関西記念病院のストレスケアユニットは、うつ病患者が静養しながら入院治療を受けられる専門病棟だ。室内には自然光が存分に取り込まれ、木製の家具や床、間接照明が温かさを演出する。まるでリゾートホテルのような快適さだ。同グループでは、2008年11月にうつ病の外来診療と復職支援に専門特化した「くずはストレスケアクリニック」を開院し、メンタルヘルスのEAP(従業員支援プログラム)を提供するオフィスを併設。さらに09年1月には病院を増改築し、うつ病患者を中心に受け入れる急性期治療病棟の新館をオープンした。
治療環境を整備したストレスケアユニット
「うつ病で入院治療が最適と判断されても、従来は精神科病院で対応するしかなく、そこにさまざまな精神疾患の患者さんが入院している状況では、うつ病の患者さんが軽快することは望めません。ストレスケアユニットは、うつ病患者の治療環境を整備し、休息期、回復期から退院準備期までをシステマティックに治療することを第一に考えた病棟です」と亀廣聡理事長。
病棟では患者の病態に応じて作成されるクリニカルパス(入院診療計画表)に基づき、医師や看護師、臨床心理士などのコメディカルが一丸となってうつ病を治療する。薬物療法を主体としながら、体の緊張をほぐすストレッチ、否定的になりがちな思考を修正する認知行動療法、アロマセラピーなどの多彩なプログラムで患者を回復へと導く。
副院長の小笠原一能医師は「漫然と入院していても治療効果は上がりません。治療目標を明確にし、ある時点で一旦退院していただくことになります。症状が良くなっていれば、退院から間を置かず復職にチャレンジしてもらいます。それが難しいなら、復職に向けて自宅から通院治療、あるいは新たな目標を設定して再入院となります」と語る。
復職支援のためのクリニックとEAP
くずはストレスケアクリニックは、まさに復職支援を目的とした心療内科のクリニック。松村一矢院長は「就労者のうつ病の方に向けた関西記念病院の窓口です。精神科や心療内科を受診することをためらい、重症化する方が少なくありません。うつ病を専門に診るクリニックということで、早期に受診していただきたいです。また、うつ病は自分の生き方を見直す機会でもあると考え、積極的に受診していただきたいですね」と話す。
EAPオフィスとしてクリニックに併設されたSEAPO(シーポ)は、企業の社員とその家族に対し、うつ病の予防や早期発見、復職をサポートする。今後は京阪沿線の企業と提携していく予定だ。1月に病院内の敷地に完成した急性期治療病棟は、自殺企図のあるうつ病患者を中心に保護治療する施設である。
「すべてがうつ病治療のために何が必要かを考えた結果です」と亀廣理事長。うつ病治療の総合的な医療ネットワークがここに確立されている。
【取材/駒井 一行】








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