現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 住まい
  4. マンションナビ

広告特集 企画 朝日新聞社広告局

マンションナビ

日本全国の新築マンション情報をお届けします。注目の新着物件も満載!

コラム

染谷正弘氏による連載コラム。住まいのお役立ち情報や話題の街の文化・周辺環境などをご紹介します。

街の記憶:川崎・・・パワフルな商業都市、文化都市

写真
写真
写真

JR川崎駅、西口がいますごい。昨年秋にオープンした「LAZONA・ラゾーナ川崎プラザ」(写真)が、いままた川崎のイメージを大きく変えようとしている。

駅改札口に直結する円形広場(ルーファ広場)と一体空間となった真っ白なショッピングモール「ラゾーナ」は、約300の店舗、シネマコンプレックス、スポーツジムが併設された巨大複合商業施設だ。屋上庭園や屋外ステージはもちろん、神社もある。それは、全く新しいかたちの駅前ペデストリアンデッキ(人工地盤)商業施設といっていいだろう。

駅改札口を抜けその円形広場に立ち入れば、飛行機の翼のような大屋根、それを支える巨大な列柱がシンボリックに建ち並現れる。地中海の古代ギリシャ神殿(写真)を連想させるそのデザインは、スペインの建築家リカルド・ボッフィールだという。彼は、古典主義建築様式を参照したポスト・モダン建築の旗手として世界的にその名を知られている。

リカルド・ボッフィールの代表作のひとつであるパリ郊外のユータウンに建つ低所得層のための集合住宅は、やはり古代ギリシャ神殿の列柱をそのまま肥大化させたような建築でとてもユニーク(写真)。しかも建築と広場と一体となったその空間は、西欧都市のエッセンスが凝縮されたシンボリックなものとなっている。そうした広場と建築とを一体化したデザインは、やはり西欧人のDNAが成せる技だろう。そのDNAは、「ラゾーナ」に見事に受け継がれ、新しいかたちのエンターテーメント・スペースへとなって開花している。

西口には、駅改札口に直結するもうひとつのエンターテーメント・スペース「MUZA・ミューザ川崎」がある。2004年春にオープンしたこの超高層ビルは、アート感覚に満ち溢れ、いまや川崎のアート・文化の情報発信拠点、まさに新しい川崎の顔、シンボルタワーとなっている。

写真

圧巻は、このタワーの中心施設「ミューザ川崎シンフォニーホール」だ。「ベルリンフィルハーモニーホール」(写真)をモデルにした約2,000席を有するこの巨大円形ホールは、日本にまだ3つしかない形式のホールだという。川崎市は、いま街をあげて「音楽の街・川崎」へと変身しようとしている。「工業の街・川崎」というイメージは、もう遠い過去のものになっている。

川崎のイメージチェンジに大きく貢献したエンターテーメント・スペースが、もうひとつある。JR川崎駅・東口、旧東海道沿いにある「ラチッタデッラ」(写真)だ。こちらもショップ、レストラン、ライブホール、結婚式場ありの巨大複合商業施設だが、13のスクリーンに客席数約4100席という首都圏最大のシネマコンプレックス(チネチッタ)を核としているところにその最大の特徴と魅力がある。その観客動員数がすごい。2002年にオープンし、03年、04年、05年と、日本一の興業収入を挙げているという。

写真

「ラチッタデッラ」のもうひとつの特徴と魅力は、その建築デザインにある。「ラゾーナ」が地中海の古代ギリシャ神殿なら、「ラチッタデッラ」はヨーロッパの田舎街。実際、イタリアの古い街並みを再現したらしい。僕にはフランス・プロバンス地方の小さな田舎町(写真)のように思えるけど、いずれにしろ一歩踏み入れれば、そこはもうヨーロッパ。川崎駅前のショッピングモールとは到底思えない。

でも、すぐ近くには、大きなアーケードが架かった大きな商店街が延々と広がっている。あまりにも日本的な、そしてコテコテの商店街だ。そこに、普段着の川崎があり、強烈な都市のパワーを感じる。そのパワーこそが、「ラゾーナ」や「ラチッタデッラ」や「ミューザ川崎」などのエンターテーメント・スペースを次々と誕生させているのだろう。

いま、西口では、駅改札口とペデストリアンデッキで直結する超高層タワーマンションが2本建築中だ。それが竣工すれば、川崎駅前のイメージはまた変わるだろう。川崎は、進化し続けている。

周辺物件

染谷正弘染谷正弘(そめや・まさひろ)
建築家、住環境研究家
(株)デザインショップ・アーキテクツ代表、文化女子大学講師戸建住宅や集合住宅の設計を中心に、住まいづくり、街づくりにたずさわる。
最近は、「コミュニティをデザインする」という発想のもと、大規模集合住宅のデザイン・プロデュースを数多く手がける。
(株)デザインショップ・アーキテクツ:http://www.ds-architects.co.jp