における膝(ひざ)や肘(ひじ)、股関節などの診断や治療にも大いに活躍してくれる。疾患の原因を正確に描出し、把握できる64列マルチスライスCTは、今後も広く活用されていくだろう。

【文/飛鳥漣】

バックナンバーはこちら(医療新聞社サイトへ)

このコーナーの運営は、医療情報サイト「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」(http://www.jmnn.jp)を運営する株式会社医療新聞社が行っています。

朝日新聞社は、このコーナーの運営、情報提供の内容、並びにこのコーナーの利用を通じて行われたお客様と各病医院の情報提供については、一切責任を負いません。

「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」の各コーナーでは、株式会社医療新聞社が情報提供した医療機関情報を掲載しています。

株式会社医療新聞社は、サイト運営者として信頼性の高い情報を提供するよう努めていますが、各医療情報の内容について、保証するものではありません。本サイトご利用に際しては、利用者の皆様ご自身が、本サイト及び本サイトにおいて提供される情報やサービスのそれぞれの有用性等を判断し、ご自身の責任でご利用下さい。

「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」の運営についての各種お問い合わせは、下記までお願いします。

株式会社医療新聞社
TEL 03-5337-2551