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特集記事: 2009年2月12日 [ 『いい病院 2009』 2009年2月12日 掲載 ]

人工関節のスペシャリストを迎え4月に関節外科センターを新設

【取材協力】

小松 永二

西横浜国際総合病院 院長

小松 永二
(こまつ えいじ)

大久保 俊彦

西横浜国際総合病院
関節外科センター長

大久保 俊彦
(おおくぼ としひこ)

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地域に密着した急性期医療を展開してきた西横浜国際総合病院は、2009年4月に関節外科センターを開設する。センター開設に当たって、小松永二院長は人工関節のスペシャリストである大久保俊彦医師を迎えることに決定した。人工関節置換術を中心とした関節疾患の専門施設が横浜市戸塚区に誕生する。

人工関節置換術を今後の病院の柱に

1988年の開院以来、西横浜国際総合病院は地域密着型の病院として、戸塚区を中心に横浜市南西部の急性期医療を担ってきた。2008年9月に開設20周年の節目を迎えたが、これに先立つ4月に外科部長の小松永二医師が院長に就任。6月には急性期を脱した脳血管障害の患者を対象とする回復期リハビリテーション病棟を開設し、7月からは医療の効率化を図るために厚生労働省が推進するDPC(診療報酬包括請求)に参入するなど、数々の施策を実現してきた。

2009年4月には、既存の整形外科とは別に人工関節置換術を行う「関節外科センター」を開設予定で、神奈川区の大口東総合病院に勤務していた大久保俊彦医師をセンター長に招く。小松院長はこの新しいセンターを開設する理由を次のように説明する。

「当院の整形外科は外傷を中心とした急性期の治療において、地域に密着した幅広い需要に対応しています。しかし、高齢社会の進展やQOL(生活の質)向上の時流に伴って増加する人工関節手術の需要に対し、安定した治療成績を求める患者さんに、より広い地域からも来ていただけるような病院を目指したいという思いがありました。そこで、人工関節に関する豊富な経験と優れた技術を持つ大久保先生を迎え、病院の将来を支える柱になっていただきたいと考えたわけです。整形外科と関節外科センターが互いの専門性を発揮することで相乗効果が生まれ、病院全体が活気づくことを期待しています」

大久保医師は1985年に横浜市立大学整形外科に入局。1990年6月から2008年10月まで、人工股関節置換術1754例、人工膝関節置換術253例、寛骨臼回転骨切り術754例など、全国でも指折りの手術経験を積んでいる。

「25年の関節治療技術の総決算として、人工関節を専門に手がけられる場所が必要だと考えていました。以前は骨折や脊椎疾患などにも携わる必要があり、人工関節置換術においては何カ月も患者さんを待たせてしまう状態でした。今後はセンター化によって人工関節の分野に専念することができます」と大久保医師。2月から外来診療を始め、4月から本格的に人工関節置換術を手がけることになる。

手術の正確性を確認するために用いられるナビゲーションシステム(手術支援機器)/画像診断に用いる1・5T(テスラ)の高性能MRI

高度な技術と経験を必要とする再置換術

人工関節置換術は、人工関節を入れることで壊れた関節を再建する手術である。股関節においては、臼蓋(きゅうがい・股関節の屋根の部分)が未発達で大腿骨頭への被(かぶ)りが浅い臼蓋形成不全、あるいは軟骨の変性や磨耗により関節が変化する一次性の変形性股関節症などに適応される。関節の痛みを根本から取り除くことができるため、この手術を積極的に導入している病院は多い。

しかし、人工関節を長く使用していると、ゆるみや破損が生じたり、人工関節の磨耗粉が周囲の骨を溶かしたりすることがある。この場合に必要となるのが再置換術だ。

「人工関節を入れ替えるわけですから、再置換術にはかなりの技術と経験が求められます。初回の手術をある程度経験し、人工関節手術の十分な技術を持つことが前提ですが、再置換術では骨の状態や壊れ方によって、手術中に予定を変更せざるを得ない場合が多くあります。その場で関節への体重のかかり具合を計算しながら、骨の欠損部を補強するために高度な骨移植技術も必要になります」と大久保医師は語る。

人工股関節置換術。話題のMSI(最小侵襲手術)について、「その言葉にこだわらず、常に最小侵襲を心がけています」と大久保医師

現状では、安易に行われた初回の手術で人工関節が長く持たずに壊れてしまい、非常に困難な再置換術を要する患者が大久保医師のもとにやって来る。短期間に破損した人工関節には、技術的なミスもあると大久保医師は警告する。

「人工関節置換術の適応年齢は40~90歳と幅広く、患者さんの体格や骨の強度はそれぞれ違ってきます。私は常時5種類の人工関節を全サイズ用意していますが、それぞれの患者さんに適した人工関節を選択し、手術のアプローチ法から設置位置まで決定するには医師に相当の技量が求められます。例えば変形性股関節症という病気があり、その治療の一つとして人工股関節置換術があるわけです。関節本来のあり方から人工関節置換術を突き詰める。まずは関節そのものをよく知ることが重要です」

人工股関節の模型を使っての説明は、患者の理解が深まるという利点がある。右の写真は人工股関節置換術(上)と、人工股関節の再置換術

6カ月以上のリハビリで術後の身体機能が向上

大久保医師は長期にわたって変形性股関節症の患者を評価した結果、片足に人工股関節置換術を行った患者は、手術しなかった側より、手術した側の足の関節機能が総合的に高まるのではないかと結論づけている。機能を高めるために適切な手術は当然だが、それには術後のリハビリテーションやエクササイズも大きく影響するという。

「術後6カ月以上連続して行うと筋力が失われにくいんです。平衡感覚は75歳頃から低下していきますが、筋力があると平衡感覚の障害で起こる転倒や骨折を防ぐことに役立ちます。また、退院後にも趣味やスポーツを続けるなど、高度な体を維持するためにはエクササイズが有効です」

みずからNPO法人の骨・関節研究会を設立し、リハビリテーション指導士らとともに患者に対して運動療法の指導も行う。大久保医師のように患者を長期的にフォローしてくれる整形外科医は珍しい。

小松院長が大久保医師を招いた理由は、優れた技術もさることながら、その熱心な姿勢にあるのかもしれない。

「安心・安全の医療~患者様と共に~」を理念とする西横浜国際総合病院

「千鍛万錬という言葉がありますが、外科医には日々精進が必要で、それを若いスタッフにも伝えていきたい。その格好のお手本となる大久保先生を中心に、患者さんの何年先までも見据えた医療を提供していきたいと考えています」と小松院長は締めくくる。

【取材/駒井 一行】

小松 永二(こまつ えいじ)

西横浜国際総合病院 院長

1996年から西横浜国際総合病院の外科部長。
2008年4月からは院長を兼任。
以来、プライベートな時間がなく、趣味のテニスは休止中。
日本消化器外科学会認定 消化器外科専門医ほか


大久保 俊彦(おくぼ としひこ)

西横浜国際総合病院 関節外科センター長

大口東総合病院の勤務を経て2009年2月から西横浜国際総合病院で診療開始。
自家用車にスポーツウェアを常備し、日頃の運動を欠かさない。
日本整形外科学会認定 整形外科専門医ほか

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