治療と検査の最新医療情報トップページ 早めのうつ病治療 男性のための<br />更年期障害治療 バックナンバーはこちらから

特集記事: 2008年10月25日 [ 『新名医の最新治療2009』 2008年10月25日 掲載 ]

アルコール依存症の早期治療
丸山 勝也先生

【特別寄稿】

日本アルコール関連問題学会 理事長
独立行政法人国立病院機構
久里浜アルコール症センター 病院長

丸山 勝也(まるやま かつや)

***

アルコール依存症の治療の原則は、節酒(飲酒量を少なく抑える)ではなく、断酒(禁酒とはいわない)の継続である。なぜかというと、この病気は飲酒量をコントロールして飲むことができない病気で、短期間は節酒ができても、そのうちに元の量に戻ってしまうからである。断酒継続を行うための方法としては、有効な治療薬などは存在していない。そのため、いまだに昔からいわれている「断酒の3本柱」が基本となる。すなわち、(1)抗酒剤(この薬を飲んでその後にお酒を飲むと、頭痛、吐き気、動悸などの悪酔いの症状が出る)の服用、(2)自助グループ(断酒会あるいはAA=alcoholics anonymous)への参加、(3)定期的な医療機関への通院である。

入院治療では、(1)依存症ではお酒を止めると離脱症状(手の振るえ、イライラ、不安感、不眠、発汗、動悸など)が出現し、つらいのでその治療(抗不安薬、睡眠薬)を行う、(2)長年の大量飲酒による臓器障害(肝臓病、高血圧、糖尿病、膵臓病、潰瘍、がんなど)の精査と治療を行う、(3)その後はアルコールリハビリテーションプログラムに沿って、心理的な依存に対する精神療法(個人、家族、集団)、薬物療法、生活作業療法(規則正しい生活を取り戻す)、運動療法(落ちていた体力を回復する)などを行う。

  以上が一般的なアルコール依存症の治療であるが、初期のアルコール依存症の場合、飲み過ぎによる臓器障害により、精神科ではなく一般診療科を受診するのがほとんどである。ここで医師が、これをアルコールの飲み過ぎが原因として捕らえることができれば、そこでアルコール依存症の早期治療が可能となる。しかし、残念ながらそれが行われていないのが現状である。したがって読者自身で、前述の過剰飲酒による病気がある場合には、まず4週間の断酒ができるかを試してみるとよい。それができる場合にはその後節酒とし、もしできなかった場合にはアルコール依存症の可能性が高いので、アルコール依存症の専門病院を受診することを勧める。

丸山 勝也(まるやま かつや)

日本アルコール関連問題学会 理事長
独立行政法人国立病院機構 久里浜アルコール症センター 病院長

バックナンバーはこちら(医療新聞社サイトへ)

このコーナーの運営は、医療情報サイト「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」(http://www.jmnn.jp)を運営する株式会社医療新聞社が行っています。

朝日新聞社は、このコーナーの運営、情報提供の内容、並びにこのコーナーの利用を通じて行われたお客様と各病医院の情報提供については、一切責任を負いません。

「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」の各コーナーでは、株式会社医療新聞社が情報提供した医療機関情報を掲載しています。

株式会社医療新聞社は、サイト運営者として信頼性の高い情報を提供するよう努めていますが、各医療情報の内容について、保証するものではありません。本サイトご利用に際しては、利用者の皆様ご自身が、本サイト及び本サイトにおいて提供される情報やサービスのそれぞれの有用性等を判断し、ご自身の責任でご利用下さい。

「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」の運営についての各種お問い合わせは、下記までお願いします。

株式会社医療新聞社
TEL 03-5337-2551