治療と検査の最新医療情報トップページ 糖尿病診療 睡眠時無呼吸症候群治療 バックナンバーはこちらから

特集記事: 2008年10月25日 [ 『新名医の最新治療2009』 2008年10月25日 掲載 ]

慢性頭痛の新しい治療
鈴木 則宏先生

【特別寄稿】

慶應義塾大学医学部
内科(神経内科)教授

鈴木 則宏(すずき のりひろ)

***

頭痛の種類と原因

「頭痛」は最も一般的な自覚症状で、経験したことのない人はいないといっていいほどかもしれません。しかしこの頭痛は、種類によって程度と重症度に大きな差があり、大きく3つに分類されます。

1つ目は、二日酔いの時や、かき氷のような冷たいものを食べた直後など日常的に起こる頭痛。病気ではなく、原因となる行為をしなければ頭痛は発生しないため治療の対象にはなりません。2つ目は、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などの脳とその周囲に原因がある頭痛。この場合、もともとの原因疾患を治療しなければおさまりません。それどころか、治療が遅れると生命が危険にさらされる可能性もあります。そして3つ目は一次性頭痛と呼ばれる「慢性頭痛」です。これには片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛という3つの大きな慢性頭痛があります。1990年代に全国調査が行われ、慢性頭痛を持っている日本人は全人口の約40%に及ぶことが明らかになっています。

慢性頭痛は、生命的な危険性はないものの、患者自身の仕事の能率(勤務や家事)、人間関係、雇用状況、仕事の将来性などに大きく影響することが調査の結果明らかになっています。

片頭痛は、片側に生じる日常生活に支障をきたすほどの激しい頭痛です。治療は発作急性期には「トリプタン」と呼ばれる治療薬を使います。内服薬以外にも点鼻薬、自己注射薬などの種類があり、症状に応じて使い分けます。片頭痛の病態に深く関わるセロトニンと呼ばれる生体内活性物質の受容体に作用する薬剤で、通常の鎮痛薬とは異なった作用メカニズムで強力な効果を発揮します。

緊張型頭痛は、慢性頭痛の中で最も多い型の頭痛で、頭を締めつけられるような頭痛が毎日のようにおこる持続性の頭痛です。ストレスにより引き起こされ、肩こり、めまい、目の疲れ、全身倦怠感などが随伴症状としてみられます。これまでの頭痛の症状と経過をつけていただいた頭痛日記を分析して、ストレスのコントロール、姿勢の是正、肩こりなどを解消するための運動(頭痛体操)の指導、そして抗不安作用をあわせ持つ中枢性筋弛緩薬を中心とした薬物療法を行います。

群発頭痛は、極めて稀な頭痛ですが、ある一定の期間(多くの場合1~2カ月間)連日しかも夜間、明け方のほぼ一定の時間に起こる激しい頭痛で、その起こり方が群発性のためにこう呼ばれています。痛みのある側のまぶたが下がったり、鼻がつまったりするなどの自律神経症状を合併することが特徴です。治療は、片頭痛同様トリプタンが有効で、特にその注射薬が特効薬です。

慢性頭痛はその苦しみが本人にしかわからないため、痛みに対しても社会生活に対しても周囲の想像以上につらい思いしている方が多いのです。まさに「たかが頭痛、されど頭痛」です。少しでも症状に心当たりがある方は頭痛専門外来を受診することをお勧めします。

鈴木 則宏(すずき のりひろ)

慶應義塾大学医学部
内科(神経内科)教授

バックナンバーはこちら(医療新聞社サイトへ)

このコーナーの運営は、医療情報サイト「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」(http://www.jmnn.jp)を運営する株式会社医療新聞社が行っています。

朝日新聞社は、このコーナーの運営、情報提供の内容、並びにこのコーナーの利用を通じて行われたお客様と各病医院の情報提供については、一切責任を負いません。

「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」の各コーナーでは、株式会社医療新聞社が情報提供した医療機関情報を掲載しています。

株式会社医療新聞社は、サイト運営者として信頼性の高い情報を提供するよう努めていますが、各医療情報の内容について、保証するものではありません。本サイトご利用に際しては、利用者の皆様ご自身が、本サイト及び本サイトにおいて提供される情報やサービスのそれぞれの有用性等を判断し、ご自身の責任でご利用下さい。

「治療と検査の最新医療情報:全国病院・医院選び」の運営についての各種お問い合わせは、下記までお願いします。

株式会社医療新聞社
TEL 03-5337-2551