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マンションナビは2010年3月31日をもって終了させていただきました。

コラム

染谷正弘氏による連載コラム。住まいのお役立ち情報や話題の街の文化・周辺環境などをご紹介します。

街の記憶:相鉄線・鶴ヶ峰・・・水と緑と歴史の街

ビックターミナル横浜駅には、6社もの電鉄会社が乗り入れている。そのうちのひとつが相模鉄道、通称「相鉄線(そうてつせん)」。横浜から海老名までを本線とする相鉄線は、横浜文化圏の住宅街を走り抜ける典型的な都市型鉄道だ。だから、通勤、通学客が多く、大手私鉄のなかでは唯一定期券客の比率が50%を越えているという。それに、横浜駅での一日の乗降客は約50万人というからすごい。小田急線新宿駅並みらしい。

神奈川県内にしか路線を持たない相鉄線が、その急成長ぶりから大手私鉄の仲間入りをしたのは1990年。そして、さらに、JR東日本や東急電鉄と横浜駅で相互乗り入れし、神奈川県を越えて東京都心と直結する日もそう遠くはないと聞く。

その相鉄沿線で、いま注目したい街がある。鶴ヶ峰だ。横浜駅から快速で9分ほどのこの街は、横浜市総合計画「ゆめはま2010プラン」で副都心に位置付けられていて、鶴ヶ峰駅前は再開発の真っ最中にある。その一環として、駅直結のタワーマンション建設が進んでいる。

この超高層タワーマンションの出現は、鶴ヶ峰駅周辺イメージを大きく変え、相鉄沿線の新たなシンボルとなるに違いない。また、鶴ヶ峰駅を最寄り駅とするメガマンションも、帷子川沿いに近々建設予定と聞く。大変身中の鶴ヶ峰エリアが、いま注目され始めている。

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鶴ヶ峰の魅力はどこにあるのだろう。街の中央に帷子(かたびら)川が流れ、街のいたる所に緑豊かなたくさんの公園や緑道があり、目を凝らせば川面に水鳥が舞い、耳を澄ませば小鳥のさえずりが聞こえてくる。また、鎌倉時代の武将・畠山重忠ゆかりの伝承や史跡も多い。鶴ヶ峰は、水と緑と歴史の街、そう言っていい。

まず、鶴ヶ峰駅すぐそばにあるのが「帷子川親水緑道」。帷子川は、もともと曲がりくねった蛇行の激しい暴れ川で、水害の多い川だった。そこで、川の直線化や護岸工事など、連綿と河川改修工事が進められてきた歴史がある。帷子川を改修し、直線化したときに残った湾曲部につくられたのが、この全長約600メートルの「帷子川親水緑道」だ。

東屋のある池から流れる小川はいつしか自然そのままの渓流になり、木々の間に吊り橋(写真)やバードウッチング用の小屋が見え隠れし、どこまでも深い森が広がっているかのように思えてくる。「帷子川親水緑道」には、すぐ近くを電車が走っているとは到底燃えない深緑の世界が広がっている。

鶴ヶ峰駅を背に、「帷子川親水緑道」の先をさらに10分も歩けば、白根公園に着く。その奥に「白根不動」、「白糸の滝」(写真)がある。霊験あらたかな白根不動の本尊は、高さ5僂曚匹両さい不動明王で、弘法太師の作だという。白糸の滝は、幅7メートル、落差3.2メートルほどの小さな滝だ。すぐ近くには竜神様が祀られた小さな洞窟もあり、あたりはすがすがしい神聖な霊気に満ち満ちている。

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さて、鶴ヶ峰一番のエンターテーメントスペースとして「ズーラシア(よこはま動物園)」を忘れることはできない。豊かな自然のなかの広大なスペースに、動物たちはゆったりと暮らしている。園内は隅々まで清潔感にあふれていて、何よりも動物達がきれい。珍しい動物もたくさんいて、思い切り遊べる広場や遊園地もあり、「生命の共生・自然との調和」をテーマに様々な仕掛けやイベントも用意されている。大人も子供も一日中いて飽きない。

そのズーラシアと鶴ヶ峰駅を結んでいるのが、「ふるさと尾根道」だ。約1.6劼亮然豊かな緑道で、ハイキングコースになっている。そのランドスケープデザインがすばらしく、平成12年度には都市景観大賞を受賞しているという。

旭区には、区内の公園群を緑道でつなごうという「旭区グリーンロード」構想がある。この「ふるさと尾根道」はその代表例といっていいだろう。そのグリーンロード途中にあるのが白根公園であり、今宿東公園だ。自然の森をそのまま公園にしていて、古木も多い。春は桜、夏は青葉、秋は紅葉と、四季折々の自然を思い切り体感できる。

「ふるさと尾根道」が木々の緑のグリーンロードなら、川辺の水のグリーンロードが「帷子川ル−ト」だ。鶴ヶ峰駅を起点にした帷子川沿いの緑道で、全長6kmほどのやはり自然豊かなハイキングコースになっている。

「帷子川ル−ト」周辺にもたくさんの見どころ、史跡があり、その環境整備がどんどん進んでいる。駅近くにあって、旭区役所と鶴ヶ峰公園を結んでいる「鎧の渡し緑道」(写真)もそのひとつ。また、つい最近、帷子川沿いの並木道にしだれ桜が植えられたばかりだ。来年は、「帷子川ル−ト」の川辺にきれいな花を咲かせることだろう。この旭区グリーンロード周辺の公園には、スポーツ施設と自然を融合させた今川公園があり、豊かな自然に囲まれてテニスや野球を思い切り楽しむことができる。

横浜文化圏にあって、こんなにも豊かな水と緑の自然と文化を享受できる鶴ヶ峰は、これからますます魅力満載の住宅街へと変身していくことだろう。

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染谷正弘染谷正弘(そめや・まさひろ)
建築家 DSA住環境研究室代表 文化女子大学講師
戸建住宅や集合住宅の設計を中心に、住まいづくり、街づくりにたずさわる。
「コミュニティーをデザインする」という発想のもと、大規模集合住宅のデザイン・プロデュースを数多く手がける。
(株)DSA住環境研究室:http://www.ds-architects.co.jp