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特集記事: 2009年2月12日 [ 『いい病院 2009』 2009年2月12日 掲載 ]

気になるにおいを消したい わきが・多汗症の治療

【監修】医学ジャーナリスト 牧野 賢治

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わきが・多汗症の原因は3種類の分泌腺にある

わきが(腋臭症・えきしゅうしょう)は、わきの下から強い異臭を放つ症状のことで、原因は皮膚の分泌腺にある。分泌腺にはアポクリン汗腺、エクリン汗腺、皮脂腺があり、これらから出てくる分泌物が互いに影響しあって、わきが特有のにおいを発生させるものと考えられている。

アポクリン汗腺はわきの下や局部などの、毛が密集している部分にしかない特殊な汗腺で、においの元となる脂肪やたんぱく質、アンモニアなどを含んだ汗を分泌する。皮脂腺は毛が生えている部分にあり、皮膚や毛髪を保護するための脂肪を分泌している。このアポクリン汗腺や皮脂腺から分泌される脂肪は、皮膚にもともと存在している常在菌の栄養となっており、脂肪が分解されるときに、強いにおいを発生させる。

一方、全身の皮膚にあるエクリン汗腺から出る成分はほとんどが水分で無臭だが、体温調節のために汗が大量に流れるとアポクリン汗腺の汗と混じり、においがわき全体に広がる。

わきがはアポクリン汗腺の数が多く、その働きが活発な人に多く見られる。わきの下に大量の汗をかく多汗症は、エクリン汗腺からの分泌量が多い人だが、わきがに悩む人の約半数が同時に多汗症であるといわれている。アポクリン汗腺が発達してくるのは思春期で、それに比例してわきがも多く発症する。

女性の場合は、女性ホルモンの分泌が衰えてくる更年期にもにおいが強くなることがある。また、遺伝的な要因が大きいとも考えられており、精神的緊張によってもアポクリン汗腺の汗が出やすくなるので、常にストレスにさらされる環境にいる人もわきがになりやすいといわれている。また、最近ではにおいがないにもかかわらず、自分はわきがだと思い込む人が増えている。家に引きこもったりする人も多く、社会生活をうまく営めない場合が多い。この場合はメンタル面に問題があることが多いので、心の治療を必要とすることもある。

わきがと多汗症治療 代表的な手術法

わきがの治療は、手術によってアポクリン汗腺を取り除くことが基本だが、同時にエクリン汗腺も取り除くことによって、多汗症の治療もできる手術もある。

●剪除法(せんじょほう・直視下摘除法)

わきが手術で、健康保険の適用が認められている手術。わきの下を切開し、医師が目視によってアポクリン汗腺を1本ずつハサミで切り離していく。再発の少ない方法だが、医師の技量によって結果に差が出ることもある。

●ローラーシェービング法

イナバ式皮下組織削除法ともいわれ、汗腺を効率よく削除するために、回転式のローラーとカミソリの刃がついた専用器具を使用する。わきの下を約1mm切開して刃を皮膚の裏側に差し込み、ローラーで表面を押さえながら器具を動かして、真皮や皮下組織を削る。エクリン汗腺や皮脂腺も取り除くことができる。

●クワドラカット法

高速回転式の刃がついたカニューレを差し込み、汗腺類を削りながら吸引する。電気ひげそり機のように、刃先は正常な皮膚を傷つけない仕組みになっている。

●マイクロレーザー法

先端の直径が1mmのレーザーファイバーを挿入して、アポクリン汗腺とエクリン汗腺に直接レーザー光を照射して燃焼させる。

これらの他にもわきがの手術法は多種類あり、医療機関によって採用している術式とその名称はさまざまだ。ほとんどの医療機関がいくつかの手術法を用意しているが、やはり医師がその手術に長けていて、経験豊富であることが重要になる。事前に治療内容をしっかり確認することが大切だ。

【文/飛鳥 漣】

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